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フランスを優雅に旅する美術展

吉田さらさ

吉田さらさ

寺と神社の旅研究家。

女性誌の編集者を経て、寺社専門の文筆業を始める。各種講座の講師、寺社旅の案内人なども務めている。著書に「京都仏像を巡る旅」、「お江戸寺町散歩」(いずれも集英社be文庫)、「奈良、寺あそび 仏像ばなし」(岳陽舎)、「近江若狭の仏像」(JTBパブリッシング)など。

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こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。

 

芸術の秋に向けて、東京都内の美術館では、新しい展覧会が次々に始まっています。

コロナ対策で、遠出は控えたいという方も、

入場者数を制限している美術館ならば、比較的安心して楽しめそうです。

 

今回は、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の

「ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス」(~2021年11月23日〈火・祝〉)の

見どころをご案内しましょう。

ポーラ美術館は、箱根の仙石原にあり、自然に囲まれた素敵なアートスポットです。

コレクションの総数は約1万点。化粧品会社の施設のため、絵画だけでなく、ガラス工芸や化粧道具など美しい品々も展示されています。

 

本展では、その中から、印象派からエコール・ド・パリまでの時代にパリで活躍した画家たちによる作品と、アール・ヌーヴォーとアール・デコの化粧道具を見ることができます。

この時代のパリには、ヨーロッパ各地から新進気鋭の画家たちが結集し、独自の作風を次々と生み出しました。

そのため、さまざまなタイプの作品を見ることができるのも、この展覧会の魅力となっています。

 

 

展示される作の背景には以下の3つのテーマがあります。

●「時代を映すファッショナブルな女性像」。

19世紀末から20世紀にかけて女性のライフスタイルは劇的に変化し、画家たちは、最新ファッションに身を包んだ女性たちの姿を描きました。

 

●「近代化によって大きく変化するパリ」。

美しい近代都市へと生まれ変わったパリには新しい建物が次々と建てられ、画家たちのテーマのひとつとなりました。

 

●「フランス各地への旅」

近代化によって鉄道が各地に伸びたことにより、パリの人々は、容易に地方に出かけられるようになりました。画家たちは、都会とは違う自然の風景に魅せられました。

 

以上のことを頭に入れた上で、名画の数々をゆっくり見てまわりましょう。

 

 

睡蓮 クロード・モネ 1907年

パリにほど近いジヴェルニーに自邸を構えたモネは、1899年から最晩年に至るまでの30年間、庭にしつらえた池の睡蓮を描き続けました。これはその中のひとつ。

水面に映る木々の影や光が繊細で美しい。

 

 

(右)散歩 クロード・モネ 1875年

パリ近郊の自然豊かな地で家族とともに幸せに暮らしていたころの夢のような光景が描かれています。

 

(左)クレマチス文香水瓶 エミール・ガレ 19世紀末

おしゃれなパリジェンヌに愛されたアール・ヌーヴォーの香水瓶。

優雅な生活ぶりがしのばれます。

 

 

(右)レースの帽子の少女 ピエール・オーギュスト・ルノワール 1891年

裕福な家庭で大切に育てられたと思われる美しい少女の肖像。無垢で夢見るような表情が印象的です。

 

(左)エナメル金彩バラ文香水瓶 19世紀後半

赤いバラの花が描かれた美しい香水瓶。

こうして並んでいると、まるで、ルノワールの絵の少女の持ち物のように見えますね。

 

 

(右)4人の水浴の女たち ポール・セザンヌ 1877~1878年

(左)プロヴァンスの風景 ポール・セザンヌ 1879~1882年

近代絵画の父と呼ばれたセザンヌ。

当時の印象派とは一線を画す独自の画風だったこともあり、評価されたのは晩年になってからです。しかし、ピカソをはじめとする次世代の画家たちに絶大な影響を与えたと言われます。

 

 

(右)地中海の庭 ピエール・ボナール 1917~1918年

(左)ミモザのある階段 ピエール・ボナール 1946年頃

ミモザの花で埋め尽くされた美しい庭の風景。

ボナールと言えば入浴する妻マルトの絵を思い浮かべますが、旅を愛し、南仏でも暮らし、このような色彩あふれる絵も描きました。

 

 

(右)白いテーブルクロス ポール・ゴーガン 1886年

素敵な絵ですが、ぱっと見ただけではゴーガンの作品とは思えないかも知れません。

タヒチに行く前は、意外に普通の静物画を描いていたのですね。

 

(左)ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋 フィンセント・ファン・ゴッホ 1888年

独特の荒いタッチと印象的な色使い。こちらはひと目でゴッホとわかる作品です。

アルルの風景は日本の絵に似ているとゴッホは思っていました。

 

 

室内:二人の音楽家 アンリ・マティス 1923年

女性たちのおしゃれなドレスに注目。歌を歌う人とギターを弾く人。

どんな音楽を奏でているのでしょうか。

 

 

これ以外にも、ディフュイ、ピカソ、ローランサン、シャガールなど、女性に人気の画家たちの作品が数々展示され、パリとフランス各地へ旅をしたような気分になれます。

 

ミュージアムショップには、人気の絵をモティーフにしたおしゃれなグッズがたくさんあります。

プレゼントにも喜ばれそうです。

 

 

ポーラ美術館コレクション展 甘美なるフランス

 

本展では、新型コロナウイルス感染症対策のため、

会期中のすべての土日祝および11月15日(月)~11月23日(火・祝)は

【オンラインによる入場日時予約】が必要となります。

 

 

𠮷田さらさ 公式サイト

http://home.c01.itscom.net/sarasa/

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