第1章 巡礼旅は怖くない 1・ヘタレの私がなぜ歩き始めたか(前編)

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フードライター&エディター、ラジオコメンテーター。横浜生まれ。「Hanako」からスタートし、店取材を続けること20年。料理の基礎知識を身に付けたいと一念発起、27歳で渡仏。4年の滞在の間にパリ商工会議所運営のプロフェッショナル養成学校「フェランディ校」で料理を学び(…かなりの劣等生だったものの)、フランス国家調理師試験に合格。レストランはもちろん、ラーメンや丼メシ、スイーツの取材にも意欲を燃やし、身を削って(肥やして!?)食べ続ける毎日。

 

想像を絶する難所だった第一日目のピレネー越え

 

ピレネー山脈の麓の村をスタートして1時間、歩き始めたことを心から後悔しました。

 

これから約30日に及ぶ巡礼路(じゅんれいろ)の第一日目にして、最大の山越え。壁のように立ちはだかる急な山道。立ち込める霧のせいで視界は悪く、キャップのつばを持ち上げて振り仰いでみても、空が、斜面の終わりが全く見えないのです。砂利道は踏みしめる度に登山靴の下で崩れ、歩き辛いことこの上なし。真っ直ぐ進もうとして、懸命に足を上げてはいるのですけれど、坂が急すぎて、全然、前に進めません。たった10歩進むだけで、もう限界、立ち止まって息を整える始末…。汗だくになった私の横を、大きなバックパックを背負った外国人巡礼者たちがスイスイと(少なくとも私にはそう見えた)通りすぎて行きます。今日はこの先、まだ20km以上ある、スペイン側のロンセスバリェス(Roncesvalles)まで、辿り着かなくてはなりません。

 

まさか、こんなにすぐに呟くことになるとは思わなかったセリフを、思わず口にしていました。

 

私、一体、何してるんだろう…?

ピレネー越えには2つのルートがある。かつてナポレオンが通ったという山道の通称「ナポレオンルート」、もうひとつは車道に沿って歩く道。大多数の人がナポレオンルートを好むが、山の天気はとても気まぐれ。キツい坂道、不快な天気、写真を撮る気持ちの余裕はまるでナシ…。でも私の前日、翌日に出発した人々は快晴に恵まれ、眺望も素晴らしかったらしい。本当に巡礼旅は天気に左右されるのだ(トホホ)。写真は出発地点から約18kmの地点にある「チボーの十字架」。

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