まばゆい輝きの老舗の金箔店ですごす幸せなひととき
「至善堂 堀金箔粉」
京都の町を東西に走る御池通。「京都市役所」の向かい側に位置する「至善堂 堀金箔粉」は、江戸時代中期正徳元年(1711)に創業した金箔や金粉などを扱う老舗です。
仏像、仏壇など寺院や神社に施される金の輝き。また二条城や御所など歴史的建造物に見られる襖絵や屏風など、まさに京都の文化には、豪華さと雅さをもたらす黄金のまばゆさは不可欠なもの。昔から京都には、全国の産地から良質な金が集まり、絢爛たる世界を作り上げていったのです。
近江今津から金箔職人の修業のため京に上った初代。幕府から金の配給を受け金座付箔師として金箔を製造しました。以来、京都の漆職人や絵師などから寄せられた信頼を基に、商いを続けた老舗です。
店内に入ると、キラキラとした光に包まれるような心地に。店の中央のガラスケースには、うず高く盛られた金箔が黄金の山を作っています。「うわ~すごい~豪華~」と思わず声が漏れてしまいます。
金箔は、小豆1粒を畳一枚分に延ばしたもので、その厚さは、1万分の1ミリという息で飛んでしまうような薄さです。
金箔は、食べても無害なことから、料理の飾りや化粧品にも配合され、幅広い用途に活用されているのです。
「こちらの金箔が使われ、キレイになれる品はありませんか?」と伺うと、「それなら…」とご紹介頂いたのが、「舞妓石鹸」(540円)。昔から舞妓さんの肌のお手入れに使われた米ぬかを含む天然植物性オイルをベースにした手づくり石鹸です。
これは、以前「京美人のヒミツ」に登場した100%天然由来の原料を使用する手づくり石鹸の「京都しゃぼんや」が、ひとつひとつ丁寧に製造したもの。そこに「至善堂 堀金箔粉」の金箔が雅さと贅沢感を加えています。千鳥の模様にキラキラの金箔が散りばめられた小さな石鹸。金粉があることで、特別感はいっそう。表面を飾る金箔は、使ってゆくと無くなりますが…成分には、米ぬかやシルクパウダーも入っているので、しっとり洗い上げる感覚は変わりません。
店には、ほかにもキラキラ輝く品々が豊富。なかでも特に心惹かれたのは、金色のポチ袋。これで頂いたら、白いポチ袋より、同じ金額が入っていても、絶対に嬉しくなりそう。ゴールドのラッピングペーパーも、これならプレゼントもよりゴージャスな雰囲気に。またネットのように金色のワイヤーを織り込んだのは、コースター。シャンペングラスが似合いそうな特別感が漂います。
「あら、ここにも金色の粒が…」カウンターに並ぶ、可愛い絵が付いた桐箱です。
中には小さな金平糖とキラキラ輝く粒が。それは金箔でコーティングした金平糖なのだそう。なんとも見ているだけで心が和む品。
店内をめぐり、黄金色に輝く品々を手にするごとに、「金の輝きは見ているだけで、女子力アップする気がすると~」という友人の言葉が思い出されます。金には、他のものとは異なり、あらゆる人を魅了するパワーがあるのです。
京都にいらしたら、ぜひここへ。金の輝きとパワーが、訪れる人をとても幸せな気分に誘います。
至善堂 堀金箔粉
京都市中京区御池通御幸町東入ル大文字町356
☎ 075‐231‐5357
営業時間:8:45~17:00 土・日曜・祝日休み
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
http://blog.goo.ne.jp/mimoron/