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上手なおつきあいのための「心得」/しきたり54:親しい人への弔問は、余裕があれば喪服で通夜に参列する

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家。消費生活アドバイザー。

新潟県生まれ。 共立薬科大学卒業。 料理や家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なア ドバイスで、出版・講演など幅広く活躍中。 著書に『「やさしくて小さな暮らし」を自分で作る』(家の光協会)『始末な暮らし』(幻冬舎)『快適に暮らす小掃除術』 『すぐにできるエコ家事』(ともに集英社be文庫)

気持ちよく暮らす「生活のしきたり」

 

季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!

 

ここでは、各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介します。

教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。

 

 

このパート【上手なおつきあいのための「心得」】では、心地よいつきあいに関するしきたり44~61をご紹介します。

今回は、しきたり54:親しい人への弔問は、余裕があれば喪服で通夜に参列する、についてです。

 

 

 

 

●上手なおつきあいのための「心得」●

 

家族、友人、恋人、親戚、子ども同士、仕事など、人と人とのコミュニケーション=つきあいほど難しいことはありません。電車の中で肩が触れた、触れないの言い争いから喧嘩となり、重傷を負ってしまった、近所のピアノの音がうるさいと、近所づきあいが疎遠になってしまったなど、つきあいはときとして争い事にもなり、そのために人を傷つけてしまうことだって起こりかねません。

 

我慢すべきときは我慢、言うべきときは言う、そして、かかわりのないときにはかかわらない、といったように、つきあいにはほどよい距離感を保つことが欠かせません。すべて自分の価値観と同じと思うのではなく、人には人の考え、思い、思惑などがあり、無理してつきあっても決してうまくいくとは限らないのです。

 

つきあいをうまくするには、まず自分の性格、家族の性質などを十分に把握して、欠点をわきまえておくことが大切です。それがわかれば無理することがなく、背伸びすることもない、身の丈に合った、心地よいつきあいができるに違いありません。

 

 

 

しきたり54

親しい人への弔問は、
余裕があれば喪服で通夜に参列する

 

 

気候が急変しやすい真冬や真夏は、訃報が多いときです。体調が悪いところに、大きく気候の変化が重なるせいかもしれません。訃報を聞き弔うときには、形式にこだわることなく、故人とのつきあいの気持ちを優先させることです。

 

通夜か告別式かを迷う人がいますが、迷うことはありません。親しいつきあいであれば、当然通夜です。昨年、一緒に机を並べ、5年ほど仕事をしてきた方が、急に亡くなられました。仕事のつきあいだけとはいえ、仕事の合間には、暮らしぶり、家族や孫のこと、趣味や健康などに関するさまざまな話しをしてきましたから、時間にすればわずかだったかもしれませんが、つきあいとしては、中味が濃かったと思います。その彼の弔いですから、告別式ではなく、通夜に弔問したいとの気持ちが強かったのです。それは彼の人となりによるところもありました。穏やかで、押しつけがましくなく、几帳面、何事にもコツコツ励む。こんな人柄でしたからつきあいも広く多く、ほとんどの方が通夜に弔問したそうです。通夜は家族、親戚、ごく親しい友人が亡くなった人との別れを惜しむときです。弔問では、地味な服装であればいいといわれますが、最近では喪服を着用するのが普通になっています。

 

昔は、死は予測なく急におとずれましたので、通夜に急ぎ駆けつけることになり、地味な服装でよかったものです。しかし、日常が忙しい近年では、葬儀を執りおこなうほうも、弔問客や遠方からの親戚など、また準備などを考慮して、死を迎えた直後の通夜も少ない傾向になっています。ゆえに、通夜の弔問も喪服による参列へとかたちを変えてきています。

 

 

弔問に参列したときの弔いですが、亡くなられた方の葬儀のかたち、つまり宗教に添うようにします。弔いの方法は仏式、神式、キリスト教式などがありますので、それぞれの弔い方に合わせます。

 

実際に弔問するときは、始まる10分前くらいに着きます。夏は服装に気をつけたいものです。行くまでが暑いのでノースリーブでとなりますが、上着は必ず持ち、式場で上着を着るようにします。式場では進行に従います。例えば仏式の場合に弔問者が多いとき、お焼香は一回丁寧にします。お焼香は、まず遺族に一礼し、遺影に向かい頭を下げ、香をつまみ瞑目し故人を弔い、香炉に静かに落とし、一礼して下がります。

 

お焼香が済むと、通夜振る舞いの席に案内されます。故人を偲ぶ席ですから、まわりの人と故人の思い出話をします。このとき、大声で話す、仕事などの話しをするなどは慎むことです。故人と親しければ親しいほど席を立ち去りがたいのですが、閉式の時間もありますので時間を考えて帰ります。自宅に帰ったら家に入る前に塩で清めます。

 

弔問でのお香典は、昔、村社会だったころ、喪家との関係で持参するものが米一升とか二升とか、決まっていたそうです。この決まりが金銭に変化し、それがお香典となったようです。お香典は、弔問の気持ちを表し、亡くなられた方との親しさや故人を悼む気持ちに添って自分で考えて決めます。ただ、私は弔問に伺うこと自体も気持ちの表し方と思っています。また、折り悪しく弔問に伺えなかったときには、花やお供えの品を送るのもひとつです。

 

友人が亡くなり、通夜にも告別式にもいけませんでした。後日、花を持ち仏前にお参りしましたが、私は弔問したと思っています。

 

 

しきたり54イラスト:弔問の服装

 

 

 

次回は、しきたり55:集合住宅で暮らす際には、利点と欠点をよく把握する、についてご紹介します。

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