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わかってほしい、こころも弱る更年期~漢方養生・心の漢方5選

樫出恒代

樫出恒代

漢方薬剤師・漢方ライフクリエーター。漢方カウンセリングルームKaon代表。Kaon漢方アカデミー代表。新潟薬科大学薬学部卒業後、一人ひとりのこころとからだにていねいに向き合う漢方カウンセリングを提唱。連載の味わいあるイラストは、本人によるもの。
美容家吉川千明氏との共著に「内側からキレイを引き出す 美肌漢方塾」(小学館)
OurAgeインタビュー「信じていなかった漢方の力に救われて、この道を究め続ける薬剤師」はこちら

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急激に女性ホルモンが減る更年期には、ホットフラッシュや不眠など様々な身体症状が現れることが知られています。さらにこの時期、身体だけでなく心への影響も少なくありません。更年期のメンタルダウンは、漢方の養生法と漢方薬でどう改善する? 漢方薬剤師の樫出恒代さんに教えてもらいました。

災害のニュースに接して、不安でたまらなくなることも

 

今年は元日から大きな地震がおきた日本です。

 

「眠れなくて。。。」
「ニュースを見るだけで、動悸がして。。。」

 

実際に地震に遭遇していない方でも、不安でたまらなくなる。

 

ましてやそれを体験した方は身体にその感覚が残っていて、フラッシュバックし、涙が出て止まらない。

 

新潟で漢方カウンセリングをしていることもあり、そんな方からのご相談が年始から多くありました。

 

地震だけでなく、災害はいつどこで起こるからわからない。不安になって当然です。

 

樫出さん 不安イラスト

そして、春のはじまりになると寒暖差が激しくなり、氣温がジェットコースターのようで、自律神経が乱れてきて、身体もこころも不安定になりがちです。

 

更年期は女性ホルモンの急激な変化で身体だけでなく、心も不安定に

 

更年期になると女性ホルモンの急激な変化があります。
これは、女性の身体にとって大変なことが起きているわけで、身体はその変化を受け止めバランスをとろうとして、かなり無理をしている。
だから身体もこころも不安定になりやすく、今までと同じことをしていても疲れやすくなり、感情的になりやすくなるのです。

 

漢方的にみると

「氣」生命エネルギーが減りやすく〈氣虚〉
「血」栄養分である血も減りやすく〈血虚〉
「水」も減りやすく〈陰虚〉、乾燥しやすい

傾向があります

 

更年期って
それだけで疲れるわけです。

 

わかってほしい、本当に。

だから、無理しないでほしい。

 

特に身体よりこころは見えないからね。

疲れたこころを、ひとりでかかえないで。

 

 

更年期、心が弱った春におすすめの養生5つ

 

まずは、できる養生を。
これからの季節「春」におすすめの方法です。

 

①動くことを、意識して

 

準備が整ってから動くのではなく、動くから準備も整ってきます。
歩くことでもOKです。
自然の氣を取り入れて、氣を増やしてめぐらせるために。

 

②夜11時には寝よう

 

世界で一番ショートスリーパーの日本女性。
睡眠の質は身体とこころの栄養になり、氣血水を増やして巡らせる。
8時間の睡眠をめざして!

樫出さん 睡眠イラスト

③朝、余裕をもつこと

 

早朝〜朝は1日の春といわれる。
午前中、出勤前の1日のはじめや、月曜などの週のはじめにいやな症状が出る場合は、春に影響を受ける「肝」が弱っていることが多い。ストレスが関係しているかもしれません。

 

朝や週のはじめは、ゆったりと、余裕をもって過ごすことが大事です。

 

④氣を巡らせる香りを取り入れる

 

春にふさわしい香りの食材、セリ科の植物をとりいれる。
〈セリ・三つ葉・セロリ・人参・パセリ〉
紫蘇・ジャスミン・菊花などもよい。
氣をスムーズに巡らせてすっきり!

樫出さん 香り食材イラスト

⑤まず、自分を大切に。

 

春だけでなく、いつもですが、何より大切な自分を労ること。
イライラしやすい、熱がこもりやすい、ストレスを感じやすい春だからこそ。
ベクトルを自分にむけて、自愛を。

 

更年期、こころに有効な漢方薬 5つ

 

○半夏厚朴湯〈はんげこうぼくとう〉

体力中間タイプ。
何も物理的には存在しないのに、喉に何かがつまったり、つかえている感じがする。
不安・心配事・考えこむことが多い方に。

 

○加味帰脾湯〈かみきひとう〉

体力あまりないタイプ(血が足りないタイプ)。
寝つきが悪く、夢をみがち。疲れがとれず、やる氣もあまり出ない。
血を増やして巡らせることで、氣力もアップ元氣に!

 

○柴胡加竜骨牡蛎湯〈さいこかりゅうこつぼれいとう〉

体力はどちらかというとあるタイプ。
便秘がちで、お腹も固く、イライラしやすい。
寝つきが良くない、また中途覚醒もある場合も。悪夢をみがちでうなされることもある。
氣のつまりをとり、こころをすっきりさせる。

 

○四逆散〈しぎゃくさん〉

体力中間タイプ。
もやもや、うつうつ。特に朝の目覚めがもんもんするタイプに。
不眠・不安・腹痛がある方に。

 

○双参〈そうじん〉

【朝鮮人参+エゾウコギ】
深部体温を約0.5度アップするといわれ、エゾウコギが自律神経の乱れを整え、幸せホルモンを増やしてくれる。
冷え症、心配症、不眠、疲れにも。

 

更年期という時期は女性ならどなたでも訪れます。

でも、必ずそこをぬけられます。

 

そして、更年期障害は、かなり辛い症状が出る方とほとんどない方がいらっしゃいますが、少しは何かしらの症状があって当たり前と私は思います。

それくらい変化している時期ですから。

 

自分だけ、ではないですよ。

元氣そうに見える人でも、そう見せてるだけかもしれません。

 

更年期こそ、ご自分を大事に。

漢方薬も取り入れて、氣を満たし、巡らせて、ご機嫌でいきたいですね。

 

ご相談してくださいね。

 

 

注:漢方薬については
漢方専門の医師や漢方薬剤師
漢方アドバイザーなどにご相談・
カウンセリングの上お飲みください。

 

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