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化粧品プラスチックボトルの「水平リサイクル」が始まります。肌も地球も、どちらもずっと美しく。

みなさんは、飲み終わった水やお茶などのペットボトルはどうしていますか? 資源として、指定の場所に出しますよね。ペットボトル用のゴミ箱をわざわざ探すのも、すっかり習慣になったと思います。

 

では、使い終わった化粧品のプラスチックボトルは? おそらく燃えるゴミ(自治体によっては燃えないゴミ)として捨てているのが現状ではないでしょうか。

 

プラスチック削減の取り組みは様々なところで始まっていますが、今回は化粧品プラスチックボトルを再利用し、再び化粧品のボトルを作るという新たな試みについてご紹介します。

 

今日は、おでかけ女史組のミチコさんと佐保姫さんが、「化粧品プラスチックボトルの水平リサイクル」について学びにきました。教えてくださるのは、花王で化粧品商品開発におけるサステナブル活動の推進を担当されている大塚由喜男(おおつかゆきお)さんです。


左:おでかけ女史組ミチコさん、右:佐保姫さん
中央:花王 化粧品事業部門 プレステージビジネスグループ開発部長 兼 商品事業開発センター 商品開発戦略部 部長(ESG担当)大塚由喜男さん

 

■なぜ化粧品プラスチックボトルはリサイクルが難しいのか

飲料のペットボトルを思い浮かべると、フィルムをはがせば、どれも無色透明のペットボトルですよね(最近はフィルムレスも登場!)。リサイクルしやすいよう、そのようになっているそうです。

 

「しかし、化粧品の場合はボトルのデザインまでを含めて“化粧品”であり、ボトルはブランドの世界観を表します。使いやすさはもちろんですが、見ているだけでもワクワクしてもらえたらと、ボトル自体に色をつけたり文字を描くなど美しいデザインが施されています。また、化粧品は飲料と異なり、中に入っている剤もさまざま。油分が含まれているものもあります。これらが、リサイクルが難しい原因でした」(大塚さん)

 

しかし、ある技術を使うことで化粧品ボトルも資源の循環が可能に。それが、「ケミカルリサイクル技術」を使った「水平リサイクル」です。

 

■そのまま同じものに生まれ変わるから「水平リサイクル」

通常、ペットボトルのリサイクルでは、無色透明以外のボトルが混ざったり、また汚れが完全に取り除かれていなかったりすると品質が安定しないため、再びペットボトルに戻すことが難しいというのが現状でした。ですので、そのような再生素材は、色や不純物の制限が厳しくない植木鉢や公園のベンチなどに利用されることが多かったようです。

 

「化粧品のボトルは、先ほどもお伝えしたように色が付いていたり、中身も様々です。しかし、日本環境設計さんが取り組んでいる『ケミカルリサイクル技術』では、プラスチック(PET)を化学的に分子レベルまで細かくすることが可能に。これにより、不純物を取り除くことができるため、再びバージンPET(石油で作られたPET)と同じように使うことができるのです。花王はこの技術を活用することで、化粧品ボトルの水平リサイクルの実現を目指しています。」(大塚さん)

 

まず、花王の取り組み第1弾として、飲料用のペットボトルをケミカルリサイクル技術で再生したPET素材を使用して、化粧品のボトルを作ってみたところ、バージンPET(石油から作られたPET)と同様のきれいなボトルが完成したとのこと。そこで第2弾では、使用済みの化粧品のプラスチックボトルを再生PETにし、そこから新しい化粧品ボトルを作れるかに取り組んでいるところだそうです。

写真左が、ケミカルリサイクルでできた再生PET素材。写真右が、再生PRT素材で作った化粧品ボトル

 

「今は飲料用のペットボトルを原料に、化粧品ボトルを作っている段階ですが、第2弾ではいよいよ化粧品ボトルから化粧品ボトルへの水平リサイクルを目指していきます。これが実現できれば、半永久的に資源を回していくことができるようになり、環境への負荷を大きく減らすことができるようになります」(大塚さん)

この水平リサイクル実現には、私たち消費者の協力も不可欠。対象商品を回収できる場所へ、持っていくようにしなければなりません。

 

「まずは社会実装実験として2月から7月までの間、お客さまには、店舗に使用済みの化粧品プラスチックボトルをお持ちいただいています。対象店舗が一部の店舗であることや、化粧品ボトルのリサイクルの習慣がないこともあり、数多く回収するにはまだまだ課題があります。しかし、ボトルをお持ちくださったお客さまからは『自分も水平リサイクルに協力できていることがうれしい』などポジティブなコメントもいただいており、我々企業とお客さまとで一緒に環境問題に取り組む重要性を感じています」(大塚さん)

 

※対象商品一覧、回収拠点一覧は記事の最後にあります。

プラスチック素材といっても、原料はいろいろ。今回、水平リサイクル対象になっているのは「PET」素材のボトル部分。フタやポンプ部分のリサイクルは今後の課題となっています

 

■リサイクル可能かどうかは、商品を選ぶ「基準」になっていく

ここでお二人から「ガラスやアルミ容器に変えるという選択肢はないのですか?」と質問が。

 

「ガラスは元々自然由来のものなので、廃棄しても自然に戻ります。また、ガラスは早くから回収・リサイクルが進んでいます。そういう意味では環境にやさしい素材です。ガラス瓶を採用している化粧品もあります。アルミ缶も炭酸ガスを使用した化粧品やヘアスプレーなどに採用していますが、いずれも落とした時に割れたりへこんだりする心配があり、また形状の自在性が低いなど、全部の化粧品をこれらに変えるにはさまざまな課題がでてきます。プラスチックは軽量であり耐久性もあるので使いやすいですし、自在に形を変えられるためデザインしやすいという利点もあります。ですので、プラスチックならではのメリットを生かしながら、環境へも配慮し、素材適性を考えて材料選定しています」(大塚さん)

佐保姫さんは、水平リサイクルにとても興味があったそうです。

 

「たとえば廃棄される古着などは、バイオ燃料に形を変えるなどの取り組みが始まっていますよね。次世代にきれいな地球を残すことって、とても大事だと思っていたので、化粧品ボトルで水平リサイクルができるようになるのはすばらしい。今後、化粧品を購入する際に『これは水平リサイクルされるから』という基準で商品を選ぶようになると思います。自分もそうやってサステナブルな社会への取り組みに参加できますから。

 

私は普段、着物を着ることが多いのですが、祖母の代からのものを染め直したり、仕立て直して着ているものもあります。割れた食器は金継ぎして、使ったりしています。江戸時代は何でも灰になるまで使っていたから、ゴミがなかったんですよね。そういう昔からあるリサイクルの意識、大事にしたいと思います」(佐保姫さん)

ミチコさんは、今日の話で俄然、環境への意識が高まったと言います。

 

「日常の中で、資源を『もったいない』と思う意識を持ちたいと思います。そして商品を購入する際も、資源の循環まで目を向けることが大事ですね。再利用が難しいプラスチックだからダメと思い込まないで、水平リサイクルができるのであれば、その商品の購入、回収、分別には協力したいと思います」(ミチコさん)

 

化粧品業界でいち早くスタートした水平リサイクル。「みんなで実現」することが大事なのだと、改めて感じる貴重な機会でした。

 

【化粧品ボトルの回収対象となる店舗・商品はこちら】
回収期間:2022年7月31日まで


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