緊急事態宣言以降、いつもと違う生活によるストレスや、運動不足、食生活の乱れなどから「コロナ太り」を実感した人も多いのでは?
株式会社サーティフィットが300名の女性に行った調査によると、「新型コロナをきっかけに在宅時間が増えたと思いますが、体重の変化はありましたか?」という質問に対して、約40%もの人が「太った」と回答。
また、「何㎏増えましたか?」という問いでは、平均で2.6㎏も増加している結果に…。コロナ太り、恐るべし!
これから薄着の季節になるのに…と気持ちは焦るばかり。「それなら糖質制限ダイエットをしてみよう!」と考える人も多いかもしれませんが、ちょっと待って!
岡山大学大学院 環境生命科学研究科の森田英利教授の監修のもと、「糖質制限が腸内フローラ(腸内細菌)に与える影響に関する検証試験」を実施したところ、「糖質制限ダイエット」の意外な影響が明らかに。
【1】糖質制限をしている人は
腸内フローラの状態が悪い!?
実験によると、糖質制限をした人は一般の人と比べて
「腸内フローラの状態が良いA評価の人の割合が1/3以下」
「腸内フローラの状態が悪いD・E評価の人の割合が2倍以上」
と、全体に腸内フローラの状態が悪いことがわかったのです。
【2】糖質制限をしている人は
太りやすさを示す「FB比」が平均で倍以上に!
さらに、太りやすさを示す「FB比」(数字が大きいほど太りやすい状態にあることを示す)を見てみると…
糖質制限をした人は、一般の人に比べて「FB比が平均で倍以上」と、とても太りやすい状態に!
ダイエットのためにと糖質制限をすることで、腸内フローラが悪化してむしろ太りやすくなってしまうなんて!!
ではなぜこうなってしまったのか? その理由を、実験を監修した森田英利教授に教えていただきました。
腸内フローラ次第で太りやすさが変わる!
「糖質制限をすると、炭水化物を食べないことで結果的に食物繊維の摂取量が減ってしまい、善玉菌のエサが不足しがちになると考えられます」(森田英利教授)。
糖質制限をして腸内フローラの状態が悪くなったのは、エサ不足で善玉菌が劣勢になったということのよう。
また、腸内フローラはリバウンドのメカニズムにも関係あるのだとか。
「腸内細菌の中には、脂肪吸収や燃焼を促す物質を作り出す、いわゆる“ヤセ菌”がいますが、一度太って腸内フローラが肥満型になると、“ヤセ菌”のもつ遺伝子がオフになってしまいます。
さらに、腸内フローラが太っていた時の状態を記憶して、常に太りやすい状態になってしまうのです」(森田英利教授)
ヤセ菌がうまく働かないばかりか、「太りやすい体」になってしまうとは…。
糖質制限ダイエットをする場合は、野菜、果物、キノコ、豆類など食物繊維が多い食品を意識して取り入れて、腸内フローラを整えることをお忘れなく!
◆資料提供/「大腸劣化」対策委員会
構成・文/倉澤真由美