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四季とつきあうための「習わし」/しきたり10:花見ではゴミを持ち帰るなどマナーや決まりをしっかり守る

阿部 絢子

阿部 絢子

生活研究家。消費生活アドバイザー。

新潟県生まれ。 共立薬科大学卒業。 料理や家事など生活全般にわたる豊富な知識と合理的なア ドバイスで、出版・講演など幅広く活躍中。 著書に『「やさしくて小さな暮らし」を自分で作る』(家の光協会)『始末な暮らし』(幻冬舎)『快適に暮らす小掃除術』 『すぐにできるエコ家事』(ともに集英社be文庫)

気持ちよく暮らす「生活のしきたり」

 

 

季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!

 

ここでは、各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介します。

教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。

 

 

最初のパート【四季とつきあうための「習わし」】では、日本の四季にまつわるしきたり1~21をご紹介します。

今回は、【四季とつきあうための「習わし」】から、

しきたり10:花見では食べられるだけの食べ物を持って行き、ゴミを持ち帰る、についてです。

 

 

 

 

●四季とつきあうための「習わし」●

 

 

季節が移り変わる日本では、季節を暦代わりにし、移りゆく季節の変化を愛でながら日々を過ごしていました。四季は暦代わりですから、四季折々が暮らしの節目ともなり、また暮らしに、その四季を取り入れる風流さも持っていたのです。着るものには、季節の模様、桜、菖蒲、花火などを描き、併せて帯にもマッチした模様を使いました。食では、必ず旬を味わい、盛りつけにも季節が感じられるよう工夫を凝らしていました。住まいでは、 、障子をうまく使いこなし、風、雪、雨などの季節を音で聴き、眺めることで、楽しんでいました。

 

季節の節目を祝う行事も、四季を暦代わりにした暮らしには、欠かせないイベントだったのです。こうして、四季に合わせた折々の行事を行うことで、暮らしは続けられ、マンネリ化しがちな日々に、変化とけじめをつける役割をも果たしていたのです。四季の変化は暮らしの変化に結びついていたのです。いま、季節感や四季を愛でることが次第に薄れつつあるようですが、すっかりなくなってしまったわけではありません。

 

季節を感じることは、充足した暮らしをおくることです。暮らしに変化をつけるためにも、季節の行事、季節を愛でる工夫を、暮らしに取り入れてみてほしいものです。

 

季節行事は、季節に合わせていますから、暮らしの節目が感じられるばかりでなく、季節を楽しむ日本人の心の表れでもあるのです。

 

季節の移り変わりや自然の色や香りを、暮らしの中に取り入れながら、ゆとりを持って、暮らしを楽しむようにしたいものです。

 

 

 

しきたり10

花見では食べられるだけの食べ物を持って行き、ゴミを持ち帰る

 

 

現在では、花見といえば、桜の花見だけをさしていますが、昔は、ツツジ、シャクナゲなどの山の花が花見の対象だったそうです。それは、春から夏にかけて田の神を祭る神事に由来していたようです。冬が終わり、春が来て田植え前のほんのひととき、山を歩いて花見をして遊び、その花を持ち帰り、これを神様を迎えるところとしたのです。そしてお正月の神事と同じように、神と人との共食の意味が、次第に桜の花の下での飲食へと変化し、いまの花見のかたちになっていったようです。

 

花見が田の神を祭ったことを考えると、会社を上げて花見をしたり、花より浮かれて大騒ぎをするのはちょっと考えもののようです。まして、あらかじめ席を取るなどは慎まなければなりません。

 

田の神は食の神でもあるのですから、田の仕事に従事していなくても、これから始まる田植えが無事に終わることを願い、しっかりと稲が育つよう願って花見を楽しんではいかがでしょうか。私が子どものころの花見といえば、毎年、家族一緒に河原まで出かけ、土手の桜を見ながら、手作りの弁当や総菜、お酒などを持参していただき、昼食を挟んで2〜3時間が花見でした。いまのように、夜、花見に行くことなどなかったように記憶しています。

 

いまではいつ花見をしてもいいのですが、食べ物を粗末にするような振る舞いだけは避け、食べきれるだけを持参する、そして、帰るときには場所を綺麗に始末して、ゴミは持ち帰り自宅で処分するなど、花見の場所に迷惑がかからないようにすることが、いつの時代でも大切な決まりでしょう。

イラスト/みひらともこ

イラスト/みひらともこ

 

 

 

 

 

次回は、しきたり11:梅雨入り前の晴れた日に、家中のダニ送りをする、についてです。

 

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