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その魅力に迫る! イイ男の肖像【大沢たかお】

先日アップした記事に続き、大沢たかおさんのインタビューです!!! 作品にかける熱い思いから、結婚観まで…? 「本1冊できるくらい、しゃべっちゃった」(大沢さん)と言うほどの濃密っぷりで、大沢さんの溢れんばかりの魅力に迫ります!

 

 

イイ男の肖像

 

大沢たかお Takao Osawa

 

 

映像の中でいつも、大沢たかおは真摯なまなざしを向けてくる。
明るさと暗さ、透明な繊細さと硬質な強さを併せ持つかのような、その魅力を知りたいと思った。

 

 

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パートナーになる人は大変じゃないかな。あっちこっち行ってしまうからね

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生きていることにちゃんと意味を感じたい。存在価値があったんだと

 

 

 

作品を通して何か伝えたい。
すべての役を完全燃焼して

 

 

さあっと風のようにスタジオに入ってきた。長身にアイボリーのパーカ、真っすぐな目で挨拶をする。アフリカでの長期ロケを終え、帰国したばかりだという大沢たかおに、疲れは見えなかった。

 

 

「僕は自分の深いところに触れてくるものがないと、(作品は)やれないところがあるんです。でもこの作品はずっと、映像化したいと思い続けていました」

 

 

’15年3月公開となる映画『風に立つライオン』。10年ほど前、さだまさしの同名の曲を耳にし、心が揺さぶられたという。ケニアで命と闘い続けた実在する日本人医師をモデルに、人が生きるとは何かを問う物語は、美しく壮大なアフリカの地を舞台に、切なく、けれど清々しいほどの感動をもたらす。

 

「航一郎(役名)は、生きることに懸命に向き合った人。結局のところ人は、なぜそこにいるのかということだと思うんですね。彼はケニアで生きたけれど、誰しもが自分の場所で、毎日悩みながらもこうありたい、と頑張っている。彼はそういった皆の思いのひとつの象徴のような気がするんです」

 

異郷の地でいくつもの感情を背負いながら、自身を鼓舞しつつ一途に生きる主人公の姿は、どこか等身大の大沢に重なり合う。デビュー以来、「すべての役を完全燃焼してきました」と言い、今、芝居の世界に欠かせない存在感を放つ俳優となった。

 

「よくストイックだと言われるけど、全然そうじゃなくて、お客さまに対して懸命にやるのが筋だと思うんです。今回も、三池(崇史)監督はとにかく粘ってカメラを回し続ける人だし、全員の思いが熱く、一丸となりました。毎日、往復5時間かけて土ぼこりの道をバスを連ねて通って。ものづくりへの情熱って、映像にそのまま映ると思います。だからこそ、日頃から自分がどういう人間であるのかも、勝負」

 

 

いつなん時も、物事を魂で受け止めようとする姿が伝わってくる。

 

「生きていることにちゃんと意味を感じたい」と、繰り返し言った。

 

 

「自分に存在価値があったんだなと思いたいんです。だとしたら今、俳優業をやっているんだから、作品、役柄を通して何かを伝えたい。あいつ頑張ってるなとか、悩んでいるのは自分だけじゃないんだとか、ほんの一瞬、一ミリでも思ってくれたら、自分のやったことに意味があるのかなって」

 

そんなふうに考える原点を「小さい頃からすごく孤独だったから」と、ぽつりと言った。

 

 

「なんで自分だけ皆とズレているんだろうって。世の中に対して違和感が強くて、一億人が右と言っても、左を向くような人間で、生きづらかったんです。ひどい挫折も経験してますよ。立ち上がれなかったくらいのこともあったし」

 

 

思いきり目尻にシワを寄せて、子どものように笑うときと、ふと声をくぐもらせて次の言葉を探す表情との落差が激しい。都会育ちのスマートさと無垢な野性が同居しているような人だ。かつて「深夜特急」というドラマで世界各地を旅し、何かと海外との仕事の縁が深い。オフの期間も、ほとんどをどこかの国で一人過ごすという。

 

「旅をする暮らしが、なんだか自分には馴染むんですよ。え、結婚? 一緒にずっと生きていきたいと思う人と出会えれば、それはしたいですよ。母親はもう何も言わなくなりました。もはや結婚という言葉は禁句に近い(笑)。でも、パートナーになる人は大変じゃないかな。何しろあっちこっち行ってしまうからね(笑)」

 

 

取材後。来たときと同じようにさあっと去って行った。きれいな風が瞬間、吹き過ぎていったかのように。

 

 

 

 

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大沢たかお Takao Osawa

 

profile

1987年にデビュー。代表作にドラマ「星の金貨」「JIN-仁-」、映画『解夏』ほか。現在NHK大河ドラマ「花燃ゆ」に出演中。さだまさし原曲・小説を映画化した『風に立つライオン』が3月14日、東宝系にて全国公開。共演に石原さとみ、真木よう子ほか

 

 

 

 

撮影/平間 至(平間写真館TOKYO)

ヘア&メイク/神川成二 スタイリスト/壽村太一(SIGNO)

取材・原文/水田静子

 

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