この日は、東京メトロ銀座線「京橋」駅から徒歩1分のところにあるパラマウントベッド 眠りギャラリー TOKYOへ。
帰り際の夕暮れ時に撮影した外観です。パラマウントベッドと言うと、病院に導入されている介護用ベッドが思い浮かびますが、インテリア雑誌に出てくるようなおしゃれな雰囲気。
店内に入ると、壁面には羽毛掛けふとんやベッドリネン、枕などがズラリ。相談にのってもらいながら、自分に合う寝具を購入することが出来るんです。
自由に閲覧できる「眠り」に関する書籍やCDなども。こちらでは睡眠をテーマにしたイベントやセミナーを定期的に開催しています。そんな情報発信の場でもあることから、店名に「眠りギャラリー」という名が付いていたのです。
寝ても疲れが取れない。その原因は睡眠時無呼吸症候群かも!?
この日の目的は、メディアを対象に開催されたセミナーに参加すること。テーマは「睡眠時無呼吸症と寝姿勢」です。
講師は、太田総合病院記念研究所 太田睡眠科学センター 所長の千葉伸太郎先生。
「1956年に発刊されたイギリスの小説『ピックウィック・クラブ』に、小太りでよく居眠りをする少年が登場しています。この小説にちなみ、当時はこの少年と同じような症状を『ピックウィック症候群』と呼んでました」
睡眠時無呼吸症候群という名が付き、疾患として定義されたのはそれから20年後の1976年のこと、と千葉先生。
OurAgeでも以前に連載で紹介しているこの病気は、心筋梗塞や狭心症、脳血管系疾患などのリスクを高めてしまうことがわかっています。さらに重症だと、命の危険まで!
「睡眠時無呼吸症の重症度はAHI(Apnes Hypopne Indez=無呼吸低呼吸指数)で分類されます」
1時間のうち、10秒以上続く無呼吸や低呼吸が何回あるかを計測。5〜14回は軽症、15回〜29回は中等症、30回以上は重症という分類に。説明を伺いながら、例として超重症者の方の睡眠時のビデオを見せてもらいました。
AHIは何と90回越え! 大きないびきをかいたと思ったら、ピタッと止まる。10秒以上経った後に一生懸命息を吸い込み、また大いびき。見ているだけでも息苦しくなってきます。疲れを取るはずの睡眠なのに、これではかえって疲れそうだし、日中のパフォーマンスが下がるのも当然かも。
実は私たち日本人は、睡眠時無呼吸症候群になってしまうリスクが高いとご存知でしたか? それは何故かというと…次のページへ!
「睡眠時無呼吸症候群の大きな原因は体重の増加。肥満とまでいかなくとも、20歳以降の体重増加は舌の付け根部分の脂肪量も増やしてしまいます。そのため、仰向けで寝た時に太った舌が落ち込んで気道を塞ぎ、呼吸がしにくい状態になるのです」
舌は体重増加だけでなく、加齢でも太ってきます。また、小顔であごが小さい人、そして日本人特有の平面的なフラットフェイスも、気道がもともと短いので呼吸障害のリスクが高いとか。
治療をする必要がある中等症以上の睡眠時無呼吸症候群は、勤労世代の日本人男性で20%以上というデータがあるのだそう。しかし、それ以上に驚くのは「治療が必要ないとされる軽症の方が38%近くもいること」と千葉先生。
では私たちOurAge世代の女性は? 舌が太る要素をいっぱい抱えているんですよね…(涙)
「軽症なら、医学的な治療は必要ありません。横向きで眠るようにするだけで、舌が気道を圧迫することが少なくなるので改善される人もいます」
また、ベッドの背の角度を上げることでも無呼吸を減らすことが期待できるんだとか。
「60度ほど上げるといびきや睡眠時無呼吸症は治まるという研究結果がありますが、そこまで高いと寝返りも打てず、腰にも負担がかかります。30度程度でも、横向きで寝るのと同じくらい改善されるというデータがあります」
パラマウントベッドでは、仰向けでも横向きの姿勢でもフィットする枕『スマートフィット ピロー』(税別¥16,000)を開発しています。寝返りを妨げない幅広80cmで、またフラットな形状のため頭を滑らせるように転がせます。
自宅の寝室にもマッチする電動ベッド「INTIME1000」シリーズ(本体価格¥145,000〜〈非課税〉)も。
電動ベッドを家に備えることも、視野に入れる時代になったのですね。リモコンで簡単に背や脚の角度を無段階で調整出来ます。
睡眠は、健康にも生活の質にも大きく関わっているもの。自分は呼吸を止めずに気持ちよく眠れているのか、疲れをちゃんと癒せているのか、出来ることから見直してみませんか?