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「空気感染」を想定した行動が第6波を抑える鍵/根来秀行教授が解説する「コロナの最新②」

根来秀行

根来秀行

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

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新型コロナ第5波の背景には、空気感染の広がりがあったと指摘するハーバード大学&ソルボンヌ大学客員教授・根来秀行さん。第6波に備えてどのような対策をとればいいの!? ぐうたらライター・いしまるこがインタビューします。
(記事の内容は2021年11月29日時点の情報に基づきます)

 

第6波を抑える鍵は、空気感染を想定した行動です

根来 最初に空気感染についておさらいしましょうね。

くしゃみをするいしまるこイラスト

●空気感染の広がり方

空気感染はエアロゾルに含まれるウイルスによって発生。気流に乗って他の部屋にも侵入します。ニュージーランドでは帰国した人が隔離生活を送る建物の空調が上と下の階でつながっていたため、上下の部屋で感染が起きました

●エアロゾル

会話や呼吸などすべての呼気活動で発生。空気の流れに乗り何時間も浮遊

●飛沫

咳やくしゃみで発生。重いので気流に乗れず、5秒未満で落下

 

 

いし 飛沫感染と接触感染が主な感染ルートとされてきたこともあって、空気感染対策はこれまで手薄でしたよね。空気感染を自衛するには、何を心がけたらいい?

 

根来 まず換気を徹底することがとても大事。冬にかけて気温が下がってくると、つい部屋を締めきってしまいがちですが、換気が不十分な閉鎖空間では、口や鼻から出たエアロゾルの濃度が高くなりやすい。15分以上滞在すると感染リスクが高まるので要注意です。

 

いし 電車に乗って窓が閉まっていたら、即、開けています!

 

根来 いいですね。それだけでもかなり違いますよ。人が集まる空間では、換気扇などを使って常時換気する、暖房器具を窓の近くに置くなどして室温が下がりすぎない範囲でつねに窓を少しだけ開けておくなど、ともかく空気を滞留させないことを心がけることですね。

 

5〜10㎝でいいので対面の窓を1カ所ずつ開けて、空気の通り道を作るのが望ましいです。窓が1カ所にしかない場合や奥まっている場所には、空気清浄機を置くのも有用でしょう。

 

換気を徹底することがとても大事イラスト

 

いし 冬は乾燥も気になります。のど粘膜が乾燥して、ウイルスがくっつきやすくなるでしょ?

 

根来 そうなんです。加えてエアロゾルの粒子自体も乾燥して小さくなるため、空中を漂う範囲が広くなるんですよ。加湿器を使うなどして、湿度40%以上を目安にしっかり加湿を行ってください。

 

 

ワクチンを完了してもマスクはマスト?

いし マスクは? 目の粗いウレタン製や布製ではなく不織布が推奨されていますが、飛沫より小さいエアロゾルも防げるの?

 

根来 不織布は目が細かいだけでなく、静電気を帯びやすく、ウイルスを吸着してブロックするメリットがあります。隙間なくぴたっと装着していれば、通常の呼吸なら、エアロゾルにも一定の効果が期待できます。肌の弱い人は、布マスクの上から不織布マスクを二枚重ねするといいでしょう。

 

いし 2度のワクチン接種が完了したら、マスクは不要とする国もありますけど。

 

根来 マスクは必要ですね。私もワクチン接種はしていますが、いつも気をつけています。イスラエルや英米仏などワクチン先進国では、経済活動を優先して、ワクチン接種者の行動制限を大幅に緩和した結果、感染者が再び急増。ワクチン接種を完了した人にも「ブレークスルー(突破)感染」が増えているんです。

 

いし でも、ワクチンで抗体ができたからって安心する人は多いですよ。

 

根来 気持ちはわかりますが油断は禁物です。ワクチンを2度接種しても、病原体を防御してくれる抗体は2カ月〜半年で減っていくという報告があります。

 

いし けっこうすぐに抗体が減っちゃうんですね…。

 

根来 一定の役割を果たした抗体が減っていくのは自然なことですよ。同じ抗体が大勢で居座っていたら、他の外敵が来たときに体を守れませんから。

 

ただし、ワクチンによって自然免疫が活性化されることも分かっているので、抗体低下に比例して防御力が低下するわけではありません。

 

いし なるほど、そうなんですね。

 

根来 長引くコロナでつい気が緩みがちですが、この冬には第6波も予想されます。空気感染に想像を働かせて行動し、これまで行ってきた対策を、今まで以上に徹底してほしいですね。

 

いし 次回は空気感染について、さらに詳しく伺っていきます。お楽しみに!

 

みなさん今日も素敵な一日を!

 

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根来秀行教授 ハーバード大学医学部客員教授

根来秀行教授
Hideyuki Negoro

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。この連載から生まれた『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスン』、『ハーバード&パリ大学 根来教授の特別授業 「毛細血管」は増やすが勝ち!』(いずれも集英社)が好評発売中。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、世界の最先端で臨床・研究・医学教育にあたる。

 

いしまるこ(いし)

冷房も暖房も苦手なぐうたらライター。換気だけはマメに行い、風通しよく過ごしています!

 

 

撮影/角守裕二 イラスト/浅生ハルミン 取材・原文/石丸久美子

 

 

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