肌の保湿と日焼け防止。医師たちの基本も、やはりこのふたつ!
「美養生」として多くの医師が続けていたのが、やはり肌の保湿と日焼け防止の徹底。
「30年前から『洗いすぎない』『肌保湿』『日焼け止めを塗る』が美肌の大原則。1年365日欠かしません」(平田雅子先生)、「日焼け止めは毎日必ず。何もしないよりも、光老化は緩やかになっているように思います」(慶田朋子先生)、「セラミドローションとセラミドクリームで保湿。セラミドは効果的な保湿ができると思います」(杉野宏子先生)など、日中は日焼け止めをしっかり塗りつつ、自分の肌に合った方法で保湿をするとの声が多数ありました。
医師たちの美養生をさらにご紹介します。
朝の亜麻仁油で便通が整い、髪や肌の調子もアップ
大倉萬佐子先生は、健やかな体を保つために必要不可欠な「オメガ3系脂肪酸」を摂取できる亜麻仁油に着目。
「毎朝、食後に亜麻仁油をとっています。朝にとることで、日中の脂肪燃焼が高まるといわれているんです。欠かさずとるようになってから、便通が整い、髪のツヤが出て、肌の調子もいいです。亜麻仁油をストックする場合は搾りたてを冷凍保存。開封後は冷蔵庫で保管して、なるべく早く摂取し、とりすぎないように気をつけています」(大倉萬佐子先生)
オイルはAMANI SQEEZをセレクト。熱に弱く、加熱調理には向かない亜麻仁油は、ヨーグルトや納豆にかけたり、サラダのドレッシングに使ったり。また、紅茶やコラーゲンペプチド入りの「わの葉茶」(桑の葉、コラーゲンなどがブレンドされたお茶)に加えて摂取することもあるのだそう。
医療法人ウェルビジョン アイクリニック天神院長。 日本眼科学会認定専門医。日本抗加齢医学会評議員・専門医。日本温泉気候物理医学会温泉療法医。HITOMIBIYOU LABO代表。「目はアンチエイジングの原点」をモットーに「瞳美容」「休眼日」を提唱。
デスクに向かうときはバランスボールを椅子にして、体幹を刺激
診療中に体を鍛えるという、究極の「ながら」を実践するのが富永喜代先生。
「診療時間中は週5日、朝8時から夜20時ぐらいまでデスクに向かっているので、その間に体幹を鍛えるために、バランスボールを椅子にしています。開業して以来ずっとこのスタイルで、15年間継続中。普段はインドア派で毎日運動をするのもつらいので、デスクに向かいながら腰痛を予防、体幹に刺激を与えられるように工夫しています」(富永喜代先生)
診療中は、バランスボールに布わらじスタイル。素足で履く心地よさを味わえるのはもちろん、指の股の神経を刺激して足の血流改善、むくみ防止にも。
富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会専門医。 1993年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務、2万人を超える(通常1日2名のところ、1日12名)臨床麻酔実績を持つ。2008年愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業。痛みの専門家として全国でも珍しい性交痛外来を開設し、1万人超のセックスの悩みをオンライン診断している。性に特化したYouTubeチャンネル『女医 富永喜代の人には言えない痛み相談室』は、チャンネル登録者数28万人、総再生数は6600万回超。SNS総フォロワー数44万人。真面目に性を語る日本最大級のオンラインコミュニティー『富永喜代の秘密の部屋』(会員数1.6万人)主宰。『女医が教える性のトリセツ』(KADOKAWA)など著書累計98万部。
「グルタチオン」で肌のくすみを予防します
今泉明子先生は韓国でも話題の“グルタチオン”で体を酸化から守っているのだそう。アンチエイジング効果も期待できるとのことです。
「グルタチオンやビタミンなどの成分を配合したフィルム(シート状のサプリメント)をなめたり、グルタチオン配合のシートマスクを愛用しています。肌のくすみを予防します」(今泉明子先生)
医療法人社団 青泉会 今泉スキンクリニック院長。 日本赤十字医療センター皮膚科、ニューヨーク ワイル・コーネル医科大学(皮膚科)、東京ミッドタウン皮膚科形成外科クリニックNoage(ノアージュ)院長を経て、2018年、医療法人社団青泉会 今泉スキンクリニックを六本木に開院。学会、講演・セミナーにも多数登壇、論文など執筆活動を行うかたわらで、最先端の美容医療技術を提供すべく邁進している。
口腔マッサージで口をほぐして、自律神経を整える
オリジナルのマッサージを教えてくれたのは丹羽祐子先生。
「自ら開発した口の中の筋膜を剥がす口腔マッサージです。高濃度プラセンタジェルを使い、口の中をしっかりほぐすことで、唾液の分泌を促し、自律神経を整えるのでぐっすり寝られるという効果も」(丹羽祐子先生、以下同)
「口内のいちばん深い部分、唇の内側の歯肉頰移行部(口腔前庭部で可動粘膜である頰粘膜から不動粘膜である歯肉粘膜に移行する部分)を剥がすように指を入れます。嚙み締めが強い場合や片方だけで嚙む癖(嚙みづらい歯がある場合に起こる)がある場合には、部分的に痛かったり、こり固まっていることも。
そこを、指にジェルをつけて剥がすように指圧することで、唾液分泌もよくなり、口の嚙み締めも緩み、首の筋肉(胸鎖乳突筋など)も柔らかくなります。また舌の下に指を入れて上にすくい上げるように少し引き上げると、舌のこりも緩みます。
顔色もよくなり、首、肩まで楽になると患者さんにも好評を得ています。
注意点は、何もつけずにマッサージをすると擦過傷を作る可能性があること。そのためプラセンタが入っているジェルを開発してもらいました。口腔粘膜からもプラセンタエキスを吸収しますし、さらに天然の殺菌成分も入っており、歯周病の予防もねらっています。代用するなら、アーユルヴェーダでも口腔ケアに使われるココナッツオイルがよいと思います」
医療法人社団橋本会理事長/橋本歯科医院院長 特定非営利活動法人日本咬合学会認定医、日本顎咬合学会認定医、日本歯科東洋医学会理事・認定医、YNSA学会(山元式新頭鍼療法)理事・認定講師、点滴療法研究会マスターズクラブ会員など
拡大鏡で見ることで、顔のトラブルを発見!
吉田貴子先生が実践するのは、こんなシンプルな美容法。すぐにでも真似できそうです。
「普通の鏡ではなく、毎日、拡大鏡で自分の顔を見るようにしています。拡大鏡で見ることで、顔の中でトラブルがある部分を発見しやすいんです。壁掛けタイプのものも使っています」(吉田貴子先生)
渋谷スキンクリニック院長 帝京大学医学部を卒業後、同大学附属病院の皮膚科学教室に入局、その後、東京警察病院などに勤務し、一般皮膚科を学ぶかたわら、美容皮膚科に興味を持ち勉強を始める。2000年、都内、美容皮膚科の院長に就任。2004年、渋谷スキンクリニックを開業、現在に至る。
素敵ドクターズとは?
「素敵ドクターズ」とは、over42歳のOurAge世代で、若々しくイキイキと輝いている医師たちのこと。超多忙なはずなのに、ずっと美しく健康でいられるのはなぜ? 皮膚科、婦人科、歯科、形成外科など、それぞれの専門知識を生かしたアドバイスから、本人が実践していること、愛用の私物まで惜しみなく教えてくれる100名の医師たちです。
取材・文/野々山 幸(TAPE)