編集部Uの実感・実体験レポート第2弾
(第1弾は、こちらから読めます)
ムカシのような"幸せな眠り"を取り戻すための
睡眠向上への道!
50歳くらいから増えるといわれる、女性の睡眠時無呼吸症候群。呼吸を助ける機械を装着すれば、よく眠れるように。
けれど、旅行のときまで機械を持ち歩くのは切ないし、できれば顔に何もつけず解放感に浸って快眠をむさぼりたい!
睡眠時無呼吸症候群と診断された編集部Uが挑戦した、症状を軽減するあれこれとその結果を、ここでまるっと公開します!
(第1弾「この眠気、もしや睡眠時無呼吸症候群!?編集部Uの実体験ルポ」は、こちらから読めます)
●TRY1●
舌のエクササイズで「舌根沈下」を防ぐ
仰向けに寝ていると、重力の影響で舌が喉の奥に落ち込み、気道を塞いでしまうことが。特に女性ホルモンのバランスがくずれる更年期になると、この傾向が強く出がち。
舌や周辺の筋肉を鍛え、舌根沈下を阻止!
早食い、無口、無表情…
舌が衰える生活にやや心当たりあり。
「疲労回復CPAP」を装着して寝れば、無呼吸になるのは避けられるけれど、治るというわけではないのでずっと使い続けるのには抵抗あり。原因は舌根沈下なのだから、仰向けに寝たときに少しでも舌が喉に落ちないように、舌を鍛えようと決意。
そこでOurAge連載「鍛えよ! 舌ヂカラ」で宝田恭子先生が教えてくれたエクササイズに挑戦することに。そもそも舌ヂカラが衰えがちになるという生活習慣5つのうち、早食いでよく嚙まずに食べる、あまり人としゃべらない、表情に乏しい…という3つの項目に心当たりがあり、反省。宝田先生ご自身が毎日20分実践しているというこのエクササイズをできるだけ見習って実践中。
宝田恭子さん Kyoko Takarada
舌は筋肉のかたまり。
鍛えるほど効果が!
睡眠時無呼吸症候群の原因のひとつに、重力の影響で舌が喉の奥に落ち込むこと=舌根沈下があります。舌が落ち込むと気道が塞がれ、呼吸がじゃまされるのです。舌を支えるオトガイ舌筋を緊張させ、上気道を広げているのが女性ホルモン。更年期を迎え女性ホルモンが減少すると、舌根沈下が起こりやすくなるといわれます。
「舌そのものも、実はほとんどが筋肉。そしてさまざまな筋肉を介して顔や首の筋肉、咽頭や食道などとつながっています。舌も脚と同じで使わないと筋力が衰え、動きが緩慢になってしまいます」
筋肉は年齢に関係なく、鍛えれば鍛えただけ効果が出ます。女性ホルモン減少の影響も、舌の筋力を高めることで補えそう。
「無言でいる時間が長い、口を動かさずに話す、早食いであまり嚙まない、食事中にむせることが増えた、口呼吸をしている。これらに思い当たる人は要注意です。暮らしの中で舌を大きく動かすことを意識し、舌エクササイズを1日トータル20分実践すれば、舌根沈下がかなり軽減されますよ」
【3つのエクササイズのポイントを紹介】
実際は一連の流れを数セットやってこそ効果が出ます。
■エア懸垂■
鉄棒の懸垂のような動きで広頸筋やあご下のオトガイ筋に働きかけるエクササイズ。まず正しい姿勢で椅子に座り、足の裏に体重をかける→股関節から前屈して背筋を伸ばし、腕を遠くに伸ばす→腕を伸ばしながら体を起こしていく→あごを上げ、鉄棒にぶら下がるイメージであごは上に向けたまま肘を折り、肩甲骨を寄せる→このときに舌で上あごの前歯の裏をぐ~っと押して8秒間キープ(イラストの口の中参照)。3回8セット。
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■目と舌ぐるぐる■
舌先を上唇と歯茎の間に入れ、目の玉を思いきり上に→舌先で内側からほうれい線をぐーっと伸ばしながら動かし、目も合わせて回す→下側は、下唇と歯茎の間に深く舌を入れ、遠くにゆっくり→ほうれい線にアイロンをかけるつもりで1周。反対回しも同様に。8周ずつ。
■舌スイング■
首が後ろに倒れすぎないよう、両手を胸の前でクロス。そのうえであごを上げ、首の筋肉をしっかり伸ばしながら実施→舌を思いきり突き出し、大きな弧を描くイメージで→目と同時に舌を横へ。これ以上行けないところまで動かす→反対側へも、目と同時に動かし、真ん中に戻って1往復。往復8回で1セット、朝晩1セットずつ。
次回は、舌根沈下を防ぐ横向き寝について、理想の枕とその理由などを詳しくご紹介します。
イラスト/sino 取材・原文/小林みどり