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前田美波里さんが「40、50代で”何か”を見つけること」が大切だと語る理由【インタビュー後編】

デビュー以来、50年以上にわたって活躍を続ける前田美波里さん。2020年7月には、資生堂のグローバルプレステージブランド「SHISEIDO」のグローバルアンバサダーに就任。フィギュアスケーターのアリーナ・ザキトワ選手や、若いモデルと並んでも、まったく引けをとらない美しさは驚異的です。

 

インタビュー後編では、ちょっと意外な美容健康法、そして、今だから語れる“40、50代にすべきこと”についてなど、まさに私たちに役立つ”知恵”を伝授してもらいました。

 

前田さんインタビュー_photo

年齢を超えた美しさを体現する前田美波里さん

 

 

まえだ びばり
女優。1948年8月8日生まれ。1964年に芸術座のミュージカル 『ノー・ストリングス』 でデビュー。1966年、資生堂イメージモデルとして登場。ポスターが店頭から持ち去られるほどの大反響を呼び、世間の注目を浴びる。その後は舞台を中心に、テレビドラマ、CM等で幅広く活躍中。

 

真っすぐな黒髪にあこがれて

 

前田さんインタビュー_photo

若き日の前田美波里さん。真っすぐな黒髪にあこがれていました

 

 

誰かが自分にはないものを持っていると、それを欲しくなるのが人間です。私にもそういう時期が長くありました。たとえば天然パーマ。私はハーフなので子供の頃から今のような髪だったのですが、やっぱり真っすぐな黒髪が欲しくてね。親に相談したら「ワカメでも食べてなさい!」と一蹴されましたけど。(笑)

 

私にはきょうだいもいませんし、母子家庭でしたので父親もいない。そのぶん祖父母がしっかりしていましたが、どうしても古風な教育になりますよね。ずっと一匹狼でやってきましたけれども、振り返れば、よくまあ人様の前に体ひとつでパッと出て、役を演じて感動させるという仕事を選んだなあと思います。

 

これまで悔しい思い、辛い思いを何度もしてきました。でも、それらがあったからこそ、ここまで続けてこられたような気もするのです。

 

髪の毛だって、真っ黒だったら全然似あわない。この顔立ちだからこの髪がいいのだと、ようやく最近になって思えるようになりました。

 

目的別の鏡が家のあちこちに

 

私の1日は、起き抜けのエゴスキュー体操(体のゆがみを修正し、痛みや症状を治す自力療法)から始まります。40分ほどそれを行い、その後は、昔クラシックバレエの稽古場に行く前にやっていた体操をひとしきり。

 

6月になってからは自粛で閉まっていたジムが再開したので、アクアエクササイズなどをしています。自宅で短い動画を見ながら、ピラティスやヨガをすることもありますね。

 

我が家にはたくさんの鏡があって、どこでも自分の姿をチェックできるようになっています。まず玄関のドアを開けると左側一面に大きな鏡。これはマンションの内装を考える際にお願いしました。足元まで全身が見えるので、ここで体操をすることもあります。

 

そして洗面所の前に、腰から上が映るサイズの鏡があり、廊下の途中に引き出し付きの飾り台のような鏡が一台。そしてリビングにもその巨大版が一台あります。最後は寝室。窓際の壁の部分に、たたみ一畳分の大きな鏡があります。

 

これらはすべて用途別に分かれておりまして、玄関では全身の服のバランスを見て、寝室ではアクセサリーをつけた姿でバランスを見る。見るところが違うんですね。明るさも玄関は照明、寝室は自然光。こうすることで、あらゆるシチュエーションでのチェックができます。

 

なぜここまで細かくチェックをするのか。私たちはいつどこで、誰に見られているか分からない仕事ですからね。どんな状況で見られてもいいように気を付けていたら、いつの間にか鏡が増えてしまったというわけです。

 

60代からスポーツジムに通い始めました

 

前田さんインタビュー_photo

モデルのローレン・ワッサーさん、俳優のホアン・シュアンさん、フィギュアスケーターのアリーナ・ザギトワ選手とともに、限界・常識など様々な境界線を超え、自分らしい内面からの美しさを表現する

 

体が衰えていくことへの恐怖は常にあります。特に60代で転んで骨折した際に、それを強く感じました。ただ、普通の方は60代で骨折をしたら運動をやめようと思うのでしょうが、私は「運動不足だから骨折したのだ」と思ったんです(笑)。なので、それを機にスポーツジムに通い始めました。

 

よく「ジムで他の方と一緒になるのは嫌だから」と、パーソナルトレーニングを受けられる方がいらっしゃいますよね。私は逆。マンツーマンは嫌なのです。

 

そろそろ限界かなと思っている時に他の方が頑張っていらっしゃるのを見ると、「あちらの方もまだやっている。よし、負けるものか!」と闘志が湧いてくる。お相手が30代の女性でもそれは同じです。私も長年、舞台で培ってきた体力があるので絶対に負けません。(笑)

 

役者は体が資本だと言われるように、健康だからこそ声を掛けていただける。なかでも舞台は、当日何かあっても代わりがきかない世界です。私自身、過去に体調を崩したこともありましたが、それでも自分なりに最後までやり切ってきました。当然ですよね、役者一筋に生きているのですから。

 

体づくりには食事も大切です。お肉、お魚、お野菜、炭水化物、その時に体が要求しているものを好き嫌いなくいただきます。デリバリーは一切利用しませんので、新型コロナウィルスのステイホーム期間中もすべて自分で作っていました。

 

時にはスーパーで見つけた冷凍のピッツァに、家のテラスで育てた葉野菜とプチトマト、ブラックマッシュルームのスライスをのせて食べたり。これにワインをつけたら、最高に贅沢なランチになりました。

 

自分にとって本当に大切なものは何なのか

 

前田さんインタビュー_photo

ミュージカル『アプローズ』のワンシーン

 

 

これから先も、しばらくウィズコロナの生活は続くでしょうが、私はできるだけポジティブに現実を受け止めていきたいと思っています。

 

辛いことも嫌なことも起こるのが人生。人と触れ合うのが難しい時期だからこそ、心の触れ合いを大切にしながら、自分にとって本当に大切なものは何なのか考えていけたらいいですよね。

 

そして現在40代、50代のOur Age世代の方にメッセージを送るとしたら、今のうちに自分が夢中になれる何かを見つけて打ち込んでくださいね、ということでしょうか。60代になると肉体の衰えがやってきて、いろいろ難しくなることが増えますから。40代、50代で「何か」を見つけ、60代でいかに維持するか。それに尽きると思います。

 

取材・文/上田恵子

 

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