秋になり、だんだん過ごしやすい季節になってきましたね。ジョギングなど外での運動も気持ち良く、つい張り切ってしまいがちですが、やり過ぎは膝トラブルにつながりかねないのだとか!
「夏は、暑さで室内にこもりがちだった方もいると思います。そんな運動不足の体で急に激しい運動を始めると、膝への負担が高まり膝トラブルを起こしがちになります」と語るのは、全国から膝トラブルの患者さんが訪れる関町病院院長の丸山 公先生。
また、すでに膝トラブルを起こしていてもコロナ禍で通院をためらってしまい、重症化してから来院する人もいるそう。「膝は、痛みがでる前に違和感を感じている人が多く、いつもと違うな、と感じたときから早めのケアをすることが大切です」(丸山先生)。
膝が「ポキポキ」いったら、膝ケアを始めるサインかも!?
「正常な膝軟骨は関節液に浸っているため、摩擦抵抗が少ない状態です。ところが加齢などが原因で膝軟骨の水分量が減ると、摩擦で抵抗が大きくなって膝軟骨が摩耗していき、局所的に圧迫力が増えることで「ポキポキ」といった音がすると考えられます」(丸山先生)。
ここからさらに膝軟骨のすり減りが進んで関節の表面がつるつるになったり、炎症で関節液が増えた状態になったりすると、逆に膝の音がしづらい状態になります。このまま放置してしまうと、軟骨下骨がすり減って今度は「ゴリゴリ」といった音がするようになり、痛みも強く感じてしまうように!
「そうならないためにも、最初に膝の音が気になったときがケアを始めるいいタイミングと言えます。一度でも膝のポキポキ音がすることがある人は、その後に音がしなくなったらむしろ要注意です」(丸山先生)
膝ケアを始めたほうがいい? 開始度をチェック!
何となく放置してしまいがちな膝のポキポキ音は、なんとトラブルの始まりだったんですね。ひざの痛みが慢性化している人の多くは、40~50代のときに膝の音や違和感を覚えていた人が多いそう。まさにOurAge世代が膝ケアの始めどきかも。まずは、膝ケアを始めるべきかどうか、テストでチェックしてみましょう。
1つでも当てはまる項目があれば、要注意。膝ケアを始めるように心がけましょう。
普段の生活でできる膝ケア方法を、今から始めてみて!
もし、すでに膝痛を抱えているなら、重症化させないために、日常生活を見直すことが大切です。丸山先生に、すぐできるケア方法を教えていただきました。
【1】体重コントロールをする
体重が増えるほど、膝への負担が大きくなってしまいます。できるだけ標準体重をキープするように心がけましょう。
【2】姿勢に注意する
正座などの姿勢は、間接にかかる力が増えてしまいます。軟骨がすり減り始めていると痛みを感じる場合もあるので避けましょう。
【3】入浴して屈伸運動をする
お湯に浸かってひざを温めてから軽く屈伸運動をすることで、関節の動きを滑らかにすることができます。
【4】室温管理と冷え対策をする
膝の軟骨が痛み始めている場合、冷えによって痛みを感じることがあります。また、冷えると柔軟性がなくなるので、室温調節やひざ掛けで温めるなど、冷え対策をしましょう。
【5】軟骨ケアをする栄養素を摂る
軟骨構成成分の生産を促進する成分を摂ることで、膝軟骨の摩耗を軽減します。3個のアミノ酸からできた、コラーゲンの最小単位のコラーゲン・トリペプチドが、軟骨ケアにはおすすめです。
軟骨ケア成分のコラーゲン・トリペプチドは、軟骨部分の摩耗や破壊を軽減する機能性があることが、研究でも明らかになっています。
ゼライス株式会社中央研究所での独自の研究では、変形関節症に及ぼす効果を確認するために、膝関節半月板部分切除によるウサギを用いた検討を実施。その結果、コラーゲン・トリペプチド(CTP)の経口摂取により、35日後には対象群やコラーゲンペプチド(CP)群よりも軟骨破壊が軽減されることがわかりました。
また、脛骨組織像では、対象群やCP群は軟骨部分(ピンクの部分)の摩耗が激しく厚さが薄くなっているのに対し、CTP群は軟骨部分の摩耗や破壊が軽減されています。
さらに、日常的に膝関節痛を自覚している比較的軽度な変形性膝関節症の被験者を対象にした試験では、5週間で圧痛症状に改善が見られました。また、別の調査では4週間で4人のうち3人の関節痛が改善したという報告もあります。
日常生活で膝を痛めないよう気づかいながら、コラーゲン・トリペプチドを摂るのも膝痛予防によさそうですね。
スポーツの秋を楽しむのなら、日常での膝ケアを心がけながら、ウォーキングから運動をスタートしていきましょう!
お話をうかがったのは
関町病院院長
丸山 公先生
整形外科医。日本整形外科学会認定専門医。日本大学医学部卒業後、カナダ・トロント大学留学、日本大学医学部整形外科講師、教育医長などを経て、2001年より現職。全国から患者が訪れる、膝関節ケアのスペシャリスト。
資料提供/ゼライス
構成・文/倉澤真由美