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【動画あり】世界的オペラ歌手が教える秘密の「肺活」で、元気な声と体を手に入れる!

NYを拠点に活躍する世界的オペラ歌手、田村麻子さん秘伝の「肺活」。肺やのどを鍛えて元気な体を手に入れる方法とは?

在宅ワークやマスク使用が続き、このところ大きな声で人としゃべっていないという方も多いのでは。こんなとき、気をつけたいのがのどの衰え

 

声を使わないでいると、のどの筋肉が次第に衰えていきます。声が老けているか、若々しく張りがあるかで、年齢の印象をまったく変えてしまうもの。若々しく美しい声でいるには、のどや舌、肺を鍛える「肺活」が必須です。

 

そこで、ニューヨークを拠点にしながら世界各地で活躍するソプラノ歌手の田村麻子さんが、長い訓練の末に編み出した独自の「肺活」法を公開!

 

田村さんによれば、「肺活」をすることで姿勢もよくなり、肺活量が増えて免疫力も高めることができるのだとか。貴重な動画つきレッスンを6回にわたって連載します!!

 

田村麻子さん(たむらあさこ・ソプラノ歌手)

国立音楽大学声楽科、東京藝術大学大学院、マネス音楽院(米)首席修了。国内外のコンクールにて上位入賞。日韓共催ワールドカップの前夜祭3大テナーコンサートでは故・パヴァロッティ等と共演。2015年には米大リーグのナショナルズに招聘され、対ヤンキース戦にて外国人歌手として初めてアメリカ国歌斉唱の栄誉を得る。メトロポリタン歌劇場管弦楽 、BBC交響楽団等、国内外で多くのオーケストラと共演、また世界各地の歌劇場で主演を務める。www.asakotamura.com

 

 

オペラ歌手が“秘密のメソッド”を初公開!

 

こんにちは、オペラ歌手の田村麻子です!

 

私がオペラ歌手として培ってきた、世界一難しい発声法ベルカント唱法」には、肺を強化する効果があります。

 

世界のオペラ歌手たちは、70歳でも80歳でも、背筋がしゃんと伸びていて、声も朗々としているのが特徴です。さらに女性はみなさん、とても胸高でバストアップをキープしています。

 

これはじつは、すべて「肺活」のおかげ

 

世界的に著名なテナー歌手、プラシド・ドミンゴさんが3月に新型コロナ肺炎に感染したものの、無事回復されました。これも日頃から鍛えてきた肺のおかげだったのではないでしょうか。

 

オペラ歌手は、大劇場でもマイクを使わずに声を響きわたらせることができます。いったいなぜそんなことができるのか――そこに肺活の秘密があるのです。

 

 

まず、声とは何でしょう?

 

声は、肺から出す空気がのどを通るときに声帯を振動させることで発せられます。つまり、肺からいっぺんに出せる空気が大量にあるほど、声帯をしっかり振動させることができるわけです。

 

また声は、頭蓋骨で共鳴して、響きわたります。オペラ歌手になるためには、頭蓋骨のどこに響かせるか、何年もかけて練習を積み重ねなくてはなりません。もちろん体そのものも、共鳴のための楽器となります。

 

私は今まで、プロの声楽家か、それを目指す方にしかレッスンをしてこなかったのですが、このたびの外出自粛・自宅待機のために多くの人が声を出す機会が減ったのを見て、どなたにとっても必要な筋トレだと感じ、一般の方にもできる方法を教え始めるようになりました。

 

声とは、すなわち呼吸と横隔膜のコントロールです。

声が小さな人でも大丈夫。必ず声は大きく、はっきりと出せるようになります。そして肺活を行い、呼吸を正しく行うことで、体型も確実によくなります。

 

 

 

Lesson1肩回しで体をほぐしましょう

 

声をよく出せるようになるために、まず肩周りの筋肉をほぐしましょう。肩胛骨の間を柔らかくすことは、声の共鳴のために大切なのです。

 

ひじを曲げた状態で、肩のつけねから腕を回します。前から後ろに向かって、くるくると8回。つぎに後ろから前に向かって8回。反対側の肩も同じように回してください。

 

私もステージに立つ前に、舞台の袖で肩を回して準備します。

「え、こんなことで?」と思うかもしれませんが、朝、起き抜けにこの肩回しをしてみると、声の出方がまったく違うことに気がつくはずです。すき間時間があるときなど、頻繁に肩を回してみて下さい。

 

 

 

Lesson2:鎖骨をほぐしましょう

 

胸骨も、声の共鳴にはとても大事な部位です。

首の前面にある「胸骨舌骨筋」の後ろに声帯があります。鎖骨に沿ってマッサージしてみましょう。

 

人差し指・中指・薬指を揃えて、鎖骨の下を、中央から外に向かって、指先でやさしくなでるようにほぐしてください。

 

 

 

Lesson3:横隔膜をマッサージしましょう

 

息を吸うときに使う筋肉が、横隔膜です。

横隔膜がどこにあるか、おわかりでしょうか?

 

横隔膜は肋骨の下のあたりに、ドーム状に横たわるように位置しています。息を吸ったときに横隔膜は収縮してぐっと下がり、上にある胸郭のスペースが広がって、肺に空気が入ってくるのです。

反対に、息を吐くときは横隔膜が弛緩して肺が収縮されて、空気が排出されます。

 

つまり、「横隔膜を制する者が、呼吸を制する」のです。

 

では、この横隔膜を鍛えればいいかというと、そうコトは簡単ではありません。横隔膜は不随意筋といって、自分の意識によって動かすことができない筋肉です。ですから、その周りにある筋肉を鍛えることで横隔膜をコントロールしていくのです。

 

まず、横隔膜を手でほぐしてみましょう。

 

肋骨の下に人差し指から小指までの4本の指を入れるような感じで、横隔膜を柔らかくほぐしていきます。強くはつかまないこと。みぞおちに触れるとウッとなるので、触れないように注意して下さい。

 

最初は指が入りにくいかもしれないですが、慣れてくると、だんだん横隔膜の内側に指が入るようになります。肋骨から背中のほうへ手を移動しながら、徐々にほぐしていきましょう。

 

 

 

さて第一回目のレッスン、いかがでしたでしょうか。

 

「え、そんなことが声に関わるの?」と不思議に感じた方も多いと思いますが、ぜひ実際にやってみて下さい。硬くなっている体や骨をゆるめるだけで、声の共鳴の仕方が変わってきます

 

肩回しや鎖骨ほぐし、横隔膜マッサージをしたあとに声を出してみると、なにかが確実に変わっているはずです。

 

次回、第2回は“老け声”を予防する「声のツボ」をご紹介します!

 

 

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取材・文/黒部エリ

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