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隈研吾さんの名建築を模型や写真で体感する

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。

 

今回は、東京国立近代美術館で開催中の企画展「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」の情報をお届けします。

隈研吾さんと言えば、国内外の著名な建造物を設計したことで知られる、日本を代表する建築家のひとりです。

 

今回の展覧会は、隈さんご自身が選んだ建物やパヴィリオンを「出品作品」の一単位としたもので、特に公共性が高い建築68件を、時系列ではなく、「孔」「粒子」「斜め」「やわらかい」「時間」という5つの原則に分類して紹介しています。それが「ネコの5原則」です。

 

隈さんは、コロナ禍に際し、それまで、もっとも効率がよく安全で、その中で働くのがよいとされたハコが、実は危険だったと気づきました。コロナ禍により、人々は、従来のハコから逃げ出さねばならなかったのです。隈さん自身もハコを出て、外の世界を歩いた結果、ハコの中にはなかった可能性や情報があり、歩ける場所こそが公共空間であることがわかったといいます。

 

 

そこで隈さんは、そうした公共空間を歩く達人であるネコの行動に注目。その結果生まれたのが、「新しい公共性をつくるためのネコの5原則」です。

 

出品作品の多くは、模型や写真などで紹介されています。

ひとつひとつ見て行くと、自分の身近にある建物や、よく利用する建物、何年か前に行って感動した建物、写真で見て行ってみたいと思っていた建物などがいくつもあり、隈さんがどれほど多くの公共性の高い建造物を設計されてきたかがよくわかります。

 

その代表例は、隈さんが設計に参画した国立競技場です。

(国立競技場 2019年 東京都新宿区)

 

むろん中には入ったことがありませんが、脇を通ったことは何度かあります。巨大すぎて全貌はよくわからなかったのですが、模型で見ると、なるほど、こういう形だったのかと納得できます。

 

内部はこんな形なのですね。なんて美しく自然な曲線でしょうか。

この作品に限らず、大きな建築物は、よほど離れて見ないとどんな形なのかわかりにくいものなので、実物を見たあとにこのような模型を見ると、より理解が深まります。

 

国立競技場のスタディ模型も展示されています。

 

 

引き続き、今回の展覧会の展示物の中から、わたしが特に好きな建造物、あるいは今後訪ねてみたい建造物をご紹介していきます。

 

(長崎県美術館 2004年 長崎県長崎市)

 

この美術館には行ったことがあります。長崎らしい運河を挟んだ敷地に橋がかかっていて、そこがカフェになっています。お茶や食事をしながら、素敵な風景を眺めることができました。

 

 

(アオーレ長岡 2012年 新潟県長岡市)

 

こちらは長岡市の交流型市役所です。事務棟、議会棟だけでなく、アリーナもあり、スポーツイベントも行われます。

何年か前にフィギュアスケートのショーを見に行ったことがありますが、その観客だけでなく、市民の方々でにぎわっていました。みんなが集まる広場のような存在でしょうか。

 

 

(明治神宮ミュージアム 2019年 東京都渋谷区)

 

わたしが時々散歩する明治神宮の敷地内に近年できた博物館。神宮の森に囲まれた癒しの空間です。一階のロビー部分の大きな窓から眺める緑の美しさにも感激。

 

 

(TOYAMAキラリ 2015年 富山県富山市)

 

富山市ガラス美術館、富山市立図書館本館、富山第一銀行の複合ビル。

この建物を見たくて、わざわざ富山を訪れたことがあります。壁面のアルミやガラスがキラキラ光っていて、建物自体が宝石のようでした。

 

 

(那珂川町馬頭広重美術館 2000年 茨城県那須郡那珂川町)

 

この美術館にはまだ行ったことがありませんが、展示を見ていて、ぜひ訪ねてみたくなりました。自然の風景に溶け込むようななだらかな勾配の屋根がとても素敵だと思います。

 

 

(ブサンソン芸術文化センター 2013年 フランス、ブザンソン)

 

ここも一度行ってみたいところです。フランスの古都の川沿いに建つ文化複合施設で、世界指揮者コンクールの会場にもなります。こんなところで、コンサートを聞いてみたいですね。

 

 

隈さんが設計された、あるいは設計にかかわられた作品を拝見して思うのは、どの建物も素晴らしくスタイリッシュだが、威圧感がなく、周囲の景観に自然に溶け込んでいること、また、その建物を使う人への優しさが感じられるということです。

 

何度も行ったことがある建物も、こうして模型や写真で改めて見ると、また新たな魅力に気づくことができます。建築ウォッチングの新たな楽しみ方を教えてもらった展覧会でした。

 

この展覧会には、さらなる楽しい仕掛けもあります。

 

それは、「東京計画2020 ネコちゃん建築の5656原則」と題された展示です。隈さんは、お住まいのある神楽坂で半ノラのトンちゃんとスンちゃんにお願いしてGPS機器をつけさせてもらい、その行動を観察しました。

青がトンちゃんの行動範囲、ピンクがスンちゃんの行動範囲を示しています。

 

 

東京の都心部には、ネコちゃんたちが動き回る空間はあまりなさそうに思えるのですが、実は、建物と建物の隙間や塀の上、道端のしげみなどに、ネコ独自の道があり、そこで生活を営んでいます。

 

ここには、そんなネコちゃんの行動を表現した映像もあり、ネコの視点で街を見ることができます。こうした観察により、隈さんは、前述の「新しい公共性をつくるためのネコの5原則」を考え出されたようです。

ネコちゃんたちは、展覧会の会場でも、こんなふうにお役に立っています。

感染拡大防止を常に心がけましょう。

 

 

「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」

東京国立近代美術館

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詳細はこちらのサイトをごらんください。

 

 

𠮷田さらさ 公式サイト

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