水でめぐる旅―大分・日田温泉―

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水ソムリエ&飲泉師

大学・短期大学の保健管理センターにて養護教諭として約7年間勤務。 結婚退職後は製薬会社にてアメリカFDA(厚生省)向けのGC分析を担当。 2000年ライターとして独立。温泉研究が高じてフィレンツェ在住に。

【所属】社)日本旅行作家協会・正会員、温泉学会・理事 イタリア:ミネラル水鑑定士協会・公認水ソムリエ(Idro-Sommelier®)&水鑑定士(n.2689)

竹村和花日田温泉

 

こんにちは、水ソムリエ&水鑑定士の竹村和花です。夏休み!水辺の風景が何とも恋しい季節です。

帰国する度に感じるのですが、日本には日本ならではの美しい風景があります。

今回は夏にこそ訪れたい日本の水都と併せて、涼やかな水辺の温泉を紹介したいと思います。

 

 

<納涼!日田水郷の旅>

竹村和花日田温泉

九州・大分県にある日田(ひた)市は、福岡空港やJR博多駅からのアクセスも良く、古くから「水郷」と呼ばれた水の都です。

市内を流れる三隈川の水の豊かさと清らかさから、濁りをとって「水郷」と書いて「すいきょう」と読むのだとか。

博多駅発のローカル線で約1時間20分。日田駅を目前に、車窓には水量豊かな三隈川の風景が広がります。

訪れたのは丁度「日田祇園祭」の顔見世の日。華やかな物語を模した人形に飾られた9基の鉾が、夕方から駅前に集う日のことでした。

日田では、この日を境に本格的な夏が始まります。

 

 

<虹色ラムネと世界のレモネード瓶に出逢う>

竹村和花日田温泉

日田の街の歴史地区を歩きながら見つけたのが、味噌・醤油・清涼飲料水を扱う老舗『まるはら』。

風にゆれる暖簾をくぐると、まず目に入ったのがキンと冷えた虹色ラムネ。

懐かしいガラス張りの冷蔵庫にはメロン・アップル・レモン・グレープ・オレンジなどフルーツ味のラムネがはんなりとした色に染まっていました。

瓶の中で輝くラムネの色は、赤キャベツやベニバナ・クチナシの花から抽出した色素で色付けしたものとか。

天然色素は光にあたると徐々に色が抜けてしまうデリケートな性質を持ちます。

少しずつ薄らぐ淡い色合いは、まるで虹のようで何だかちょっぴりロマンチック。

『虹色ラムネ』というネーミングも、儚げで美しいラムネ瓶の輝きにぴったりです。

 

 

真夏の日差しから逃げるように、お店の中のテーブルで一息。

お店の入口にあるお休み処には、中世ヨーロッパで使われた古いラムネ瓶の展示スペースがありました。

日本にラムネが伝わったのは1853年、アメリカのペリー提督が浦賀に来航した時とされていれます。

「ラムネ」という呼び名も、その当時「レモネード(英語)」が訛って生まれた、と言われているのですね。

 

 

<三隈川の清流が生んだ世界ブランド>

竹村和花日田温泉

ところで『まるはら』の屋号は最近、欧米のレストランやシェフの間でもちょっとした話題になっています。

昨年イタリアで開催されたミラノ国際博覧会。

この時出展された『鮎魚醤(あゆぎょしょう)』は、現地イタリアの料理人からも大きな注目を集めました。

魚醤(ぎょしょう)と言うと秋田の『しょっつる(塩汁)』、奥能登の「いしる(魚汁))、香川の『いかなご醤油』が有名ですが、いずれも魚を塩で漬け込み発酵させることで生まれる調味料です。

魚醤は、その製法から独特の香りと塩分濃度の高いのが特徴ですが、実際はどうなのでしょうか。

 

 

店の奥に作られた味見スペースを見つけて、試しに様々なお醤油を味見してみました。

個性的な匂いが印象的な『鮭魚醤(さけぎょしょう)』は、イタリア・サルディニア島の郷土料理・ボッタルガの仕上げにぴったりな個性的な海の味。

匂いがまろやかな『肉醤(にくしょう)』は、ステーキ・ソースとしてそのまま使えるほど味に広がりがあります。

また世界の料理人を魅了する『鮎魚醤』は、意外にも塩分控えめ。ふんわり甘い味に丸みを感じました。

この『鮎魚醤』には、地元日田の清流・三隈(みくま)川の川沿いで養殖された地場産の鮎が使われているのだとか。

琥珀色の小さなボトルの中には、日本の自然と食文化が生んだ智恵がたくさん詰まっているのですね。

 

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第22回
水でめぐる旅―大分・日田温泉―

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