今は元気でも、将来なるであろう患者の立場。この連載でお話を伺った先生方のアドバイスを10のポイントにまとめました!
いい医師を見つけ、いい医療を受けるための手がかりにしてみては。
1治療の第一歩は伝えること。必要なことはメモしていく
診察では、限られた時間の中で自分の困っていることをどれだけ簡潔に伝えられるかが重要。紙でも携帯電話でもいいので、箇条書きにしていつでもすぐに見られるよう準備していきましょう。
2いつでも受診できるように自分の情報をまとめておく
どんな診療科でも、初診ではほとんど問診票があります。基本的な質問はほぼ共通しているので、いつでもさっと記入できるように、以下のことをまとめておくのが賢明です。
《まとめておきたいこと》
□過去の病歴・治療歴・手術歴を時系列で
□家族や親族の病歴(おじ・おばまで)
□飲んでいる薬、サプリメント(栄養成分もメモ)
□過去に副作用の出たことがある薬
□アレルギー(食物、薬物、その他)
3 病名がわからないうちは調べすぎない、勝手に判断しない
素人が症状から病名を決めつけるのはとても危険。実はまったく別の病気だったという例は多々あります。調べすぎると医師の話も素直に入ってこなくなる可能性大。調べるのは病名が判明してからに。
4 重要なことが覚えられない人は、受診時に必ずメモを取る
不調のあるときはなかなか医師の話を理解できないもの。普段から話の聞き取りが苦手な人はなおさらです。メモを取るか、苦手な人は会話を録音させてもらって。ただし、録音はひと言かけてから。
5 受診時、疑問や不明点は遠慮せずに質問を
なんとなく言い出せなかった、あとで聞こうと思って忘れてしまった― は後悔の種に。初診のときは特に、どんな医師に当たるかわかりません。聞きたいことはなんでも質問する勇気を持って!
6 「治してもらう」のではなく、自らも努力すること
最初から「病気は医師に治してもらうものだ」と思うのはやめましょう。治療がうまくいってもいかなくても、そのままでは患者力は向上しません。病気は自分で治すのだという気持ちを持って。
7 相性のよくない医師とは無理してつき合わない
医師と相性がよくないと不信感につながります。つらい症状があるときや、命にかかわる病気が疑われるときなど、ストレスは治療の大敵。我慢しすぎず、別の医療機関を探すのも治療のうち!
8 評判の医師が自分にとっても名医ではないと心得て
他人にとってのいい医師が、自分にも当てはまるとは限りません。その分野の”手術の名医”であっても、治療の名医ではないことも多いもの。情報に惑わされず、冷静な目で医師を選びましょう。
9 セカンドオピニオン、サードオピニオンは積極的に
セカンドはもちろん、サードオピニオンも今や常識。最初にかかった医師を疑うからではなく、よりよい医療を受けるために必要なことだからです。希望があれば、堂々と申請しましょう!
10 なんでも相談できる医師、かかりつけ医を探す努力を
人生はこれから長いのです。なんでも相談できて信頼できる医師を見つけることが、この先の安心につながります。いい医師なんてそうそういるわけがない…と思わず、根気よく探すが勝ち!
イラスト/マスリラ 構成・原文/蓮見則子