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「健康ヤセ」をしたいなら、糖質はやめなくてOK! どう食べるかが大事!  

ロカボ食はローカーボ(低糖質)の造語。そのスタートは糖尿病患者の治療食でした。しかし、この血糖値を上げにくくする食事法は体全般の健康維持&増進、ダイエットにも有効であることが期待されています。その具体的な方法とは? 糖尿病専門医の山田悟先生に伺いました。

そもそも糖質って何?

 

糖質は炭水化物から食物繊維を引いたもの。砂糖やはちみつ、それらを使用したスイーツだけではありません。白米、パン、うどん、パスタなどの主食として食べる穀類、さつまいもなどのいも類、果物などに多く含まれています。いも類以外の野菜にも一定程度は糖質があります」(山田悟先生)

 

糖質=炭水化物-食物繊維

さらに糖質は大きく次のように分かれます。

単糖類/糖が1個だけで存在するもの(ブドウ糖、果糖など)
二糖類/単糖類が2個結合したもの(砂糖、ショ糖など)

糖類は単糖類および二糖類の総称です。

オリゴ糖類(少糖)/単糖類が3~10個程度結合したもの(イソマルオリゴ糖、フラクトオリゴ糖など)
多糖類/ブドウ糖が10個以上結合したもの(でんぷんなど)
糖アルコール/砂糖とアルコールを組み合わせたような栄養素(キシリトールなど)

 

炭水化物の中に糖質があり、その中に糖類があるのです。

食物繊維は必要なので、炭水化物はゼロにしないほうがいいけれど、糖質量は考えてとるようにしましょうということなのですね。

 

 

つまり、炭水化物の中に糖質が含まれ、糖質の中に糖類(単糖類、二糖類)が含まれています。よく、食品に表記されている「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」は同じではありません。「糖類ゼロ」の表記のものは、実質的には糖質がゼロではないことがありえます。糖類以外の糖質は入っていることがあるということになります。そのあたりは理解したうえで、裏の表示を見るなど、注意して選ぶことが重要です。

 

糖質は上手にとることが大事!

 

糖質制限…というと、糖質を含む、白米やラーメン、パスタ、お菓子やケーキ、果物をまったく食べなければいい?

 

「理論上はそうですが、この先、ずっとこれらを食べない毎日に耐えられますか? そうしなくていいように考えられたのが、ロカボ食。緩やかに糖質を制限する食事法なので、糖質をあきらめる必要はありません。糖質を“ゆる~く控える”のです」

 

その目安は、糖質摂取量を1食20~40gにすることです。これを3食、それとは別に嗜好品で1日10gの糖質を摂取します。結果として1日70~130gの糖質摂取になりますが、朝食を抜いたからといって、昼食の糖質摂取を40~80gにしてよいわけではありません。その日の糖質摂取は1日50~90gとなります。1日の糖質量で考えるのではなく、1食の糖質量で考えるのがロカボです。

 

ロカボ食のルール

糖質量を朝、昼、夜の3食それぞれ20~40gずつとる。
●3食の食事とは別に、間食として1日糖質10gをとる。
●肉、魚などのタンパク質、脂質をしっかりとる

●野菜もしっかりとってよいけれど、彩りよく好き嫌いなく満遍なく!
●お腹いっぱい食べる
カロリーは気にしない

 

主食に含まれる糖質量は、白米ご飯半膳で約28g、食パン8枚切り1枚で約20g、パスタ半皿で約34g、ラーメン麺半量で約28g、そば半量で約20g。

1食の糖質摂取量を20~40gにするには、それぞれを上記くらいの“半分量”にする感覚です。

 

家で調理する場合は、パスタやうどんの量を減らした分、具を多くしてカサ増しを。白飯の量を減らして、具だくさんのチャーハンにするのもいいでしょう。

 

注意すべき糖質が多い食材

穀類/米(白飯、粥、もち)、小麦(パン類、麺類、小麦粉、餃子の皮、ピザ生地など)
いも/さつまいも、じゃがいも、やまいも、くず、春雨
豆類/小豆、いんげん豆、えんどう豆、そら豆、ひよこ豆、レンズ豆
野菜類/かぼちゃ、れんこん、とうもろこし
果実類/いちご、みかん、りんご、桃、ぶどう、ドライフルーツ
乳類/コンデンスミルク
調味料/砂糖、みりん、はちみつ、ケチャップ、とんかつソース、片栗粉、小麦粉

 

 

穀類以外に注意したいのが、いも類や根菜類、大豆以外の豆類果実類(アボカド、オリーブ、ココナッツはOK)です。しかしながら、これらも量を控える必要はありますが、あきらめなければいけないわけではありません。

 

「例えば、我が家では夫婦そろって桃が大好きです。桃などの果物も糖質が多いのですが、旬のおいしいものが手に入ったときは、夕食の主食を完全に抜いて、食後のデザートとしていただきます」

 

 

油を上手に使って、調理方法に工夫を!

 

「また、白飯などの主食がなかなか減らせないという人は、おかずの味つけを、徹底して減塩にするといいでしょう。塩味が濃いと、白飯で中和したくなるのです。ただし、減塩を薄味と思ってはいけません。塩味を控えて、油類で味をつけるのが重要なポイントです。つまり、マヨネーズ、無塩バター、オリーブオイル、ごま油、ラー油、生クリームでの味つけを中心にします。これも、糖質を控えながら、おいしくお腹いっぱい食べるための工夫のひとつです」

 

注意すべきは、砂糖、みりん、はちみつ、ケチャップ、とんかつソース、片栗粉、小麦粉など。甘い味つけには合成甘味料を活用するのがおすすめだそう。

 

「合成甘味料は体に悪い」という固定観念がある人もいると思いますが、糖アルコールに分類されるエリスリトールなどは、消化吸収されてそのまま尿で排泄され、血糖値も上がりません」

 

減らすべきは糖質量だけ。よって、上記の糖質が多い食材以外、肉類、魚介類、卵類、大豆製品(豆腐や納豆など)、きのこ類や藻類、野菜(上記以外)、脂質はたっぷりとってOK! 逆にこれらを食べることで食後の血糖上昇を抑制することが可能です。主食の量を減らした分、おかずの量や品数を増やしたり、調理方法を工夫したりして、豊かな食卓で健康になっていきましょう。

 

まとめ
① 主食は1杯の半量を心がける
② その分、脂質類、タンパク質類、大豆製品の量を増やす
③ おかずは徹底して減塩にし、脂質類で味つけする
④ 糖質の多い食材は、食べ方を工夫する
⑤ 糖質以外でおいしくお腹いっぱい食べる

 

【教えてくださった方】

山田悟
山田悟さん
医学博士
公式サイトを見る

北里大学北里研究所病院 副院長・糖尿病センター長。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医。多くの糖尿病患者と向き合う中、カロリー制限中心の食事療法では、食べる喜びが損なわれている現実に直面。患者の生活の質が高められる糖質制限食に出合い、積極的に治療に取り入れている。著書多数。

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取材・文/山村浩子

 

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