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寛延年間創業の伏見人形窯元「丹嘉」で、愛らしい土人形に出会う

小原誉子

小原誉子

「京都観光おもてなし大使」&旅ライター
アナウンサー、テレビ番組プロデューサーなどを経て、集英社「エクラ」などのライターに。
2011年より京都に在住。
京都など、日本の文化・観光情報を伝える
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寛延年間創業の伏見人形窯元「丹嘉」

 

「伏見稲荷大社」の西側を通る「伏見街道」は、昔から京の五条と伏見を結ぶ重要な街道のひとつです。特に「伏見稲荷大社」の近くには、参拝者が立ち寄る店が建ち並び、その賑わいは相当なものだったそう。時を経た今も、その通り沿いには、当時の面影を残す老舗があります。それが今回ご紹介する伏見人形の窯元、創業寛延年間の「丹嘉(たんか)」です。

素朴で温もりあふれる土人形である伏見人形は、稲荷山の土を使って作られた最も歴史ある郷土玩具と言われます。なんでも全国各地には、90種類以上の土人形があるそうですが、伏見人形は、その元祖と位置付けられている由緒あるもの。

「そもそも稲荷山という豊穣を司る山の土を使った伏見人形は、どんな形のものでも豊穣や繁栄をもたらすものと言われているんですよ。江戸時代は、参拝者の大人気の土産品だったんです」とお話くださったのは、八代目店主である大西時夫さん。

店内には、稲荷大社らしいキツネをはじめ、大黒様や招き猫、宝船などおめでたい人形が並んでいます。

 

 

 

また、饅頭喰いや金太郎、関取など、江戸時代の風俗や人気者などの人形と、店内の棚を見飽きることがありません。

ここの伏見人形の形は、なんと江戸時代から伝わる土型が現在も使われ、そこに粘土を詰めて、型を合わせ立体に。それを数日天日干しにしてから、窯に入れて、900度で10時間ほど焼くのだそう。それから胡粉や絵の具で彩色が行われ、小さなものでも、ひとつひとつ丁寧に手作業で作られる人形です。

「伏見稲荷大社」の参拝者にとって、この人形を求めるのも楽しみのひとつ…。お気に入りの人形を、家に持ち帰り、神棚のそばなど、家族を見守るところにお祀りしたのです。

 

「土人形は、表面がツルツルの陶器などの人形と違い、だんだん表面が汚れで黒くなるんですが、どうしたらいいですか?」と伺うと、「それでいいんです。濡れた布などで絶対に拭かないでください。かえって汚れてしまいますから…。歳月を重ねる味わいも、伏見人形の魅力だと思います。まぁ、そのうち壊れてしまうものの出てきますが、お札やお守りのように神社などに納めないで、それを土に埋めれば、もとの土にもどります。その土は、稲荷山のご利益をもたらすと言われたものなんです」と大西さん。

 

そう、昔は、伏見人形は、古くなると砕いて、畑などに埋め、豊穣を祈願したそう。

現在は、残念ながら稲荷山の土を使うことができないそうですが、以前と変わらぬ工程で作られる人形のご利益も同じなのでは…。やがて土に戻るという、なんともやさしい人形です。

ここに並ぶ人形には、江戸時代の人々のイキイキとした暮らしが映し出されているよう。その姿を見ると、思わず笑みがこぼれます。インターネットからも購入が可能なものがありますが、やはり実際お店を訪れると、多くの人形たちが拝見でき、楽しさもいっそう。

 

かつて、伏見街道沿いには、60軒ほどの伏見人形の窯元があったそうですが、現在残るのは、ここ「丹嘉」のみ。

桜の時期、「伏見稲荷大社」の参拝の折に、その貴重なお店にぜひ足を延ばしてはいかがでしょう。心を和ますような素朴な土人形に出会えるはず…。

 

 

 

伏見人形 窯元 丹嘉

京都市東山区本町22の504

☎075-561-1627

営業時間9:00~18:00 日曜 祝日休み 不定休あり

 

http://www.tanka.co.jp/

 

 

 

小原誉子のブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」

http://blog.goo.ne.jp/mimoron

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