住宅ローンを繰り上げ返済すると“老後貧乏”のリスクは……

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東京・銀座の「元気が出るお金の相談所」所長。FP歴22年目。これまでの相談件数は5000件以上、講演回数は1千回を超える。一男一女を育てあげた後、現在は義母と実母の介護に直面中。 お得な情報はより多くの人に知らせてあげたい!というおせっかいな性格。 モットーは「最後まで自分らしく生き抜く」。

私のところへ相談に来られた58歳パート主婦のM美さん。

相談内容は

退職金で住宅ローンを返済しようと思っていたところ、友達が退職金で住宅ローンを繰り上げ返済してはダメって、テレビ番組でやっていたと言う

★本当のところ、どうなのか?退職金でローンの一括返済って、まずいのか? でも毎月のローンの利息を考えると……

 

というものでした。

 

確かにM美さんご夫婦のように毎月のローンの利息と貯金をしてもたいしてつかない金利を天秤にかけ、退職金でローンを片づけてしまおう、というご家庭は多いんです。

それに対する私の答えはこうです。

退職金で一括返済しない方がよい場合が多い

 

 

もちろん退職金を住宅ローンの繰り上げ返済に回してもよいかどうかは、それぞれの家庭の状況によります。

今までの貯蓄状況や老後のお金の考え方、日常的なやりくりの仕方などを見てみないと最終判断はできません。

が、たくさんの方の老後のお金の相談を伺い、いろいろな事例を目の当たりにしてきた結果、

退職金で住宅ローンの一括返済をすると、別のリスクを負う可能性が出てくる

ことをご相談者にはお伝えしています。

 

なぜかというと手元にある現金(貯金)こそ、老後の一番の保険だからなのです。

 

Aさんの事例をお話します。

退職金で住宅ローンの残債を一括返済したAさん。

アルバイトをして生活費の補てんをしつつ、趣味の釣りも楽しむつもりでした。

ところがローンの残債を返済して間もなく、ガンに罹っていることが判明。

運の悪いことにやっかいなタイプのガンでした。

 

手術代、入院費。

長期にかかる治療費、薬代。

病院まで通う交通費。

 

高度な治療を望めば、さらにお金が必要となります。

ガン保険だけでカバーするのは無理があります。

 

そんなとき、必要なのは手元資金(貯金)なのです。

けれど退職金でローンを返済してしまったため、Aさんの手元資金は大きく減っていました。

でも、夫に治って欲しいと願うAさんの妻は高度な(高額な)治療をあきらめるなんてできませんでした。

 

その結果、自宅を売ったのです。

 

 

今この瞬間は元気でも1年後、いえもしかしたら数か月後も同じように元気だという保証はありません。

病気になったとき一番便りになるのは現金なのです。

 

もし亡くなってしまった場合、住宅ローンの残債は貸主と結んだ生命保険で全額返されます。

(ローンを借りるとき保険に加入させられましたよね?)

 

だから私は

「退職金で住宅ローンの一括繰り上げ返済はした方がいいでしょうか」と聞かれたら

「おすすめしません」

とまずお答えするのです。

 

繰り返しになりますが

退職金を住宅ローンの繰り上げ返済に回してもよいかどうかは、それぞれの家庭の状況によります。

残債額、貯蓄状況、日常的なやりくりの仕方などを見てみないと判断はできません。

話をM美さんに戻します。

★M美さんの家計診断は次ページに続きます!

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