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今、知っておきたい骨のこと/「骨の健康基礎知識Q&A①」

細井孝之さん

細井孝之さん

健康院クリニック副院長、予防医療研究所所長。

専門分野は老年医学、抗加齢医学、骨粗しょう症などの骨代謝疾患。

東京都老人医療センター内分泌科部長、国立長寿医療研究センター臨床研究推進部長などを歴任。

近著『老化か? 病気か? それが問題だ。』(マガジンハウス)

「ロコモにならない宣言」

いつまでも美しい姿勢で、元気よく歩くために!

 

転ばぬ先の「美骨レッスン」

 

 

あなたは、自分の命が果てるそのときまで、元気でいる自信がありますか? 女性の平均寿命は今、86歳。でも健康寿命と呼ばれる「日常生活に制限のない期間」は、そこからマイナス13歳ともいわれています。

 

ロコモティブシンドローム(=運動器症候群)になると、要介護や寝たきりの生活に突入するスピードが加速。自分が思い描く人生を最後まで全うするためには、足腰の骨を衰えさせないように、OurAge世代からの生活を見直すことが重要です。

 

さあ、強くて美しい骨を手に入れるために、レッスン開始!

 

 

 

骨粗しょう症にならないための骨の健康基礎知識Q&A

 

 

今まで骨の健康について考えたことがありますか? 意外と知らない骨に関する基礎知識。

 

知られざる機能や役割をはじめ、骨の構造や骨質低下の原因など、骨粗しょう症にならないために知っておきたい疑問に、今回と次回の2回に分けて細井孝之先生が答えます。

 

 

 

 

 

Q1

骨にはどんな機能・役割があるのですか?

 

骨の働きで、真っ先に浮かぶのは、脳や内臓を保護して、体を支えていること。また、骨格を形成して、筋肉や腱などとともに、体を動かしていることは、私たちが実感できることです。でも、それだけではありません。骨の中にある骨髄は血球(赤血球、白血球、血小板)、つまり血液をつくっています。

 

また生命維持に重要なカルシウムの貯蓄庫でもあります。血液中のカルシウム量を一定に保つために、食事からの摂取で不足すると、骨からカルシウムを引き出して補給するのです。この働きが骨粗しょう症と大きく関係しています。

 

 

 

骨のおもな働き

臓器の保護 体を動かす 体を支える カルシウムの貯蓄 造血機能

 

骨は体を支えて、動かすことだけでなく、血液をつくったり、カルシウムを貯蓄する働きもあります

 

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Q2

骨は何歳になっても生まれ変わるのですか?

 

骨のベースは子どもから思春期の成長期までに完成し、骨量(骨密度)がピークを迎えるのは20歳頃。その後も、古い骨を破壊し、新しい骨をつくる、骨代謝という作業を繰り返しています。それを担うのが、破骨細胞と骨芽細胞です。

 

破骨細胞は骨の表面で古い骨を破壊し(専門的には骨吸収と呼ぶ)、その活動が一段落すると、骨芽細胞が骨の表面にコラーゲンを貼りつけ、そこにリン酸カルシウムの結晶を付着して、新しい骨をつくります。これを骨のリモデリング(再構築)と呼び、このバランスがくずれ、骨の破壊が進んでしまうのが骨粗しょう症です。

 

 

 

女性ホルモンが低下すると、骨破壊が進み骨がスカスカに。出典/「知って得する骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインQ&A」(細井孝之)

女性ホルモンが低下すると、骨破壊が進み骨がスカスカに。出典/「知って得する骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインQ&A」(細井孝之)

 

 

 

 

 

Q3

アワエイジ世代が気をつけることはありますか?

 

骨密度は20歳頃にピークを迎え、その後、男性は60歳くらいまで変わりませんが、女性は40代半ばで急激に減少します。それは女性ホルモンの減少と関係しています。女性ホルモンは骨の細胞に働きかけ、骨破壊を抑制し、骨形成を促す働きがあります。

 

また腸からのカルシウムの吸収を増やし、腎臓でのビタミンD活性化を助ける働きもあります。閉経後はこの女性ホルモンの恩恵が受けられなくなるため、骨の破壊が進んでしまいます。カルシウムをはじめ、タンパク質、ビタミンDを意識して摂取するなど、骨の健康に気を配る必要があります。

 

 

 

女性の骨量は40歳を過ぎた頃から急激に減少します。出典/「ロコモパンフレット2014年度版」より

女性の骨量は40歳を過ぎた頃から急激に減少します。出典/「ロコモパンフレット2014年度版」より

 

 

 

 

次回は、骨の強さや骨質、弱くなることで起こることなどについてのQ&Aです。

 

 

 

撮影/小山志麻(細井先生) イラスト/かくたりかこ 取材・原文/山村浩子

 

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