旦那への不満、みんな相当溜めこんでますね
OurAgeで連載を始めてから、なんと6年1カ月! その間にうっかり4冊も本を出しちゃったけど、今回でついについにの最終回ということで、連載の総まとめをしたいと思います。
OurAgeの読者って、40代、50代のミドルエイジの女性が中心よね。その多くが結婚していて子どももいて、たまにこじゃれたレストランで女子会ができるくらいの小銭はある。みんな、そこそこ幸せなんだと思います。
ただ、長年の不平とか不満が澱(おり)のように溜まっていて、気のめぐりが悪くなってるなぁというのを、連載しながら感じてました。
そして、その不満のいちばんの原因になっているのは夫! 「私だって働いているのに、自分はまったく家事をせずにだらだらしている」「自分のことしか考えてない」「気がきかない」「偉そう」…などなど文句だらけ。この世代の男って、だいたいそうよね。今どきの若い男子と違って、全部が妻任せのわりに偉そうなのよ。
私の知り合いは熱を出して仕事を休んで家で寝ていたらしいの。そうしたら会社から帰って来た旦那がこう言ったらしいです。「僕のご飯は心配しないで。ちゃんと食べてきたから」って。「ハァ!? 自分のご飯の心配だけ?? 私のご飯は!?」って絶望的な気持ちになったと言ってました。まったくだ。
旦那が会社に行っている時はまだ我慢できたけど、最近はリモートも増えて、家にいる時間が長くなっているし。さらに定年退職して、四六時中、家にいるようになったらそれはもうあなた…地獄でしょ?
私の友達は夫が大谷翔平選手のファンで、家にいる時は、夫は居間のテレビを占領して、かならずドジャースの試合を観るらしいのよ。家族みんなに大谷を賞賛してもらいたいらしいの。友達はうんざりして、寝室の小さなテレビで好きな番組を観てるらしい。大谷のことが嫌いになりそうだと言ってました(笑)。
本当のこと言うと、「そんなに嫌なら離婚しろ」と言うのが私の本音。私も離婚して、へんなストレスがなくなりました。だから老後はひとりで楽しく暮らせるように、勤めるなりバイトするなりして、「すぐにお金を貯めなさい!」、寂しくないように「友達を増やしなさい!」と言いたい。
でも、たいていの人はそんな勇気もお金もなくて、鬱陶しいと思いながらも旦那との暮らしを続けている。だとしたら、少しでも快適に生活が送れるように何か対策をたてたほうがいいと思うのよね。
記事が続きます夫婦でサッカー応援が健康寿命を延ばす助けに⁉
まず大事なのは、夫が外出する機会を増やすように趣味を持たせることですね。それもできるだけお金のかからない趣味がいいです。囲碁やハイキング(本格的な山登りはお金がかかる)なんかは留守にする時間も長いからベスト。
料理を習わせて食事を作ってもらうという手もあるけど、男って平気で100グラム1,500円の肉を買ってくるから(笑)。そんなのおいしいに決まってるだろ! しかも無駄に高い包丁を買ってきたりして。その上、片付けは妻がやらないといけなかったりするので、その点は気をつけてください。
あなた自身のストレス発散をうまくやることも大切ですね。人間って体の穴から何かを出すと副交感神経が優位になって、リラックスできるらしいのよ。だからスポーツで汗をかくとか、映画を観て涙をたくさん流すとか、カラオケで大声を出すとか。おいしいものを食べて唾液を出すのも効果的だし、うんちもおしっこもしっかり出すように。
そうだ、サッカーの応援なんか、いいんじゃない? 応援で大きな声を出して、汗もかいてストレス発散になるし、終わったあとにはみんなでゴミ掃除もするから、夫婦で応援に行けば、旦那に掃除の習慣を身につけさせることができるかも?(笑)。
でも、無理して旦那の趣味につきあう必要はないです。残り少ない人生、自分の好きなことを優先させて、お互い、自由にやるのが一番うまく行くと思うのよ。ホストは大怪我をする危険もあるからやめて、まずは楽しく「推し」探しなんかして、ほどほどの「推し活」なんかどうでしょう。
仲間もできるし、定年退職した女友達がやってるけどなんだか楽しそうよ。
私もダイエットさえなければ、「日本全国ラーメン食べ歩き」とか「全国ホテル ビュッフェの旅」とか、月1で食い倒れツアーがやりたいですうぅ〜!!
そして快適な老後に何より大事なのは、やっぱり健康! 特に足腰ですね。健康寿命という言葉があるように、年をとってもちゃんと自分の力で歩けるように腸腰筋をしっかり鍛えてください。私も1日6,000歩をノルマにして歩いてますのよ。
とはいえ、年をとると嫌でもその内誰かの世話になる羽目になるから、自主防衛のためにも人に嫌われるのはマズイ。ケチってはいけないのは「笑顔」と「ありがとう」と「ごめんなさい」ですよ。
歳とって、思うように体が動かなくなると、ついイライラして人に当たってしまうけど、いつも感謝の気持ちを忘れずにね。
連載の最初のほうでも言ったけど、好奇心と気合いで「青春は飴のように延びる!!」というのは本当です。ぜひ頑張ってみてください。
それでみなさん、長い間、ご愛読ありがとうございました! またどこかでお会いしましょう!!

コーラス2003年3月号表紙
取材・文/佐藤裕美
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