世界最高峰のサーカス・エンターテインメントとして有名なシルク・ド・ソレイユ。「コルテオ」・「クーザ」・「オーヴォ」など幅広い層に大人気で毎回話題になっています。こんなに美しいサーカスを見たのは初めてで感動しました。人間の限界を超えた究極のアクロバット。ミュージカルでもオペラでもバレエでもない独特の世界観。
今回の作品「トーテム」では「異なる種」と「進化の歴史」を表現しようとしたと脚本、演出を手掛けたロベール・ルパージュ氏の挨拶文にありました。
１９７０年代初頭から８０年代にあって動物のいないサーカスは奇妙と映ったそうです。長男が2歳の頃義父母がサーカスに誘ってくれて行った所、ライオンが吠えて、真っ白な顔のピエロを見て泣き出してしまい私は長男を連れて会場を出たことを思い出しました。小さい子どもにはもしかしたら怖いと思えたのかもしれません。
それと比べるとこのシルクのサーカスはピエロも普通の人と変わらない親しみやすいキャストの会話から始まります。友人が先に入っていてくれて「開演前のキャストのパフォーマンスが始まっています。」というアナウンスが流れる中、会場が明るくまだ人が入場している途中入って行きました。
前の方のいい席を友人が半年も以上前に予約してくれていました。その席を探しているところクラウン・バレンティーノが「チャオ」といいながら私の肩を抱いてエスコートしてくれました。友達もびっくりのお茶目で素敵な演出にうれしくなりました。
いよいよ暗くなり、ストーリーが始まります。
巨大な亀の甲羅の骨組みが現れアクロバットが行われます。
この「カラペース」は「甲羅」の意味ですがこの最初の場面んでただ一人の日本人キャスト「宮 海彦」さんがカエルの役で素晴しい演技を見せてくれます。元体操選手として活躍されていたそうです。まだ日本では海外ほど知られていないシルクの存在を知って欲しいと頑張っている姿に感動します。
今回の「トーテム」の特徴はプロジェクションを多用した演出です。沼地が湿地に、川の水源に、沼地に、湖に、海に、火山島に、池にそして星空になります。投影される画像は世界各地で撮影された映像であり、中にはアイスランドやハワイ、グアテマラのものもあります。
沼地と変化に富んだシーンをつなぐのは、可動式のプラットフォーム「スコーピオン・ブリッジ」です。最新式の技術で七変化します。高さ2メートルの一輪車に乗る５名のアーティストが金属製のボウルをジャグリングする究極の足技「ユニサイクル・アンド・ボウル」とても可愛らしい笑顔で演技するのですが高いのでスリリングです。
それからローラースケートを履いた男女が直径１．８mの円形のプラットフォームで超高速回転＆旋回する「ローラー・スケート」写真がないのが残念です。
空中ブランコで若い恋を表現するフィックスト・トラピス・デュオの二人のアーティストの演技はとても印象的でした。強くもあり無防備でもあるアーティストが互いの心を暖めながら本当の愛を育み、恋に落ちる美しさを言葉のないバレエのように体現しています。
クリスタルレディーの美しい衣装も素敵でした。ロシアン・バーの場面では宇宙飛行士のように自由に空を飛べるような夢を見ることが出来ます。
人間の限界を超えたアクロバッティックな技、衣装、メイク、振り付け、芸術と技術の融合。これほど人間の身体が美しく素晴しく老若男女、人種を超えて楽しめる最高のエンターテイメントはないのではないでしょうか？
終わりにはもしかしたら飛べるかしら？なんて爽快な気持ちになれました。
是非一度ご覧になってくださいね。
トーテム
http://fujitvdirect.jp/pc/sp/totem-ls/
