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十和子道第15回「 50歳、必要なのは〝効く色〟です。色でアンチエイジング」

君島十和子

君島十和子

君島十和子. 1966年生まれ。モデルとして活躍後女優に。1996年、結婚を機に芸能界を引退。現在は自身のコスメブランド「FTC」のクリエイティブディレクターとして数々のヒットを生み出している。2女の母。

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取材期間1年以上、収録写真は約400点。自宅で撮影し、オール私服で登場した〝ライフスタイルブック〟の決定版、それが『十和子道』。発売されるや瞬く間に大増刷され、なんと6刷を記録した大ヒット本です。その本のもととなった連載(過去にOurAgeにて配信されたもの)の一部をお見せします!

「十和子道」 第15回

「50歳、必要なのは〝効く色〟です。色でアンチエイジング」

 

年齢とともに変化していく事のひとつに「色の好み」があります。好きな色、気になる色、似合う色、危険な色…。

色の持つパワーは良くも悪くも絶大で、選び方ひとつで「老け」を感じさせる敵にも「キレイ」をサポートしてくれる味方にもなります。

 

また「色」は時として元気や勇気を与えてくれたり、気分を華やかにしてくれたり、和ませてくれたりと…感情とリンクして、心にまで作用することがあります。

 

私自身も「好みの色」「似合う色」は年齢とともに変わってきた気がします。

今回はその「色」についてお話ししたいと思います。

 

 

<引き時の見極めが肝心のベージュ>

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まずは大好きなベージュから。若いときは黒、白、紺、ベージュなどベーシックな色ばかりで、とりわけベージュが一番のお気に入りでした。30代などはベージュ至上主義といってもいいほど。

 

肌に優しくなじみ、優しさやぬくもりを感じさせる、主張しすぎないニュアンスのある色。

間違いのない安全色。

私の好みにも、自分のイメージにもジャストフィットした色だったと思います。

 

 

口紅も以前はピンクベージュ一辺倒。メイクボックスの中から同じようなピンクベージュの口紅が何本出てきたことか…。

肌なじみが良く、決して浮くことのないピンクベージュは、まさに「私色」だったと思います。

 

40代になって間もなく、やっと有彩色を取り入れるようになりました。

といってもパステル系の中間色。例えばピンクでもネオンピンクやチェリーピンクなどではなく、サーモンピンクやダスティピンク、コーラルピンクなどの「優しい余韻」を感じさせるピンクを。

FTCのブランドカラーでもあるグリーン系も多用しましたが、ビビッドなグリーンではなく萌黄色、若草色のような「柔らかい、爽やかな」軽い色彩を好んでいました。

 

そんな風に色を取り入れ始めたある日、鏡に映ったベージュのワンピースを着た自分の姿を見て、強い違和感が。

肌がくすんでる? 全体的にゆるんでる? 顔もフォルムもぼやけてる?

 

ベージュの持つ優しさやぬくもりが、とらえどころのないものの様に感じたのです。

肌なじみが良く安心安全だと信じていた色が突然、「老け」を助長させる危険な色に見えたのです。

 

変化したのは勿論ベージュではなく、年齢と共に変わってしまった私の肌の色や質感でした。

ベージュやアイボリーといった色が肌をくすませ、フォルムを曖昧にさせるようになったと感じたら、ベージュメインからの引き時です。

 

 

<大人だからこそ嫌味なく纏える色…ピンク> 

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40代も半ばを過ぎる頃になると、明度や彩度の高い色に惹かれるようになっていきました。

カラーバリエーションも増え、今まで手をつけられずにいたブルー系やビタミンカラーと言われる色にも、少しずつ手を伸ばし始めます。

ピンクのTシャツやブルーのニット、オレンジのカーディガンや黄緑色のパーカーなどは、身につけた瞬間、気分がパーッと明るくなって、心が躍る色です。

 

そしてなにより肌がくすんで見えない。お花屋さんで色とりどりの花に囲まれるとき、なんとも幸せな気持ちになる、あの感じ。

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(写真上 いつも自宅に飾る花や会社のスタッフの誕生祝いの花を頼んでいるお花屋さん「レ ミルフォイユ」にて)

 

従来の私らしさや定番という「安心感」よりも、好奇心やトキメキを求めるようになってきているのが自分でも分かります。

「エラーしてもいいじゃない!トライさせてよ、ドキドキしたいの」と。

もうすぐ50歳、第三次(くらいかな?)反抗期の自分がそう叫んでいるようです(笑)。

 

好きなピンクもよりビビッドな方向に変化して、〝大人のピンク使い〟も始まりました。

ピンクは幼い頃から憧れていた色でしたが、なぜか「似合わない」と周囲の評判がよろしくなく、不本意ながら封印していた色。

「やっと似合う年齢になったんじゃない?」と、主人からピンク解禁のGOサインが出たのが45歳くらいのとき。

うーん、苦節45年です(笑)。

 

その後、堰を切ったように率先してピンク党になり、バッグ、ポーチ、スカーフ、メガネ、手袋、お財布、FRISK(フリスク)まで(笑)。

今は〝定番化〟してきた感もあり、怒涛のピンクブームもだいぶ落ち着きましたが、今でもピンクは「心躍る色」です。

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(写真上 初めてのシニアグラスはピンクのフレームをチョイス)

 

世間では「枯れ木も山の賑わいなのか、女性は歳をとるとやたらピンクを着たがる」と揶揄されがちですが、それはイコール「いよいよピンクが似合う年齢になってきた」とも解釈できるわけで、あながち間違いではないと思うのです。

 

若い頃のピンクはどうしても女性性をアピールする「媚びの色」と捉えられることが多く、手っ取り早くいえば「モテ色」「可愛いと思われたい色」。

そんな女性の下心が見え隠れするような色でしたが、45歳も過ぎてくると「大人の可愛さ」や「大人の遊び心」などピンクは身に着けるとかっこいい〝大人色〟に変化します。

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甘いファンシーなピンクではなく、どこか鉄火で凛としていて、何より抜群に肌写りのいいピンクを纏うとき…アラフィフの醍醐味を感じます(笑)。

ピンクを嫌味なく纏えるようになったのは加齢の大きな恩恵だと思っています。

<40代のベースメイクに必要な色、それは赤味>

さて、ここでメイクの話をひとつ。

「なんだか最近顔が大きくなってきた気がする」そんな風に感じたことはありませんか。それはファンデーションの色のせいかもしれません。

 

私も40代でファンデーションの色選びがガラリと大きく変わりました。

それまではいかに地肌にピッタリ色を選ぶか。

首と顔の境目がどれだけ自然か。

それがファンデーションの色選びの鉄則だと思っていました。

 

けれど、40才を越えた肌(くすんで黄色味を帯び、血流不足で赤味が減少する)に必要なファンデーションの色は「地肌にピッタリ」な色ではありません。

ジャストな色が乗ったお肌は色素をもれなく拾ってしまい、つるりと平坦で無機質な肌に見え、ファンデーションを塗ったところが全部(額の生え際やアゴの際まで)「顔」に見え、大きく見えてしまうのです。

 

 

たるみで曖昧になっているフェイスラインが更に下垂して見え、立体感が失われて見えるのは必然。

私はファンデーションは敢えて明度を一段下げた、少し濃い色を使うようにしています。

以前はオークル系の中でもイエローベースのファンデーションをつけていましたが、今は赤みを適度に含んだオークル系。

私の年代の血色を補うためには黄味ではなく「赤味」が必要なのです。

 

明度を一段下げたファンデーションで「顔」を作り、明るく見せたいところ、高く見せたいところ、ふっくらと見せたいところ(下まぶた、まぶたやこめかみ)にパーリーな白やピンクベージュを乗せて、ピンク系のチークで透明感と血色を作り出す。

 

色には、強い色、軽い色、沈む色、浮く色、突出する色、拡張する色、収縮する色…と、それぞれが持つ特性やメッセージがあります。特にメイクにあっては色を上手に使えば、私たちはもっと若々しく、キレイでいられるはずです。

 

<年齢を重ねた肌へのメイクは〝効く色〟を>

メイクにせよ洋服にせよ、好きな色、なじむ色、自然な色が必ずしもキレイに見せてくれるわけではありません。

必要なのは「効く色」です。

かつてあんなに使い勝手のよかったベージュの同系色だけのアイシャドウパレットも、今となっては使うのは一色だけ…なんてことはありませんか?

色素が沈着したり、ただでさえくすんで見えるアイホールに茶系のグラデーションを入れるのは、ただ影や暗さを増すだけ。

 

大人のアイシャドウの役目は陰影をつけるためではなく、明るく魅せるアイホール作りにあります。

私の場合、基本は赤味を含んだピンクベージュ系のパレットを使っています。その中でメインに使用するのはオレンジベージュ系などのニュアンスカラーのワントーンメイクです。

 

「使わないよね、この色は」という明度の高いクリアな色や「肌から浮いてしまうのでは?」という鮮やかな色。

そんな一見敬遠しがちな色のほうが実はキレイに見えるという年齢肌メイクの不思議。

 

私も少し前までなら、「ありえない!」と思っていた色のアイシャドウ、コーラルピンクや赤といった口紅が、いまやポーチにスタンバイしています。

今でも見るたび「派手かも?」と、一瞬ドキッとしますが、これらは間違いなく年齢肌に「効く色」たちです。

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手鏡で見ると「大丈夫?」と感じるような色でも、全身や上半身が映る大きな鏡でチェックしてみてください。

意外に「丁度いい」と感じるはず。

 

曖昧な色は、曖昧なフェイスラインや曖昧な地肌の色に吸収されて、ただぼんやりした印象を与えるだけ。

エイジングが進んだ肌に必要なのは、曖昧さやぼんやり感ではなく「メリハリ」だと思います。

 

 

もうすぐ50歳。目指すは〝浮く女性〟です。

キレイな女性はなじまなく溶け込まない「色」を放つ人。

「日本人は一千色を見分ける」とも言われているそうで、そんな多彩な色に囲まれた人生なのに、黒と茶とベージュだけで過ごすなんてもったいない!

「無難に」、「目立たず」、「みんな一緒の色」でいいなんて、みすみす老け込んでいくようなものです。

 

50歳って当たり前ですけれど、若くはありません。

若さはないけれど知恵があります。

色を見分け、色を味方にし、色の恩恵をしっかり受け取る知恵があるはず。

色によるアンチエイジングの効果は未知数です。

臆せず色を試しませんか?

 

 追伸

先日、娘がカーキ色のシャツを着ている姿をじーっと見つめ、気付いたことがありました。

それは「若さはカーキという色に溶け込まない」ということ。

アースカラーやカーキ色は若さを閉じ込める色です。

だからこそ溢れるようなエネルギーを持った若い人が着ると、中和されて調度いい。隠しても閉じ込めても漏れてくる、持て余すほどの生命力が色っぽい。

これが「最早若くなく、持て余してもいない」中高年が着てしまうと、カーキ色そのものが保護色となり、自身がカーキに溶け込んでしまいます。

迷彩柄やアニマルプリントは、そのインパクトから「色」だけでは判断が難しいと肝に銘じ、着る時が来たらそれなりの覚悟が必要だと思っています。

娘達は私に買って欲しいので「ママにも似合うよ!」と言うかもしれませんが、うかうかと調子に乗ってはいられません。

 

★君島家の愛用品★

バスタオルも元気色で

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イヴ  ドロームのバスタオル。「以前は白一色でしたが、最近は黄色とグリーンが定番カラーです」

 

撮影/冨樫実和、本多佳子 取材・文/稲田美保 ヘア/黒田啓蔵、古根丈史

撮影協力/

レ ミルフォイユ

所在地 : 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-52-3
電話番号 : 03-5775-3874
営業時間 :平日/土 11:00〜20:00 日 11:00〜18:00 定休日:なし(年末年始のみ休み)

 

*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点

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