老け見えの元凶、
「薄毛」と「白髪」問題を何とかする方法13
いつまでもキレイでいるために…
「あ~もう白髪の根元が見えてきた…」、「この薄毛ははたして治るのだろうか…」。人の視線が気になり、鏡を見てもため息が出る。薄毛と白髪はOurAge世代の永遠の課題です。対策についてはさまざまな噂を聞くけれど、不確かな情報に踊らされるのもイヤ。薄毛と白髪を根本からなくすために、本当に必要なことは何かを追求します。
それをふまえたうえで、「これは効く!」という、美容業界で話題の方法を厳選してお届け。試すうちに鏡を見るのが楽しくなってくるはずです。
「薄毛」と「白髪」の原因は? 治せますか?
「薄毛」や「白髪」はなぜ起こるの? なくすことはできる?
3人の髪のエキスパートたちに、最新の知見とともに教えていただきました。
まず今回は、資生堂ライフサイエンス研究センターの仲西城太郎さんのお話です。
仲西城太郎さん Jotaro Nakanishi
資生堂ライフサイエンス研究センター先端領域研究グループマネージャー。大ヒットシリーズ「アデノバイタル」の商品の開発などを手がける
薄毛対策はヘアサイクルを整えること、
白髪対策はメラノサイトの活動を促すことが決め手!
「女性も閉経以降、急激に女性ホルモンが減少し、相対的に男性ホルモンの作用が高まるとヘアサイクルの成長期が短くなり、頭頂部を中心に薄毛化します(男性型脱毛)。また、休止期の期間が延びて新毛が生えてくるまでに時間がかかり、頭部全体の髪の本数が減るケース(慢性休止期脱毛)も。
ただ、女性の薄毛タイプを正確に判別するのは難しく、男性ホルモンの関与が明確でない場合も多いので、対策は、ホルモン作用とは関係なく、①ヘアサイクルの成長期を延ばす、②発毛を促進する、③髪の成長にかかわる因子FGF7遺伝子を活性化する、④血流をよくして栄養を補給するといった方法が有効。
一方、白髪は、①新毛の毛根部にメラノサイトが配置されない、②毛根部にメラノサイトは存在するが、メラニン産生が停止している、③メラノサイトの働きに重要なMITF遺伝子の活性が低下している、④メラノサイトを生み出す幹細胞が枯渇している、などがおもな原因。
白髪予防には、メラノサイト幹細胞の保護とメラノサイトの働きを後押しすることが効果的です」
次ページで、白髪と薄毛のメカニズムについて解説します。
●白髪のメカニズム
髪が生え変わるときに、メラノサイトを生み出す幹細胞から生まれた新しいメラノサイトが、毛球部にうまく輸送されなかったり、増殖しなかったりすると、次に生える髪は白髪になってしまうそう
●薄毛のメカニズム
ヘアサイクルは、成長期→退行期→休止期を経て抜け落ち、また新毛が生えることを繰り返します。女性の薄毛の大半を占める、男性型脱毛(女性の薄毛の半数近く)と慢性休止期脱毛(このケースも多い)では、ヘアサイクルのパターンが異なります。男性型脱毛では、ヘアサイクルが回るたびに、どんどん成長期が短くなることで髪が十分に育たず、細毛化(うぶ毛化)してしまうのが特徴。一方、慢性休止期脱毛の場合は、休止期が延びて新毛の発毛が遅延することによる、本数の減少が特徴です
次回は、医師の田路めぐみさんの、薄毛と白髪を根本治療する近道についてのお話です。
撮影/永躰侑里 イラスト/きくちりえ(Softdesign)
構成・原文/中島 彩