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https://ourage.jp/column/life/interview/187107/

鈴木亮平さんが意識する体型と性格の関係とは?(インタビュー/前編)

鈴木亮平さんといえば、頼もしくて大らかで、優しくて誠実なイメージ。ところが新作映画『ひとよ』では、それとは全く違う役柄を演じきっている。

いったいどんな思いで、どんな役作りを経て、新境地に臨んだのだろう?

インタビュー中の彼はもちろん、笑顔の似合うナイスガイ。身体に関する深ーい話も飛び出して・・・・。

 

撮影/宅間國博 ヘア&メイク/森泉謙治 スタイリスト/徳永貴士 取材・文/岡本麻佑

鈴木亮平さん

Profile

すずき・りょうへい●1983年3月29日、兵庫県生まれ。2007年『椿三十郎』で映画デビュー。NHK連続テレビ小説『花子とアン』(14)でヒロインの夫役を演じ、第39回エランドール賞新人賞受賞。主な出演作に『HK/変態仮面』(13)、『TOKYO TRIBE』(14)、『俺物語!!』(15)、『羊と鋼の森』(18)などがある。NHK大河ドラマ『西郷どん』(18)では主演を務めた。公開待機作に『燃えよ剣』(20年公開予定)がある。

 

猫背で演じた〈内向的な男〉

出演する作品ごとに、いつも新しい顔を見せてくれる鈴木亮平さん。11月8日公開の映画『ひとよ』ではまたひとつ、新鮮な役どころに挑戦している。『西郷どん』の西郷さんや『花子とアン』の優しい夫とは全然違う、鬱屈を抱えて内向的に生きる男を演じているのだ。

 

「僕はいつも、やったことのない役というのを探しているんです。そのほうがやり甲斐がある、と思うんですよ。ただ、今回のような役をいただく機会は、今までなかなかありませんでした。この作品で、鈴木にこの役をやらせてみたい、と思ってくださったスタッフに、感謝しています」

 

物語は、かなりシリアス。ある夜、母親が、暴力をふるう夫を殺してしまう。3人の子どもたちを守るため、子どもたちの未来のため、追い詰められ、思い余っての行動だった。そのまま母は自首して刑に服し、15年後、戻ってくる。残された子どもたちはその日以来、心の傷を抱え、望んだ未来にたどりつけないまま大人になっていた・・・。

 

「僕が演じた長男の稲村大樹は、吃音を持ち、コミュニケーションを取るのが苦手で、しかも母親が犯罪者になったおかげで、自分を隠すように生きてきたんです。世間の視線が怖いし、自分からは何も発信しない。自分の中に思いを溜め込んで溜め込んで生きている。それでいて、自分が結婚して作った家庭で夫婦関係がうまくいかず、自己嫌悪が渦巻いている。どうしようもない状況なんです」

 

暗い表情で口を閉ざし、下を向いたまま生きている男・大樹を、鈴木さんはていねいに、真摯に演じた。

 

「わかりやすい演技をする必要のない役だと思ったので、思いを込めて、観た人はきっとわかってくれると、観客のみなさんを信じて演じました。白石和彌監督とは初めてご一緒したのですが、現場は穏やかで平和的な空気だったのに、できあがった作品には緊張感があって、飽きさせない。すごくパワフルな、素晴らしい作品になったと思います!」

 

今までどんな役を演じるときにも、気持ちだけでなく身体ごと役作りをしてきた鈴木さん、今回はいったいどんな身体で臨んだのだろう?

「『西郷どん』でだいぶ身体が大きくなっていたのですが、『西郷どん』を撮り終えてからこの作品の撮影が始まるまでに半年ほどあったので、ほぼ標準体重に戻しました。意識したのは、猫背になることです。もともと身体がデカイと猫背になりがちですし、人目につきたくないときは僕もかなり猫背になります(笑)。この大樹はその上、母親の事件もあり、かなりコンプレックスが強い人だと思うので、絶対に猫背になると思ったんです」

 

映画『HK/変態仮面』(13)や舞台『ライ王のテラス』(16)では惜しげもなく見事な筋肉美をさらし、TVドラマ『天皇の料理番』(15)では病弱な役を演じるために体重を20キロ落とし、直後に撮った映画『俺物語!!』(15)では巨漢の高校生を演じるために30キロ増量。『西郷どん』(18)でも立派な体格を作り上げた。徹底した役者魂でさまざまな体格を作り上げてきたからこそ、わかったことがあるという。

 

「体型は、性格に影響すると思うんです。社会の中で自分が人にどう見られるか、が、その人の精神状態にすごく関わってくる。たとえば西郷さんはとても立派な体格をしていたので、当時の武士としてはそれだけでも尊敬され、自信にもつながったと思います。強そうな男性はそれだけで余裕が生まれるので、虚勢を張る必要も無いので、逆に優しくなれると思うんです。

同時に身体が大きいことによってデメリットもあって、僕の場合は背が大きいんですが、そのせいで人にちょっとでも強い言い方をすると、かなり威圧感を与えてしまう可能性がある。大人になるに従ってそれを自覚したので、僕はだんだん柔らかい話し方になったし、表情も柔らかくなった気がします。そんなふうに、体型と性格の関係には、社会的なものがすごく関わっている。いろんな体型を経験して、発見しました(笑)。そういうことを僕ら俳優は捉えて、そこから役を作っていくんです」

 

なるほど。痩せたい、と願ったり、メリハリボディを目指したり。私たちが体型にこだわる心の底には、社会的な自分のイメージと現実とのギャップが、横たわっているのかも。

それにしても、20キロ30キロの減量、増量をくり返してきた鈴木さんは、普段いったいどんな日常生活を送っているのだろう? インタビュー後編で、聞いてみた!

(「鈴木さんの意外な弱点」を語った、インタビュー後編はコチラ

 

『ひとよ』

ある事件によってバラバラになった家族が15年後、再び顔を合わせる。贖罪を終えた母と、母の罪によって心に傷を負ったまま大人になった3人の子どもたち。再会を果たしたものの、彼らは再び家族に戻れるのか・・・・。

11月8日(金)より、全国ロードショー

配給:日活 ©2019  「ひとよ」製作委員会

監督:白石和彌 脚本:髙橋泉 原作:桑原裕子

出演:佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、佐々木蔵之介、田中裕子ほか

公式サイト:https://hitoyo-movie.jp/

小説『ひとよ』 好評発売中!

映画の原作となった劇団「KAKUTA」の同名舞台を小説化。映画と比べてみるのも面白い。詳しくはコチラ。(長尾徳子・著 桑原裕子・原作 640円+税/集英社文庫)

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