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MyAge/OurAgeの雑誌・書籍

蝶々、ママになる。

「蝶々、ママになる。」

本体1400円+税

集英社

“小悪魔ブーム”を巻き起こした
エッセイスト・蝶々の妊娠・出産日記

 

 

小悪魔ブームを巻き起こし、一躍、女子のカリスマになった作家・エッセイストの蝶々が41歳で、ついにママに!! 

突然の妊娠から、ミラクル&怒涛の出産までの日記を初公開!!

刻々と心も身体も変化していく日々を書き下ろします。

愛すること。見直すこと。待つこと。夢みること。対話すること…etc.  ママになっていく日々の中で気づいた、本当に大切なこととは!? 

愛されかた、ひらきかた、ひかりかた…など女性が明るく自分らしく生きていけるようにメッセージを送り続けてきた著者が、ママになった今、新たな地平からメッセージを届けます。

写真家・川島小鳥氏が撮影した母子の最新ショット、妊娠中のプライベート写真も!さらに、蝶々さんが描いた、かわいいパラパラ漫画も楽しめます♪

 

[Contents] 

愛する。

第一章/ 予感する。揺れる。

第二章/ つわる。よろこぶ。

第三章/ 対話する。夢みる。

第四章/ 見直す。捨てる。

第五章/ 待つ。楽しむ。

第六章/ 満ちる。産む。

 

 

 

集英社の読書情報誌『青春と読書 2016年2月号』より、蝶々さんの、この本に対する思いを書いたエッセイを紹介いたします。

 

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蝶々、ママになる        文・蝶々

 

 表題の通り、私は2014年の冬に41歳で妊娠し、その晩秋に出産しました。無事この世にやってきてくれた赤ちゃんは、2740gの元気いっぱいの女の子!

 男と女が出会い、結ばれて、新しい命が誕生すること、そして家族の絆や想いや時代がつながれていくことは・・・・・・考えてみれば、あまりにも普遍的な、私たちの生命の根源的な営み。どんな時代であっても、世界中のどこでもいつも起きている、ごく当たり前のことなんですよね。でも、現代は、当たり前のことが見えづらい世の中になっているから・・・・・・独身の男女が増えていたり、不妊や妊活という言葉も流行っているのかもしれません。

 かくいう私自身も、そんな生命の営みからは、大幅に外れていた一人! 銀座ホステス兼銀座OL時代に、29歳で〈小悪魔作家〉としてデビューし、41歳で妊娠する直前までずっと・・・・・・結婚もせず、出産もせず、当然子育てもせず、モノカキや講演会などの活動をしながら、プライベートは自由気ままに世界中を旅して回っていました。

 今月はイタリア、来月はタイ、それからギリシャやキプロスなど地中海めぐり・・・・・・とまさにペンネームの蝶々のようにヒラヒラと。親や彼氏はいろいろ言いましたが、本人的には何の不自由も感じていないのが困ったところ。ただひたすら、恋やオシャレや世界中の自然や芸術や文化を楽しみながら、日々を満喫しておりました。

 しかし人生は面白い。

 そんな私に、ある日、ポン! と、赤ちゃんがやってきたのです。―――というのは正直な表現ではなく、今回出版した『蝶々、ママになる。』の妊娠日記にもあるように、彼女がやってくることは、じつは3年前からわかっていました。

  なぜか? 私以上に、娘もかなり変わった存在らしく、妊娠する前からいろんな形で私にテレパシーやメッセージを送ってきて、(体を温めてね)(伊勢で降りるからね)(この男性にはあまり深入りしないでね)などなど、母体に指示をしていたのです!

 信じられないかもしれませんが、ママのお腹に入る前や、お腹の中での胎内記憶を語る幼児たちが、近年世界中で増えており、多くの本が出版されていることもまた事実。  少なくとも私も経験し、40歳をすぎて通院や妊活もなしで、まさに赤ちゃんのリクエスト通りのタイミングや場所で、生まれてはじめて自然妊娠したのです(いわゆる“妊活”らしきことといえば、体を冷やさないように気をつけていたこと、あとは、彼と真剣に向き合い、熱烈に恋愛していたことでしょうか)。

 出産に関しても、リスクが高いといわれる高齢出産でしたが、彼女のリクエストもあって、自然分娩を選択。妊娠中母体をしっかり動かし鍛えていたおかげか、予定日より少し早めに陣痛が起こり、破水から約3時間、無事出産できました。

 女医さんや助産師さんがつきっきりで診てくださるとはいえ、陣痛促進剤はもちろん麻酔もなし、会陰切開もなし。まるで旅館の一室のような畳の上で、おばあちゃんたちの時代のように産んだんですよね。  もちろん、〈女が母になる〉ことは簡単ではなく、胎児が産道を一歩一歩すすむたび、命ごと揺さぶられるような壮絶な痛みはもちろんのこと、精も根もいよいよ尽き果てる直前? と思うくらいまで心身ともに追い込まれる過程があるのですが・・・・・・。

 すべてのお母さんたちが言う通り、オギャアオギャアと全身を震わせて泣いている生まれたての赤ちゃんを胸に抱いた瞬間に、それまでの壮絶な苦しみや痛みは本当にパッと消えてなくなる。嘘みたいになくなっちゃう。その代わりに、全身が幸せと喜びと感謝だけになるのです!

 こうして、わたし蝶々も、遅ればせながら41歳でママになりました。慣れ親しんだ自分の女体の中に、ある日突然別の生命体が宿る。そして、祈るようにその子をお腹の中で育みながら、私自身が女から母体になっていく・・・・・・あの、めくるめく不思議な変化!

 さらには、無事この世にやってきた赤ちゃんと家族との、当たり前の生活や愛情を重ねていくような日々の中で、(ああ、人はこうして命や想いを、愛でつないできたんだなぁ。今までも、これからも、そして私も!)と、世界や街ゆく人々ごと一新して見え、毎日、目が覚めるような想いなのです。

 心ときめく恋愛や友情や趣味やお仕事も、もちろん、人が生きていくために欠かせない大切で素敵なもの。でも、妊娠・出産は、男と女の愛の結実、命の根源・根幹に関わることだからこそ・・・・・・別次元の深いふかい幸せを全身全霊で体感できる気がします。それこそ、今生きている自分を通して、万物の営みや、すべての過去や未来につながるような・・・・・・。彼と赤ちゃんのおかげで、私もママになることができ、心から良かった。

 気分一新、ママ一年生。実母やほかの先輩ママさんたちに学びながら、私も子育て・ときどき作家業、がんばっていきたいと思います♡  

 

 

【著者プロフィール】

蝶々 Cho-Cho

作家・エッセイスト

1月16日生 山羊座

2002年『銀座小悪魔日記』でデビュー。その後出版された『小悪魔な女になる方法』が50万部を越える大ベストセラーになり、若い女性達のカリスマ的存在となる。「小悪魔ブームの火付け役」といわれ、エッセイ

や小説など著書多数。執筆だけにとどまらず、イベント開催、企業とのコラボレーション商品開発など、多岐に活躍中。

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