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乾燥老化 ⑤管理栄養士に聞きました:タンパク質不足が”皮膚粗しょう症”を加速!?

前回は、女性ホルモンの減少が乾燥肌の原因の一つであることを婦人科医師の対馬ルリ子さんに話を伺いました。今回は、栄養や食材の面から乾燥肌対策について考えていきます。

 

 

管理栄養士に聞きました

 

「タンパク質不足が"皮膚粗しょう症"を加速させています

Reimi Aso
麻生れいみさん

1964年生まれ。管理栄養士。企業の特定保健指導・栄養相談を行うかたわら、病院の臨床研究において栄養療法を監修、医薬に頼りすぎない新しい治療法をサポートしている。ダイエット指導した人数は6,000人以上。自らの体験を生かした〝食べて痩せて健康になる〞ダイエット法、麻生れいみ式ロカボダイエットが話題

 

 

年齢とともに肌がスカスカに。
栄養不足が拍車をかけている

 

「アワエイジ世代は“皮膚粗しょう症”世代でもあるんです」と麻生さん。

 

40代〜50代の全身が乾燥しやすいのも、これと深い関係があるそう。

 

「骨粗しょう症で骨がスカスカになるのと同様に、肌内部がスカスカになることを私は“皮膚粗しょう症”と呼んでいます。加齢により皮膚細胞の働きが落ち、コラーゲンやヒアルロン酸など肌の弾力や潤いの元となる成分が減ることで起こります。これが進むと肌の弾力が低下、シワやたるみが現れ、保湿機能が低下し、乾燥も深刻化しやすくなります」

 

それに拍車をかけるのが、日頃から浴びている紫外線のダメージ。そして注目したいのが“栄養”です。現代人のほとんどが、必要な栄養素をとれていないと麻生れいみさんは言います。なかでも、圧倒的に足りていないのがタンパク質。

 

「タンパク質は、私たちの体をつくる大切な栄養素。皮膚や毛、爪はもちろんタンパク質からつくられていますし、筋肉、内臓、血管、ホルモンもタンパク質でできています。不足すれば当然、皮膚の美しさや潤いが低下してしまいます。特にアワエイジ世代は、菜食主義のブームや、肉やアブラを抜くダイエットの流行を経験してきた世代。間違った知識を持ったまま、タンパク質不足で“皮膚のスカスカ”を加速させている可能性は高いですね」

 

 

 

次ページに続きます。

一日約50gのタンパク質と
ビタミン、オメガ3、鉄分を

 

だから必要なのは食生活の見直し。

 

「女性が一日に必要なタンパク質量は約50g。肉や魚は100g当たり約20gのタンパク質が含まれるので、その量を3回とるようにすれば、必要量が補えることになります」

 

抗酸化力の高いビタミンAやCやE、皮膚や粘膜の健康を維持する働きをするビタミンB群、ホルモンや細胞膜の材料にもなるオメガ3、コラーゲンの生合成に必要な鉄分も、全身の潤いに欠かせない栄養素。普段の食事から積極的にとるよう意識することが大切なのだそう。

「スイーツや米飯、麺類を食べすぎないことも重要。糖質を多くとると糖化を招き、皮膚のコラーゲンやエラスチンを変性させてしまいます」

 

酸化油の多いファストフードやインスタント食品も控えめに。

 

「皮膚は内臓の鏡。肌のハリや潤い、ツヤが失われていたら、体のどこかで老化が進んでいる証拠。そこに意識を向けて対策をとることが、アワエイジ世代は大切だと思います」

 

 

次ページでは、肌の乾燥対策に有効な栄養と食材をご紹介します。

肌の乾燥対策に◎な
栄養と食材

 

タンパク質

皮膚を構成するコラーゲンなどの元となり、天然保湿因子も生成。肌の生まれ変わりを促進し、ターンオーバーの正常化をサポートします。肉類、魚類、卵、大豆製品、乳製品に含まれます。

 

オメガ3脂肪酸

ホルモンや細胞膜の材料になり、美肌を保つのを助けます。肌の保湿機能を改善するセラミドの材料にもなります。これを豊富に含む食材は、亜麻仁油、えごま油、イワシやサンマなどの青魚。

 

ビタミンB群

肌のターンオーバーを正常に保ち、皮膚や粘膜の健康を維持する働きが。ビタミンB2はレバー、豚肉、ウナギ、納豆、牛乳などに。B6はレバー、サンマなど魚類、卵、大豆製品に含まれます。

 

ビタミンA

肌のターンオーバーの活性化を促進。皮脂膜や天然保湿因子の生成を促し、皮膚や粘膜の潤いをキープ。レバー、ウナギ、卵、緑黄色野菜などに多く含まれます。

 

ビタミンC

皮膚を構成するコラーゲンの合成を促進するとともに、体内の活性酸素を除去する働きをサポート。いちごやキウイなどのフルーツ、野菜などに多く含まれます。

 

ビタミンE

血液の循環を促進し、肌の新陳代謝の活性化にも関与。肌のバリア機能を高める働きも。高い抗酸化作用で、細胞ダメージも防ぎます。ごま、アーモンド、ナッツ、大豆、アボカドに多く含まれます。

 

鉄分

骨、皮膚、粘膜の代謝や、コラーゲンの生合成をサポートします。レバー、赤身肉、魚、のりやひじきなどの海藻類、アサリ、豆類などに多く含まれます。

 

 

次ページでは、乾燥肌にNGな、生活習慣をご紹介します。

乾燥肌に、これはNG

 

ファストフードやインスタント食品

これらを食べすぎると、代謝に欠かせないビタミンB群を大量に消費し、肌の新陳代謝を遅らせてしまう可能性が。塩分が高いため、体内の水分量を減少させ乾燥肌の原因になることも。

 

 

甘いお菓子

砂糖をたっぷり使っている甘いスイーツは、糖質過多を引き起こし、体内を錆びさせる糖化の原因に。なるべく控えるのが賢明。フルーツも意外と糖質が多いので、とりすぎに注意。

 

 

次回は、美のエキスパート、資生堂の研究員の方に乾燥対策についてお話を伺います。

 

 

イラスト/平松昭子 きくちりえ(Softdesign) 取材・原文/山崎敦子

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