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意思疎通をなめらかにする言葉遣いの「心がけ」/しきたり64:電話・携帯は朝9時から夜9時にかけ、自分から名乗る

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家。消費生活アドバイザー。

新潟県生まれ。 共立薬科大学卒業。 料理や家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なア ドバイスで、出版・講演など幅広く活躍中。 著書に『「やさしくて小さな暮らし」を自分で作る』(家の光協会)『始末な暮らし』(幻冬舎)『快適に暮らす小掃除術』 『すぐにできるエコ家事』(ともに集英社be文庫)

気持ちよく暮らす「生活のしきたり」/64:電話・携帯は朝9時から夜9時にかけ、自分から名乗る

 

 

季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい、カジュアルな決まり事を覚えましょう!

各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介しています。

教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。

 

 

このパート【意思疎通をなめらかにする言葉遣いの「心がけ」】では、お互いの気持ちを通わせる言葉についてのしきたり62~67をご紹介します。

今回は、しきたり64:電話・携帯は朝9時から夜9時にかけ、自分から名乗る、についてです。

 

 

●意思疎通をなめらかにする言葉遣いの「心がけ」●

 

言葉のトーンひとつで、相手の気持ちがわかることがあるものです。メール通信が盛んになり、話しもせず、言葉もつかわないといった人が増えているようですが、言葉はお互いの意志を通わせる、最も手軽な手段。メールの文章も大切ですが、言葉で意思疎通をはかることはより積極的に相手を理解する方法のひとつです。

 

 

しきたり64

電話・携帯は朝9時から夜9時にかけ、
自分から名乗る

 

電話・携帯は、現代生活に欠かせない道具です。このコミュニケーション道具を上手に使いこなすには、家庭でも、自分でも、一定の決まりを持つことが必要です。

 

①電話をかけるとき 電話をかける相手が、どんなに親しい方でも、早朝、深夜は避けること。ここは常識の範囲を守るようにします。朝であれば、会社が始まる9時からに。自治体や公的団体などでは8時半から始業になるところがあるようですが、一般的には9時始業が多いようですので、そのころが朝一番です。夜は就寝前までというのが常識的。年齢にもよりますが、おおよそ9時ごろまでではないでしょうか。

 

高齢者と一緒に暮らす、身内に高齢者がいるなどがわかっているときは、つとめて夜の電話も避けることです。ひょっとして、という不安にかられるのが10時以降の電話です。心配をかけないのが相手への気遣いです。万一、電話が必要なときには、相手に「遅くに申し訳ない」というお詫び、または「いま話してよいかどうか」の都合を聞くひと言を先に伝えることです。

 

②電話のかけ方 これも常識ですが、まずは自分から名前を名乗ることです。名前も告げずにいきなり「○○さんいらっしゃいますか」「××さん呼んでください」というのも、相手を呼びつけているので、とても失礼です。話したい相手をお願いしたいのであれば、「阿部と申しますが、○○さんをお願いします」と取り次ぎを頼みます。社内電話でも同じことがいえます。不在であれば、再度電話する、伝言を残す、メモを依頼するなど、相手がわかるようにすることです。

 

相手と話しができたときは、手短に、要領よく話します。

 

また、不在で伝言を受け取ったときは、早めに連絡をつけます。相手は用事があり電話してきたわけですから、待たせずに連絡を取りますが、深夜、早朝は控えます。

 

③電話を受けるとき 最近では、振り込め詐欺事件が相次ぎ、何万人もの方が被害に遭っているそうです。電話を受けるときに注意が必要な時代になってきました。

 

通常は、電話に出るときは「はい、阿部でございます」と名乗るのが普通でしたが、こうした事件が多発していたり、電話による墓地、住宅販売や新聞やリフォームや光ネットなどの勧誘が多かったりすると、用心のため相手が名乗るのを待つことにしました。

 

そして、どんな場合でもメモを用意して、電話を取ることです。振り込め詐欺でも、メモを取っていれば、メモを取ることで気持ちがゆっくりとなれるからです。さらに、メモを復唱することを忘れないように。振り込め詐欺では、こちらをせかせるように話すはずですから、どんな相手に対しても、できるだけゆっくりと話しをするのがポイントです。

 

 

ところで、最近友人が困っているのは、故郷の母が定期電話を寄こすこと。「今日は何してる」「今日は何するの」「今日は……」と、必ず日曜日にかけてくる電話だとか。

私もずいぶん昔、先輩から定期電話があり、長電話だったこともあって、受ける側としてピシャリと切るわけにもいかず、困ったことがありました。いずれ私たちも歳を取り、話し相手が欲しくなってくることを想像すると、こうした電話攻勢も理解できないわけではありません。でも話に内容がないと、時間がもったいないと思ってしまう、その友人の気持ちもわからないではありません。

 

そこは親子ですから、時間のないときには正直に「いま忙しい」「手が離せない」といったん切り、こちらの立場を理解してもらうことも必要です。ハッキリさせるべきは、ハッキリさせることです。親子の意思疎通をはかるのは、電話ばかりとは限りません。手紙、葉書、宅配便などいくらでも手だてはあるはず。そう親に説得してもいいのではありませんか。

 

 

イラスト/みひらともこ

イラスト/みひらともこ

 

 

次回は、しきたり65:頼み事をするときは、自分の都合のいいようにしたいのだからわきまえた頼み方をする、についてご紹介します。

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