寝苦しい夜にも、睡眠の質を高められるようなコツをご紹介していきます。
今回は夕食や入浴など、寝る前の生活習慣についてのコツです。
睡眠の質を高めるための22カ条
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夕食は、寝る2時間前
までに済ませる
仕事などのせいでいつも夕食時間が遅い人もいると思いますが、これは睡眠の質を下げる悪習慣。
「眠っているときに胃の中に食べ物がきちんと消化されないまま残っていると、心身を活動モードにする交感神経が刺激され、眠りを妨げます。食事は遅くとも寝る2〜3時間前までには済ませましょう。また、成長
ホルモンとメラトニンの分泌を高めるには、満腹すぎず、空腹すぎないことが大事なので、夕食は腹八分目を心がけましょう」(根来先生)
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寝る1時間前からは
スマホは見ない
睡眠の質を高めるには、夜のスマホやパソコン断ちもおすすめ。
「メラトニンは朝日を浴びた15時間後くらいに、暗くなると合成が始まりますが、夜になってもスマホやパソコンの強い光を見ていると脳はまだ昼だと錯覚し、メラトニンの合成が進まず眠気が訪れません。寝る1時間前からはスマホやパソコンは見ないように心がけましょう。また、メラトニンはわずかな電灯の光でも分泌が阻害されるので、夜は照明を暗めにし、寝るときは真っ暗にするのがおすすめです」(根来先生)
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寝る1時間前に
入浴などで体温を上げる
睡眠と深い関係にあるのが体温。
「深部体温は明け方に最も低くなり、起床前から上がりはじめ、最も高くなるのは午後7時〜9時頃。この時間帯は目が冴えていますが、この後、深部体温が下がりはじめたとき眠気が訪れます。この体温の下がり具合が急なほど寝つきがよく、深い眠りにつけます。ですから寝る1時間ほど前に入浴をしていったん体温を上げると効果的。その後体温が急降下し、深い眠りにつけます。血行を促すものなど、好みの入浴剤を加えるのもおすすめ」(三橋美穂さん)
[右]超微細炭酸にエプソムソルトをプラス。バブ エピュール ローズマリー&ユーカリの香り 400g¥1,200(編集部調べ)/花王
[中]4種のミントとメントールで肌はひんやり、体の芯はポカポカに。クナイプ バスソルト スーパーミントの香り 850g¥2,400/クナイプ
[左]香りで気分を整える炭酸入浴剤。きき湯 アロマリズム リラクシングネロリの香り 360g¥1,000(編集部調べ)/バスクリン
お話を伺った方々
すなおクリニック院長
内田 直さん Sunao Uchida
1956年生まれ。医学博士。精神科医。スポー ツドクター。早稲田大学スポーツ科学学術院 教授などを経て現クリニック開業。睡眠にまつわる病気やうつ病、認知症の診療にあたる
ハーバード大学医学部客員教授
根来秀行さん Hideyuki Negoro
1967年生まれ。医学博士。パリ大学医学部客 員教授。事業構想大学院大学理事・教授。専門は抗加齢医学、睡眠医学など。著書『「毛細 血管」は増やすが勝ち!』(集英社)も話題
快眠セラピスト
三橋美穂さん Miho Mihashi
寝具メーカー勤務を経て独立、睡眠のスペシ ャリストとしてメディアや多方面で活躍。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)など
撮影/天日恵美子 スタイリスト/程野祐子 取材・原文/和田美穂 撮影協力/アワビーズ