今年の7月で、開業3年となる星のや東京。地下2階、地上17階の現代的な建物の日本旅館では、日本の伝統文化に触れるさまざまな体験ができます。
今、話題となっているのは、4月からスタートした「江戸美人滞在」。東京の伝統文化を知りたい外国人や、40代以上の女性たちから好評を得ています。1泊2日の滞在を通して、江戸の女性たちが実践した美容法や教養を体感する、稀有な体験ができるのです。
江戸時代になると日本は平和になり、江戸では人形浄瑠璃や歌舞伎など、独自の文化や娯楽が生まれました。庶民の暮らしも豊かになり、女性たちは新しい髪形や化粧などを楽しむように。さらに、外見だけでなく、三味線や生け花などのお稽古に励んで、内面の美しさにも磨きをかけたといわれています。
「江戸美人滞在」では、江戸の女性たちがたしなんだ4つのお稽古に挑戦!
まずは「季節の室礼」。江戸幕府が定めたという五節句(人日<1月7日>、上巳<3月3日>、端午<5月5日>、七夕<7月7日>、重陽<9月9日>)は、節目ごとの厄払いも意味していたそう。季節ごとの草花を使った設えを教わり、完成したものは部屋(今回は「菊」)に飾られます。稽古で使った草花や道具は持ち帰り可能なので、今後、日常生活でも五節句を感じ、清々しい空間や季節を味わう時間を大切にしたいという思いが目覚めます。
2つめのお稽古は、千代紙で贈り物を包む「折形」。紙幣やメッセージカードの包み方が書かれた指南書を見ながら、好きな時間に部屋で楽しみます。
夕方には温泉へ。最上階にある露天風呂では東京の風を感じられ、小旅行に出かけたような気分に。オレンジ色をした中性の含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉で、体が芯から温まります。
このプランには夕食は含まれていないので、レストランで、浜田統之料理長が手掛ける「Nipponキュイジーヌ」(¥18,000 税・サ別)を堪能するのがおすすめですが、
客室でくつろぎながら、3段のお重が風呂敷に包まれ届けられる「星のや東京御膳」(¥10,000 税・サ別)を楽しむのもいいでしょう。
就寝前には、江戸の女性たちが愛用した米糠のオイルと、日本一の生産量を誇る東京都・利島産の高品質な椿油を使ったトリートメントを体験。顔と体、全身をマッサージされると、肌はうるおい透明感もアップします。
さらに、髪の毛先に椿油を塗布し本つげ櫛で梳かせば、しっとりつやつやに!
翌朝は、3つ目のお稽古である「茶の湯」から。武者小路千家流をたしなむスタッフから、お茶やお菓子を振舞われます。もてなす側と客人双方の立場を体験できるので、“主客対等”という日本独自のおもてなしの精神を実践することができます。
朝食は、立川うどや練馬茗荷たけなど旬の江戸野菜と、江戸時代から親しまれる魚介を使った「江戸美人御膳」。ヘルシーかつ美しい朝食で、しっかりエナジーチャージできます。
最後のお稽古は「三味線」。江戸時代、人形浄瑠璃や歌舞伎にも使われる伴奏楽器のお稽古は人気でしたが、中でも三味線は、手先の所作が優雅なので女性のたしなみとされていたそう。筝曲流派・山田流の師範による、直伝のお稽古(2時間)で、『さくらさくら』を弾けるようになることを目指します。
東京で生まれ育っても、なかなかな触れる機会のない江戸文化。その粋で華やかな世界に魅せられ、興味が広がっていくはず。日常生活に新たな風が吹き込まれ、江戸美人が実践した美容法もデイリーに活かせます。まさに、OurAge世代の心を満たす、有意義で奥の深い東京滞在です!
DATA
東京都千代田区大手町一丁目9番1
℡0570-073-066(星のや総合予約)
「江戸美人滞在」1名¥98,000 2名¥148,000(三味線、茶の湯、室礼作り、折形のお稽古体験、スパトリートメント、特別朝食込み 税・サ・宿泊料・夕食別) 1泊1室¥83,000~(税・サ・食事別)