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イタリア トスカーナ ノーダン一家のSDGsなライフスタイル

佐保姫(OG)

佐保姫(OG)

都内在住。きもの学院 講師。きものサロンを主宰し、現代空間にマッチするファッションとしてのキモノを提案しています。また、ニッポンブランドマイスターとして商品開発も。“日本のモノづくりを知ることは、今の暮らしを見つめ直し、未来に繋がる”がモットー。全国のよきモノ、食を求めて旅した嗅覚で、面白いモノ・コト、おでかけをご紹介します。

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【SARAVA】

1本のオリーブオイルとの出会いから、ノーダン一家のライフスタイルに触れたいと思います。

 

SARAVAは、トスカーナ地方、エレオノールとファビアン・ノーダン夫妻が経営する農園。

夫妻はパリ在住時代、主にアートとデザイン分野でキャリアを積んでいました。二人とも熱心なアート収集家で、アート市場でも名を知られた専門家でした。

 

妻のエレオノール・ノーダン氏はモダンアートと写真の専門家です。ニューヨークでキャリアを積んだあとは、2008年に家族が所有する画廊に戻り、経営を任されています。

 

エレオノールはフランスのアート・ディーラーの家系です。祖父にあたるモーリス・マランギュは、ポール・ゴーギャンの専門家で、ゴーギャンの作品に関する著作もあります。

 

父のダニエル・マランギュは有名なアートディーラーで、著名な印象派やシュールレアリスト、モダンアーチストなどのマネジメントを務めています。

 

夫のファビアン・ノーダン氏はファッション業界でキャリアをスタートさせ、ポール・スミスやAPCといったブランドで経験を積んでいます。

 

その後ファビアンはフランスでも有名なアート・オークションのArtcurial社で2013年から2020年まで副社長を務め、20世紀のアート・デザイン業界を見守ってきました。

 

 

現在は Bureau7という広告・デザイン収集家のエージェント会社を経営し、コレクターの収蔵作品のキュレーター業務を手伝っています。

ノーダン家の自然の中に住みたい、オーガニックフードを生産したい、そして芸術品に囲まれていたいという願いが、彼らをイタリアにあるのどかな農園の家に導きました。

 

 

オリーブオイルを作るために10年ほど前にフランスからイタリアへ移住し、400年の歴史あるオリーブ農園を引き継ぎました。その農園では樹齢100年あまりのオリーブの木1200本が育っています。

 

ご家族で農園での暮らしを楽しみ、毎日の散歩中オリーブの実を注意深く観察しているそうです。

日本でもQOL(Quality of Life)という言葉が唱えられ、 「人生の質」、「生活の質」などと訳され、私たちが生きる上での満足度をあらわす指標の一つになっていますが、人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか? と考えた時にノーダン夫妻の選択が人生において本当の意味で豊かな暮らしとは何かを示してくれているように思いました。心地よさを求めた先に持続可能な栽培法のオリーブオイル作りがあり、それが地球のサスティナビリティに繋がっている……素晴らしいですね。

SARAVAのオリーブオイルは自然への愛情と、職人の技へのこだわりが詰まったトスカーナ産エキストラバージン・オリーブオイル。

 

 

丹精込めて木を手入れすることを楽しみながら、SARAVAの自社農園で収穫したオリーブの実だけを使ってオーガニック製法でつくられています。

生産したオリーブオイルは、鮮度の高い状態で届けたいという思いから収穫から12時間以内にボトリングされています。

年間1000㍑しか生産されていない貴重なオリーブオイルはみずみずしくとにかく美味しい。フレッシュな香りも素晴らしかった。まさに木の蜜を頂いているようでした。

イタリアから生産者のノーダン夫妻が来日しオリーブオイルを堪能するために作られたお料理を楽しみました。

 

 

メインディッシュの「和牛 モモ肉と季節野菜のロティ」など希少な「SARAVA」のオリーブオイルを贅沢に使用したイタリア料理と、コースに合わせて厳選したプロセッコ・イタリアンワインを楽しみました。サラダはもちろん、マスカルポーネやアイスクリームなどにかけても風味が増して美味。

 

 

私は普段、バケットなどにつけて食べていますが、この香りのお陰で豊かな気持ちで1日をスタートできます。

SARAVA農園は現在大改装中で、2023年の完成後は予約制でライクマインディッド・ビジターの訪問を受け付けるそうです!

完成したら友人と予約して伺いたいなと思っています。

 

ノーダン夫妻にお会いし、自然と共に生きることの大切さをじっくりと考え、自分たちのこれからの生き方を考える機会になりました。

私たちがどのような暮らし方をするかによって、それが地球の生態系や気候にどのような影響を及ぼしているのか?地球環境を私たちにとって持続可能なものにするために何ができるのかを常に考えていきたいと思います。

 

身近なところで言うと、天然素材の着物はサスティナブルな衣服です。直線裁断で作られるため着物の制作過程では、端切れはほぼ出ず、振袖などは3世代で着継ぐことができたり、染め直して更に長く着続けることが可能で長期間着られるのが特徴です。反物に戻して新しく作り変えることもでき、天然素材のため最終的には自然に戻すこともできる。着物に袖を通すことで持続可能な1歩に繋がるとは……新たな気付きがありました。

 

「SARAVA」のエキストラバージン・オリーブオイルは、化学農薬を一切使用せず、最も厳しい有機基準に沿って栽培された3種のオリーブをブレンドしています。自社農園では樹齢100年あまりのオリーブの木を約1200本栽培し、収穫から搾油所での分離工程、ボトリングまでを一貫して行い、100%オーガニック製法を実施。品質と風味を保つため、オリーブ収穫から12時間以内に搾油を行い、搾油作業でも一切化学薬品を使用していないのだそう。搾油されたオリーブオイルは酸化防止のためアルゴンガスを使って気密性を保ち、16℃に温度管理された大型タンクに保管されます。こうして大切に製造されるオリーブオイルは、毎年1000リットルのみ限定生産される最高品質のオリーブオイルなのです。

 

「SARAVA」

 

 

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