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発酵研究家で料理家の真藤舞衣子さんが使う発酵食品「ワインビネガー、しょっつる、本みりん」で作る絶品レシピ!

しっかりとした発酵によって生み出された旨味と健康パワーが詰まった、発酵調味料。おいしくてヘルシーなレシピで人気の料理研究家は、どんな発酵調味料を愛用しているのでしょうか。今回は、発酵食を通して、環境や暮らし方の提案を行う真藤舞衣子さんの登場です。じっくり熟成させたワインビネガー、しょっつる、本みりんをご紹介します!

真藤舞衣子
真藤舞衣子さん
発酵研究家・料理家
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会社勤務を経て1年間京都の禅寺で生活、パリのリッツ・エスコフィエでディプロマ取得。おもに発酵料理を得意とし、和洋中、スイーツ、パンなど幅広いレシピで人気。著書に『和えもの』(主婦と生活社)、『からだが整う発酵おつまみ 免疫力が上がる、おいしくなる』(エムディエヌコーポレーション)、『発酵美人になりませう。』(宝島社)など。

 

発酵食品に囲まれた暮らしが元気の源

発酵研究家で料理家の真藤舞衣子さん。味噌、しょうゆ、塩麹、酒粕など、発酵調味料の持つ独特のおいしさを生かした、手早く作れて、さりげなくおしゃれなレシピが大人気です。また、ポリ袋で簡単に仕込める味噌や1kg単位で仕込む味噌など、伝統的な発酵食を現代の生活にマッチしたスタイルにした方法を数多く紹介するなど、発酵の魅力の普及に努めています。また、パリでも味噌づくり教室を開くなど、発酵を広める活動は大きく広がっています。

 

そんな「発酵」をこよなく愛する真藤さんは、物心がついた頃から、発酵食に囲まれた暮らしを送ってきたと言います。

 

「味噌や納豆、ぬか漬けなど、日々の食卓には、祖母や母のつくる発酵食が当たり前のように並んでいました。こうした発酵食を毎日とる生活は、今も続いています。そのおかげか腸の調子もよいですし、日々、健康だなということを実感しています。70代になる母の肌もツヤツヤです。なかでも、基本の調味料である、酢、しょうゆ、味噌は日々の暮らしの中で身近なもの。ごく自然に発酵の力を体に取り入れられる、ありがたい存在です」

 

今回は、山梨県の白ワインビネガー、秋田県のしょっつる、岐阜県の本みりんを紹介していただきました。どれも、3年以上じっくりと熟成させたもの。年月が生み出す深い味わいをぜひ堪能したいですね。

 

 

ぶどうの旨味を感じる、5年熟成のまろやか白ワインビネガー

まず紹介いただいたのは、山梨県の「アサヤ食品」が製造・販売する「熟成ワインビネガー 白」です。

 

「果実感のあるワインビネガーです。マイルドな酸味とぶどう本来のしっかりとした味わいが感じられます。いろいろな料理に使いやすいです」と真藤さん。

 

ぶどう生産量日本一を誇る山梨県。その背景には、昼と夜の寒暖の差が激しく、扇状地で水はけがよいという、ぶどうの栽培に非常に適した恵まれた環境があります。加えて、高い栽培技術もぶどうの高品質を支えています。また、品種の多様性も日本一といわれています。

 

そんな中、アサヤ食品が原料に使うのは、規格外となってしまったぶどう。色や形が基準に満たず市場には出回らないだけで、味はおいしくとても甘いぶどうばかりです。シャインマスカット、巨峰、クイーンニーナなど、生食で人気の品種もふんだんに使用しています。このサステナブルな製法を、60年以上前から続けています。

 

原料ぶどうでまずワイン(もろみ)を造り、それを酢酸発酵させてワインビネガーにします。さらに、海外でも他に類を見ない長期熟成をさせることによって、穏やかな酸味とまろやかな味わいが生まれます。この全工程を自社で行い、添加物は一切使用していません。

高品質のぶどうを多品種、贅沢に使って丁寧に醸造することにより、味や香りにまろやかな深みと奥行きが生まれた名品です。

熟成ワインビネガー  白
アサヤ食品

 

「熟成ワインビネガー  白」の、フルーティな味わいを生かしたサラダを紹介していただきました。

玉ねぎのみじん切りと粗く刻んだピスタチオ、ワインビネガー、オリーブオイル、レモン、こしょうをよくあえるだけ!

 

【レシピ】
いんげんとピスタチオのサラダ

材料(作りやすい分量)
いんげん 20本
玉ねぎ 1/4個
ピスタチオ  約15粒
白ワインビネガー 10ml
レモン汁 1/2個分
オリーブオイル 適量
こしょう 適量

 

作り方
① いんげんはゆでて、食べやすい長さに切る。
② 玉ねぎはみじん切り、ピスタチオは粗く刻む。
③ ①と②をボウルに入れて混ぜ合わせ、白ワインビネガー、レモン汁、オリーブオイル、こしょうを加えてあえる。

 

 

ハタハタ100%を長期熟成させた、上品な香りの魚醤

次に紹介していただいたのは、「諸井醸造」の「秋田しょっつる ハタハタ100%」。
しょっつるは秋田県の県魚ハタハタからつくられる魚醤。石川県のいしるや、香川県のいかなご醤油と並ぶ、日本三大魚醤のひとつです。秋田県では、しょっつるを鍋に使用した郷土料理、しょっつる鍋が有名です。

諸井酒造の「秋田しょっつる」は、代替原料は一切使用せず、ハタハタと天日塩のみで発酵させ、3年かけて熟成させたもの。イワシやコウナゴを使ったしょっつるは、旨味が出る反面、魚醤特有の生臭みが残りますが、ハタハタ100%のしょっつるは深みのあるコクと味を持ちつつ、香りが穏やか。こだわりの製法と長期熟成から醸し出された極上の旨味が味わえます。

 

「私は、ナンプラーやニョクマムと同じようにいろいろな料理に使っています。旨味とコクがあるので、料理に深みが出ます。魚醤特有のクセがマイルドで、上品な味わいが好きです。いろいろな料理に使いやすいです」と真藤さん。

 

塩の代わりにサラダにかけたり、スープやパスタなどに使うのもおすすめです。


秋田しょっつるハタハタ100%
諸井醸造

 

れんこんをさっと炒めたらしょっつるを加えます。ガラムマサラのエスニックな香りと相まって、シンプルな野菜の炒め物がぐっとオリジナルな味わいに。一度食べたらやみつきになりそう!

 

【レシピ】
れんこんのスパイス炒め

材料(作りやすい分量)
れんこん 約15cm
しょっつる 小さじ2
酒 大さじ1
ガラムマサラ 小さじ1
米油 大さじ1  1/2

 

作り方
①  れんこんは皮をむいて食べやすい大きさに切る。酢水(材料外・適量)にさらして、水気をきる。
②  熱したフライパンに米油を入れて①を加え、炒める。れんこんに火が通ったらしょっつる、酒、ガラムマサラを加えて、さっと炒める。

 

 

旨味あふれる、琥珀色が美しい本みりん

3品目は、「白扇酒造」の「福来純『伝統製法』熟成本みりん」。

国産のもち米、米麹、米焼酎の3つの原料のみで造られた本みりん。現在、みりんといえば料理に用いる調味料ですが、江戸時代には飲んでいたといわれています。

 

「福来純『伝統製法』熟成本みりん」は、伝統的な製法で60〜90日かけて仕込み、熟成におよそ3年をかけた琥珀色の、風味豊かなみりん。深みのある甘味と複雑な旨味が味わえます。化学調味料、食品添加物は一切使用していません。

福来純「伝統製法」熟成本みりん
白扇酒造

 

「しつこくない、上品な甘さが素材のおいしさをいっそう引き立ててくれます。優しい甘味を生かしてデザートにも。さまざまな季節の野菜を漬け込んだ、イタリア生まれのデザート、マチェドニアをご紹介します。長期熟成によって醸し出されたみりんの、豊かな風味と甘味があるので、砂糖不使用でおいしく仕上がります。アルコールが大丈夫な方は、みりんを煮切らずに注いでもOK」

 

果物を切って漬けるだけで、絶品デザートの完成です。

 

【レシピ】
本みりんのマチェドニア

材料(作りやすい分量)
本みりん 400ml
好みの果物(キウイ、オレンジ、いちじくなど)適量

 

作り方
① 小鍋にみりんを入れ、中火で5分ほど煮立たせて300mlになるまで煮詰め、冷ます。
② 食べやすい大きさにカットした果物を清潔な瓶の口ギリギリまで入れ、①を注ぎ、冷蔵庫で1時間程度冷やす。

 

「果物は旬のもの、好みのものを使用して。りんごや洋なし、ベリー類でもおいしくできます」

ぜひお試しを。

 

撮影/真藤舞衣子 取材・文/瀬戸由美子

 

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