体調も心も不安定になりがちなOurAge世代にとって気になる「漢方」。
個々に選ぶべき漢方は違うといいますが、OurAge世代が意識するべきキーワードがあるとか。
漢方のプロである樫出さんにうかがっていきます。
1962年生まれ。漢方薬剤師・漢方ライフクリエーター。漢方カウンセリングルームKaon代表。Kaon漢方アカデミー代表。
一人一人の心と体に丁寧に向き合う漢方カウンセリングを提唱。漢方薬の処方や、漢方的養生のアドバイスで、患者の心身の元気をサポート。漢方アドバイザーの育成や漢方薬の普及にも力を注ぐ。OurAgeの人気ライターで、WEB連載「女性のための漢方救急箱」が大好評!
漢方で“腎”のパワーを上げ、健やかで若々しい体と心に
誰もが願うのが、“健やかで若々しく生きられる時間を長くする”ということ。そのためのキーワードになるのが、漢方では“腎”だと言います。
「これは腎臓とは違う、腎というパワーと考えていただければいいでしょう。漢方はエネルギーの医学なので、エネルギーに満ちていれば元気で若くいられます。40代からは腎が弱くなる人が多いため、漢方で腎を強く保つアプローチがとても有効になるのです。
漢方は、更年期のように体が変化するとき、急激に変化させず、自分なりのいい年のとり方をさせてくれる応援団長のようなもの。まずは自分の弱い部分を知り、立て直すための“マイ漢方”を持つことで、自分らしく生きていくための体力、気力を高めることができます。今は、病気などの大きなことは思い当たらなくても、これからの30~40年を、心身ともに健やかに生きていくために、ぜひ漢方を取り入れていただきたいと思います」
陰陽五行説を体内の機能にあてはめたものが五臓です。漢方における五臓は、臓器そのものではありません。例えば腎は腎臓のことだけではなく、成長や生殖のコントロールや水の代謝などの機能を含めた総称。
「OurAge世代は特に"腎"を重視して。次に"脾"が大事」(樫出さん)
腎<じん>
生命エネルギーの貯蔵庫。衰えると老化が進行
(関連する不調、病気)
腰痛、肩コリ(両肩)、神経痛(下肢)、
神経衰弱、難聴、仮性近視、膀胱炎、
腎臓病、子宮病、冷え症、陰萎、
メニエール病、白髪、糖尿病、
高血圧、痛風、シミ、精力減退(腎虚)、
ネフローゼ、夜尿症、腎臓結石、
白内障、関節リウマチ、
尋常性白斑、耳鳴り
脾<ひ>
消化吸収の働き。鈍ると胃腸障害に
(関連する不調、病気)
糖尿病、低血圧症候群、
食欲不振、食欲過多、中耳炎、
痩せすぎ、太りすぎ、膵臓炎、
めまい、脱肛、出血性疾患、頭痛、
風邪、口臭、歯槽膿漏、
胃下垂症、吹出物、便秘
五臓が衰えるとその臓に関連した機能も弱まり、上記のような不調や病気に。例えば生命エネルギーを蓄える腎が衰えると、足腰の弱まりや聴力の衰えなどの老化現象を招くことが
次回からは、実際に漢方を取り入れた女性たちの体験談をご紹介します!
取材・原文/蕨 康子