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40代から考える認知症予防! 腸を整えれば脳寿命が延びる⁉

「新しい生活様式」を明るく前向きに送るための、読んでトクする連載。今回は、40代から始める認知症対策についてです!

「あれ」「それ」が増えてきたり、人の名前がとっさに出てこなかったり……。そんなドキッとすることがあっても、どこかで認知症は自分にはまだ関係ないと思いがちですよね。でも実は、40~50代こそ注意が必要なんだそう!そこで今回は、40代からの認知症リスク低減機構のセミナーに参加し、どのような対策をしたらいいかを学んで来ました。

 

◆認知症は突然に…ではなく20年かけてゆっくり進行するもの!

 

まず登壇されたのは、アルツクリニック東京院長で順天堂大学医学部名誉教授の新井平伊先生。「脳の老化は、誰にでも起きます。脳の老化は40代から始まり、20年くらいかけて徐々に脳の萎縮や認知機能の低下が起きてきます」と新井先生。まずは、下記のような変化がないかチェックし、自分の脳の老化が進行しているサインがないか確認してみましょう。

いざチェックしてみると、思い当たるものがいくつもあって、ちょっと焦ります…。脳の老化のサインは記憶力などだけでなく、体の症状にも現れるなんて、驚きですね!

 

こうした脳の老化などから認知機能が落ち、日常生活に支障をきたしてしまう認知症。その代表的なものにアルツハイマー型認知症がありますが、以前は健常者かアルツハイマー病かの二択で考えられていました。でも今はその間にSCD(主観的認知機能低下)、MCI(軽度認知障害)という未病の段階があり、徐々に進行していくことがわかってきています。

 

アルツハイマー病が徐々に進行する原因として考えられているのが、アミロイドβという脳のゴミの蓄積。これが40代から徐々に蓄積が進んでいき、未病から認知症へと進行させていると考えられています。

 

「病気になってから治療する“治療医療”ではなく、発病前の未病の段階で、発症を予防したり遅らせたりする“先制医療”が大切です」と新井先生。脳老化の予防には、以下のことを意識することが大切です。

◆日常生活を意識するだけでも脳老化の予防に!

 

【1】生活習慣病の改善

肥満、糖尿病、高血圧、歯周病などの生活習慣病は、認知症と密接につながっています。これらを改善することで、脳寿命を延ばすことができます。

 

【2】対人ゲームで脳を活性化

1人でできる脳トレもいいですが、対人ゲームで相手とコミュニケーションをとったり、常に変わる状況に対処することで前頭葉を活性化することが、脳老化対策に!

 

【3】デュアルタスクの運動で体と脳の両方を動かす

運動しながら歌うなど、体と脳を同時に使うことで、認知機能低下を防ぐことが期待できるそう。自分が楽しいと思うことを見つけてやってみましょう!

 

【4】質のいい睡眠をとる

睡眠不足は、脳にアミロイドβをため込む原因に!6.5~7時間が最適な睡眠時間なのでそれを目指しながら、睡眠リズムを整えたり睡眠環境をよくして質の良い睡眠をとりましょう。

 

【5】和食中心のバランスのいい食事をとる

健康の基礎、バランスの良い食事は脳老化を防ぐためにも大切。朝昼晩の食事時間を一定にし、間食や夜食を避けるようにして、バランスのとれた日本食を意識して摂るようにしましょう。

◆認知症予防最前線では「脳腸相関」に注目!

 

脳老化を防ぐポイントは日常でできそうなことばかりですね。その中でも話題なのが、食事内容と認知症の関係。近年注目されているのは、腸内細菌が食べたものを代謝して生み出す代謝産物が認知症と関係があり、腸内環境が脳の健康を左右するということ!

 

この腸内環境を良くする食物として脚光を浴びているのが、日本食です。国立長寿医療研究センター もの忘れセンター 副センター長の佐治直樹先生の研究では、「コーヒーを含む現代的日本食」(米飯、味噌、魚介類、緑黄色野菜、海藻類、漬物、緑茶、大豆類、果物、きのこ類、コーヒー)を点数化した日本食スコアが高い人ほど、認知症の割合が低いことがわかっています。また、認知機能がよい患者さんは、魚介やキノコ、大豆、コーヒーの摂取率が高いのだとか

食べるものによっても、認知機能のよさが変わってくるなんて、適当なものでごはんを済ますというのは本当によくないんだな、と反省です。

 

◆認知機能改善効果のあるビフィズス菌を発見⁉

 

こういった日本食のほかにも、認知機能を改善するものが発見されています。森永乳業の基礎研究所長である清水金忠さんは、腸内フローラの制御を介した健康維持への期待が大きくなっていることを受け、アルツハイマー型認知症の予防・振興抑制効果のある素材を探索。そして、森永乳業が保有しているビフィズス菌の中から、アルツハイマー型認知症の発症を抑制する可能性がある菌株の特定に成功しました。「これで世界が救われると思いました」と清水さんが語る「ビフィズス菌MCC1274」はどのようなものなのでしょうか?

 

まず、認知機能の評価としては、下記の5項目があります。

こちらを発見した「ビフィズス菌MCC1274」の摂取前と摂取後を比較すると、記憶力や空間把握機能が特に、目に見える違いが出ています!

「軽度認知障害疑いの人への効果に期待したい」と語る清水さん。まさに、未病のうちに対処できる強い味方となりそうですね。

 

認知症対策なんてまだ早いかな?と思いがちですが、40~50代の今こそ大事な時期と心得て、毎日の生活習慣や食事に気を付けながら腸内環境を良くすることを意識していきましょう!

 

新井平伊先生

アルツクリニック東京理事長・院長。順天堂大学医学部名誉教授。「アルツハイマー病研究者世界トップ100」の38位に選出された、世界的権威でもある。

 

佐治直樹先生

国立長寿医療研究センター もの忘れセンター 副センタ―長。腸内細菌と認知機能の関連、脳卒中と認知症に共通する危険因子の解明などを研究。

 

清水金忠さん

森永乳業株式会社研究本部基礎研究所長。日本農芸化学会フェロー、京都大学生命科学研究科客員教授、天津科学技術大学客員教授。日本農芸化学技術賞、日本酪農科学学会賞を受賞。

 

◆資料提供/40代からの認知症リスク低減機構

 

取材・文/倉澤真由美

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