24年ぶりに来日、「バベルの塔」のすごさを体感!

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寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。

いつもは神社仏閣を巡る旅の情報をお伝えしていますが、

わたしは、仏像や日本美術だけでなく、ヨーロッパの美術も大好きです。

今回は、2017年4月18日~7月2日に東京都美術館で開催される

「ボイスマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展

─16世紀ネーデルラントの至宝─ボスを超えて―」をご案内したいと思います。

吉田さらさ バベルの塔

「バベルの塔」は、西洋美術が好きな人なら、一度は実際に見てみたい魅力的な作品です。ブリューゲルは、同じテーマを題材にした絵をもう一枚描いており、そちらは、ウィーンの美術史美術館が所蔵しています。今回展示されるのは、オランダのロッテルダムにあるボイスマンス・ファン・ベーニンゲン美術館に所蔵されている作品で、24年ぶりの来日です。

吉田さらさ バベルの塔

同美術館は幅広い時代の作品を多数所蔵するオランダでも有数の美術館で、とりわけ16世紀ネーデルラント美術のコレクションが著名です。今回の展覧会では、ブリューゲルだけでなく、それ以前に活躍した奇想の画家ボスの作品、16世紀の彫刻や宗教画などが展示されます。

吉田さらさ バベルの塔

まずは、最大の見どころであるバベルの塔について。

これは旧約聖書の中の「バベルの塔」というお話がテーマになっています。

「昔、人々は皆同じ言葉で話していた。彼らレンガを焼くなどの技術を持ち、協力して天に届くような高い塔を作って名を上げようとしたが、主は彼らの企てを高慢なものと考え、人々の言葉を混乱させ、互いの考えを理解できないようにした。そのため塔は建設されなくなった」

 

ひじょうに含蓄深い、考えさせられる物語です。もしかすると、これが現在の国際紛争の始まりかも知れません。内容だけでなくビジュアル的にも創作意欲をそそるためか、この題材は、さまざまな画家によって描かれました。その中でも、このブリューゲルの作品は、もっともリアルで細密な大傑作とされます。

吉田さらさ バベルの塔

サイズは59.9㎝×74.6㎝で、実際にはすごく大きいというわけではないのですが、近寄ってよく見ると、建設に携わる人々、道具類、港に着く船など、細かな部分も極めてリアルに描かれていて、世界に引き込まれます。

吉田さらさ バベルの塔

あまりにも細密で肉眼ではわかりにくい部分さえあるためか、今回は、展示室の壁一面に、この絵の一部が拡大されており、あたかも自分が絵の中の人物になったような心地がします。建物の内部に入って動いているような感覚を楽しめる映像も見ることができます。

 

次ページに続きます。

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第53回
24年ぶりに来日、「バベルの塔」のすごさを体感!

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