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世界無形文化遺産 オストダンケルクのエビ漁

井原美紀

井原美紀

旅するコピーライター・エディター。

世界107ヶ国1300都市以上を旅してきた。 以前は海とヨットが大好きだったが 今は空を飛ぶことがなによりも好き。 趣味は仕事。

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東京ーオストダンケルク 6141マイル

井原さん イラスト

イラスト:KOTO

 

 

湘南でSUPのあとは、今度はベルギーへぴょんと飛んで海遊びです。夏ですからねえ。

海とビールは欠かせません。

今回もアンチエイジングに欠かせない「ワクワク」をお届けします。

 

なぜ、海遊びをするのに南仏ではなく北のベルギーなのか?

それは、6月中旬になると、ユネスコの世界遺産会議で「世界無形文化遺産」に選ばれた珍しいエビ漁が始まるからなのです。

大きな引き網をつけたたくましい馬と男たちが海の中に入り、波に逆らいながら力強く歩き回り、海底に隠れているエビを掬いとっていく光景はまるで映画の1シーンのよう。

井原さん エビ漁 馬

井原さん エビ漁 馬 格好

 

<美しい海辺の町 オストダンケルク>

 

古都ブルージュから約50kmに位置する海岸沿いの町オストダンケルクは、新鮮な魚介類を求めて訪れる観光客で夏の間特に賑わいます。6月中旬から9月中旬にかけて行われる伝統的なエビ漁の時期は、海沿いに子どもたちの遊び場があちこちに作られ、どこのカフェにもバカンス疲れした親たちのために冷えたビールが用意されています。日本のガイドブックでは見つけることが難しい町だけれど、美味しいものに溢れた美しい海辺のリゾート、それがオストダンケルクです。

井原さん 自転車に乗る子供

 

 

 

馬でエビを捕まえる珍しい漁、いよいよスタート!

 <オストダンケルクの伝統的エビ漁>

 

馬に網と金属の板を付け、沖へと進みます。馬が歩き回るに連れ金属板が海底を引っ掻き、驚いて網に飛び込んだエビを捕まえるという一見のどかな漁は、昔は、フランスやイギリスでも行われていました。しかし、漁の現代化が進み、今やオストダンケルクの12の家族だけがこの美しい伝統を守っています。取れるのは、クレベット・グリス(灰色エビ)という小エビ。取れた時は灰色ですが、茹でると美味しそうなサーモンピンクに変わります。殻ごと茹でると濃厚なダシが出るため、名物のカニのコロッケやスープには欠かせない食材。カニのコロッケは、この一帯の名物。オストダンケルクに来たら一度は食べてみてくださいね。

 

 

<いよいよエビ漁が始まった>

 

訪れた日は、真っ青の空が夏の到来を喜んで高らかに歌っているような陽気な日でした。

引き潮を待って始まるため、その日の開始時間は午後3時。

浜辺はすでに人でいっぱいです。特に地元の子供たちは、網を片手に今か今と並んで始まりを待っています。どうやら、グループ別に分かれて、エビ取リ合戦をする模様です。

付き添いの親たちも網とバケツを持ち、おさおさ用意を怠りません。今夜の夕飯はここで!という気合いに満ちています。

井原さん 子供たち

井原さん エビ漁 大人と子供

 

午後3時過ぎ。たくましい足をした地元の農耕馬たちの引くソリが姿を見せると、観光客が歓声をあげて群がって行きます。トレードマークの黄色のジャケットを羽織った漁師たちは、にこりともせずに顎をクイッと上げ(ソリに乗っていいぜ)と無愛想だけど親切なところを見せます。「乗っていいみたいよー!」とはじけるような笑顔で乗り込む観光客たち。

井原さん 観光客

 

水際に着いたところで、途中で乗り込んできた客を降ろし、ソリを外し、網と重りをつけ、準備完了。

いよいよ海に乗り出します。

集まっている人たちも、一斉にスボンをまくったり、スカートをたくし上げて後に続きます。

私もここまでは浜辺から眺めていようと思っていたのですが、とても我慢できません。

熱狂した人たちに釣られて、ジーンズを捲り上げ、靴を脱ぎ捨て、バックに押し込み、きゃあきゃあと海へと入ります。

灼熱の太陽と冷たく透明な北海の水、バシャバシャとしぶきを立てて、まるで戦いに行くように厳かに沖へと歩いていくたくましい馬たち。

なんて気持ちいいの午後でしょう!

井原さん 馬と観光客

井原さん 馬 エビ漁中

 

 

 

きゃあきゃあ大興奮のエビ漁、ついにみんなで参加!

馬に続くのは、網を持った地元の女性たち。こちらも伝統的な衣装に身を包み後に続きます。そのあとは、大興奮の子どもたち。

一匹でも多くエビを取ろうと、網を振り回す子どもや、エビの事などすっかり忘れて波遊びをする子ども、おしゃべりしながらのんびりついてくる大人たち。

井原さん エビ漁

井原さん オストダンケルク

井原さん 1人水遊び

 

馬たちは、かすかに見えるくらいまで沖へ行き、右から左へ、左から右へと何度か行き来を繰り返します。

30分ほどすると、漁を終えた馬たちが海のあちこちからしずしずと戻ってきます。大量のかもめを連れて。

かもめたちときたら、苦労もせずにディナーを楽しめるとあって、いったいどこにいたんだ、と思うくらいたくさん集まって、ぎゃあぎゃあと網から溢れるエビに群がっています。まるでお行儀がなっていませんが、分をわきまえているところもあって、網に入っているエビの方には近づきません。

井原さん かすかに見える馬たち

井原さん 馬2頭

井原さん かもめ

 

浜辺に着くと、網の中には無数のエビ。素敵なカニとか、魚も一緒に混じっていますが、無口な漁師たちは、エビ以外のものは無造作にポンポンと後ろに投げていきます。もちろん、待ち構えた子どもたちが、我先にとカニや魚に手を伸ばします。

 

今日も大漁です。

井原さん エビ

 

 

 

たくさんエビを取った後は……、待ちに待った食事タイム!

取れたエビは、街の中央広場で釜茹でにされて、観光客に振る舞われます。大きな釜でさっと茹で上がったピンクに染まったエビ、たちまち辺りに漂い始める食欲をそそる匂い。

口いっぱいに頬張って、モグモグ。海の香りで味付けされた採れたてのエビだけがもつ、豊かな滋味と甘みが広がって、美味しいー!

これがまたベルギービールに合うの合わないのって。おすすめは、夏に欠かせない白ビール。コリアンダーやオレンジピールが加えられた新鮮で爽やかなビール、例えば

Hoegaarden, Vedett Whiteを合わせてみてください。ベルギーの夏を100%至福の中で味わえますよ。

井原さん 換金

井原さん エビ漁 かご

井原さん エビ漁 鍋

井原さん エビ 鉄板焼き

 

日本では潮干狩りへ行ってアサリを取りますが、フランスやベルギーの小説には、子どもたちが網を持って「エビを取りに行く」様子がよく登場します。こちらの子どもたちにとっては、きっと慣れ親しんだ遊びなのでしょう。

 

では、どれだけ取れたか見せてもらいましょう。

井原さん バケツ

あれ、エビは?

 

夕方には、赤く日焼けした大人たちが、冷えたビールを求めて再びカフェへ、飽くことないエネルギーの塊である子どもたちは、日が落ちるまで浜辺で遊び倒します。

ね。

 

夏の旅行先に良さそうな場所だと思いませんか?

6月の最後の週末には、「エビ祭り」も開催されます。

 

井原さんベルギー

 

参考サイト:

ユネスコ世界遺産のページ http://www.unesco.org/culture/ich/en/RL/shrimp-fishing-on-horseback-in-oostduinkerke-00673

 

エビ漁公式サイト http://paardevissers.be/ (オランダ語のみ)

 

 

 

 

取材協力: オランダ政府観光局 ベルギー・フランダース政府観光局 KLMオランダ航空 www.hollandflanders.jp

 

 

 

 

 

井原美紀ブログ  Globetrotterのつぶやき

http://ameblo.jp/surprise-enterprise/

 

 

 

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