こんにちは、すけやんです。
前回は『完本 檀流クッキング』がいかなるものか、ざっとお伝えしました。
今回から、OurAgeを読んでくださっている皆さんにすぐ役立つような、
檀さんのレシピを抜粋してお届けします。
まずは夏らしく「カレーライス」から。
「カレーなんて私でも作れるわ~」と一瞬思ってしまいましたが、
檀さんのカレーは、すけやんごときの慢心など
吹き飛ばすほど奥深いのでございます。
「檀流クッキング」内では、西欧式とインド式、2種のカレーライスが紹介されています。
西欧式からみてみましょう。
それでは材料からチェック。
●材料(5人分)
肉(牛、豚、鶏) 600g(ひと口大に切る)
玉ねぎ 5個(薄切り)
にんじん、じゃがいも 各適量
にんにく 2~3片(薄切り)
小麦粉 1/3カップ
カレー粉 適量
鶏ガラスープ または水 5カップ
ブーケガルニ(ローリエ、クローブ、タイム、パセリの茎などをたこ糸で縛る)
チャツネ またはジャムとトマトピュレ
ご飯 適量
サラダ油、バター
塩、ウスターソース
[薬味]らっきょうの甘酢漬け、きゅうりのピクルス、漬けものなど
材料の中では、ブーゲガルニがポイントとみました。
檀さんいわく
「できたら、月桂樹の葉っぱだの、パセリの芯だの、クローブだの、
タイムだの、好みの香料をゆわえて加えるのがよろしい」。
このような感じです。
お手持ちのハーブ次第で、仕上がりに変化が出そうで楽しいですね。
次のページで、作り方を。
●作り方
①フライパンか中華鍋に油とバターを半々に熱し、玉ねぎ、にんにくをとろ火で1時間ほど炒める。
②別の鍋に油とバターを半々に熱し、肉を強火で手早く炒め、乱切りにしたにんじんを加えてスープを注ぎ、ブーケガルニを入れる。
③①が1/4量になり、きつね色に色づいたら、小麦粉を加えてよく炒め合わせ、カレー粉を加えて、②のスープで溶きのばす。
④②と③を合わせてとろ火でゆっくり煮る。肉がやわらかくなったらひと口大に切ったじゃがいもを加えて、やわらかくなるまで煮る。
⑤塩、ウスターソース、チャツネで調味し、最後にもう一度カレー粉を加え、香りを立てて仕上げる。器に盛ったご飯にかけ、薬味を添える。
「とろ火で1時間ほど」・・・そうですよね。
炒めれば炒めるほどコクが出ますものね・・・
いつもちゃちゃっと炒めて終わりにして、
しかもカレールーを使いがちなすけやん、猛省します。
材料内に挙げられていた、チャツネとピクルスもあわせてご紹介しましょう。
【チャツネ】
●材料
りんご(酸味の強いもの) 2~3個(700g)
にんにく(つぶして粗みじん切り) 大さじ1
生姜(つぶして粗みじん切り) 大さじ2
赤唐辛子 2~3本
レモン汁 1/3カップ
ザラメ 100g
干しぶどう 60g
コリアンダーパウダー 少々
サラダ油 大さじ2~3
塩 小さじ1弱
酢 1カップ
●作り方
①鍋に油を温め、にんにく、生姜を焦がさないよう丁寧に炒め、薄切りにしたりんご、赤唐辛子を加える。とろ火で、ときどき混ぜながら煮る。
②レモン汁、ザラメ、干しぶどう、コリアンダーパウダー、塩、酢を加え、ねっとりとジャム状になるまで煮詰める。
続けて、爽やかなピクルスの作り方を次ページにて。
【ピクルス】
●材料(分量はお好みで)
きゅうり、セロリ、にんじん、カリフラワー、大根など
にんにく
[スパイス]
赤唐辛子、ローリエ、パセリの茎、フェンネルシード、ディルシード
塩、ザラメ
酢
●作り方
①きゅうり、セロリ、にんじんなどを食べやすい大きさに切ってボウルに入れ、塩を振って全体を返し、ときどき混ぜて水気が出るまでおく。
②鍋に、水3カップに対し、塩大さじ1、ザラメひとつまみの割合で入れ、にんにく、スパイス類もすべて加えて火にかける。ひと煮立ちしたら酢1カップを加え、火を止めて室温にさます。
③①の水気をよくきって清潔な瓶に入れ、②をスパイスごと注いで、冷蔵庫で保存する。
☆翌日から食べられる。
☆漬かりを早くしたければ、常温で1~2日おいてから冷蔵庫に入れる。
次のページには、「インド式」カレーライスが登場します。
さあ、西欧式カレーライスの次は「インド式」です。
「サフランの香気を充分にもりあわせたインド式のカレーをつくって、
残暑の耐えがたさを、一ぺんに吹きとばそう。」と檀さん。
これは、早くも夏バテしたすけやんを、天国から叱咤激励してくださっているのでは?!
●材料
鶏肉(骨つきぶつ切り) 600g
玉ねぎ 3~4個(1/4個は薄切り、残りはざく切り)
にんにく 2片(薄切り)
生姜 1かけ(薄切り)
サフラン ひとつまみ(熱湯に浸けて色出しする)
カレー粉 適量
鶏ガラスープ またはトマトジュース 適量
トマトピュレ 適量
赤唐辛子 2本
マスタードシード、粒胡椒
チャツネ またはジャムとトマトピュレ 適量
ご飯 適量
サラダ油
塩
[薬味] 香菜、漬けもの、チャツネなど
●作り方
①油とバターを半々に熱し、にんにく・生姜各少々、薄切りの玉ねぎを軽く焦げ目がつくまで炒め、キッチンペーパーなどに取って油をきっておく。
②鍋に少し多めの油とバターを半々に熱し、鶏肉、残りのにんにく、生姜を入れて焼き目がつくまで炒め、ざく切りの玉ねぎも加えて炒める。
③②に、サフランを浸け汁ごと加え、カレー粉も加えて混ぜる。
④スープをひたひたに注ぎ、トマトピュレを加え、赤唐辛子、粗挽きのマスタードシード、粒胡椒を加える。
⑤①を指先で揉んで散らし、チャツネ、塩で味を調える。鶏が骨ばなれがよくなるまで煮込んで、カレー粉で香りを足して仕上げる。器に盛ったご飯にかける。
通常、カレーを一から作る場合にはターメリックを用いるのが一般的ですが、
このレシピではサフランを使うことにこだわりが。
「サフランはサフランの花柱を陰乾しにしてつくった真っ黄色の香りの高い薬草だが、
血のめぐりがよくなるといわれ、胃腸によろしく、また素敵な鎮静の作用をもっている。
しかし、小さな花の花芯のあたりだけを集めて乾すのだから、値段も高い」と檀さん。
『檀流クッキング』発売当時には、知る人ぞ知るものであっただろうサフランですが、
檀さんは早くもレシピに取り入れ、効果効能にまでも通じていたのですね。うならされます。
こちらの本でエッセイを読んでいただくと、
レシピがさらに楽しめますよ!
檀一雄 檀太郎 檀晴子 集英社/2900円(税抜)
次回以降もお楽しみに!