四季とつきあうための「習わし」/しきたり9:入学や卒業などの子どもの自立のチャンスに身に付けるべきしきたり

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阿部 絢子

生活研究家。消費生活アドバイザー。

新潟県生まれ。 共立薬科大学卒業。 料理や家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なア ドバイスで、出版・講演など幅広く活躍中。 著書に『「やさしくて小さな暮らし」を自分で作る』(家の光協会)『始末な暮らし』(幻冬舎)『快適に暮らす小掃除術』 『すぐにできるエコ家事』(ともに集英社be文庫)

気持ちよく暮らす「生活のしきたり」

 

 

季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!

 

ここでは、各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介します。

教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。

 

 

最初のパート【四季とつきあうための「習わし」】では、日本の四季にまつわるしきたり1~21をご紹介します。

今回は、【四季とつきあうための「習わし」】から、

しきたり9:入学・卒業のときは子どもの自立のチャンス。挨拶のできる子にする、についてです。

 

 

 

 

●四季とつきあうための「習わし」●

 

 

季節が移り変わる日本では、季節を暦代わりにし、移りゆく季節の変化を愛でながら日々を過ごしていました。四季は暦代わりですから、四季折々が暮らしの節目ともなり、また暮らしに、その四季を取り入れる風流さも持っていたのです。着るものには、季節の模様、桜、菖蒲、花火などを描き、併せて帯にもマッチした模様を使いました。食では、必ず旬を味わい、盛りつけにも季節が感じられるよう工夫を凝らしていました。住まいでは、 、障子をうまく使いこなし、風、雪、雨などの季節を音で聴き、眺めることで、楽しんでいました。

 

季節の節目を祝う行事も、四季を暦代わりにした暮らしには、欠かせないイベントだったのです。こうして、四季に合わせた折々の行事を行うことで、暮らしは続けられ、マンネリ化しがちな日々に、変化とけじめをつける役割をも果たしていたのです。四季の変化は暮らしの変化に結びついていたのです。いま、季節感や四季を愛でることが次第に薄れつつあるようですが、すっかりなくなってしまったわけではありません。

 

季節を感じることは、充足した暮らしをおくることです。暮らしに変化をつけるためにも、季節の行事、季節を愛でる工夫を、暮らしに取り入れてみてほしいものです。

 

季節行事は、季節に合わせていますから、暮らしの節目が感じられるばかりでなく、季節を楽しむ日本人の心の表れでもあるのです。

 

季節の移り変わりや自然の色や香りを、暮らしの中に取り入れながら、ゆとりを持って、暮らしを楽しむようにしたいものです。

 

 

 

しきたり9

入学・卒業のときは子どもの自立のチャンス。

挨拶のできる子にする

 

 

入学や卒業は、人生のひとつの区切りのときです。区切りにはさまざまな区切りがありますが、子どもにとって小学校入学と大学卒業は、区切りの中でも、特に大切なポイントではないでしょうか。

 

それは、小学校への入学が初めての学校生活という集団社会へと一歩足を踏み出すときであり、また大学卒業が、社会人として実社会へ、どちらも初めて参加するというときだからです。

 

初めての参加には、準備をしなければなりません。集団社会に加入するのは、子どもの自立の第一歩で、自立のための準備が必要というわけです。準備とはいっても、そう難しいことではありません。

 

例えば、学校生活への自立準備には、まず挨拶ができることです。「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」など。また一緒に食事をするときには「いただきます」「ごちそうさま」が言える、名前を呼ばれたり、先生に質問されたら、ハキハキと答えられる、靴や洋服を一人で履く、着られる、食べ物はもちろん、人に対しても好き嫌いを言わないといったことでしょうか。

 

これら挨拶は、人として当たり前に身につけなければならない決まり事ですから、これこそ本当に小さいときから身につけていなければならない基本的な家庭のしきたりです。人とのコミュニケーションの始まりが挨拶であるといっても過言ではないでしょう。挨拶は習って身につくものではありません。自然に身についていくわけですが、それは、家庭で大人が挨拶しているのを聞きながら、おぼえていくものです。家庭での決まり事として、誰もが朝は「おはよう」、昼は「こんにちは」、夜は「こんばんは」と、常に声に出して挨拶することです。

 

イラスト/みひらともこ

イラスト/みひらともこ

 

 

 

もうひとつの区切りが大学卒業です。大学卒業は実社会へ社会人として飛び立つ自立のとき。そのための準備には、まずは親がかりを断ち切り、すべて自立することがポイントです。

 

私がドイツでホームスティをしたとき、これから大学生になる十八歳のお嬢さんにお目にかかりました。お嬢さんの両親が共働きのため、これまで自宅で親代わりとして、実際に幼い妹弟たちの面倒をみて、家事一切を取り仕切り、近所づきあいでも気働きしていたそうです。このお嬢さんの言葉遣い、挨拶、立ち居振る舞い、相手に対しての心遣いなどの態度から、私は、すでに自立した社会人であると感じました。これが、社会人になる前の大学生であることにも感心したのです。大学卒業時までには、せめてこのドイツのお嬢さんのように言葉遣い、挨拶、立ち居振る舞い、心遣いなど、社会人としての基本的しきたりを、家庭内でしっかりと身につけておきたいものです。

 

 

そのほかにも気遣いが大切です。気遣いは相手の立場に立って思いやる気持ちです。たとえ友人同士であっても、相手を思いやること。この気持ちが会社、地域、集合住宅などでつきあうときのポイントとなっていくのですから。

 

また、入学や卒業のおめでとう=「お祝い」と、つい思ってしまうのが本人のまわりの人たちです。いまの子どもたちは何でも揃った中で生活し、子どもでも携帯電話を持つ時代です。お祝い品をあれこれ考えるなら、経験を積ませてあげるほうが、モノよりお祝いとなるのではないでしょうか。

 

例えば、小学生だったら、レストランマナーを学ぶ、大学生だったら海外演奏家のコンサートに行くなど。大人になり、この経験が役立つときがきっとくるはずです。もし、品物を贈るときには、必ず先輩としてメッセージを添えるのがいいでしょう。

 

 

 

 

 

次回は、しきたり10:花見ではゴミを持ち帰るなどマナーや決まりをしっかり守る、についてです。

 

第9回
四季とつきあうための「習わし」/しきたり9:入学や卒業などの子どもの自立のチャンスに身に付けるべきしきたり

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