HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の定期接種の国による勧奨が2022年4月に再開されました。そもそもHPVワクチンにはどんな種類があるか知っていますか?
男性にもHPVワクチンは有効。
9価ワクチンって何?
日本で承認されているHPVワクチンは2価、4価、9価の3種。2価ワクチンは子宮頸がんのおもな原因となるHPV16型と18型のふたつに対するワクチン。4価は16型18型と、良性の尖圭コンジローマの原因6型、11型の4つに対するワクチンです。
「これまではすべて女性が対象でしたが、男性も4価ワクチンが承認され(費用は自己負担)、肛門がん、咽頭がんの予防になります」。定期接種は無料、任意接種は自費(下記参照)になり、2価、4価とも1回1万5000~1万7000円×3回が目安。
「また女性のみですが、全部で9種類のHPVを予防する9価ワクチンも承認に。費用は自費のため、1回3万〜3万5000円前後×3回が目安です」
HPVワクチンの種類
●2価
◆定期接種・任意接種
- 女子:定期接種(小6~高1)
- 男子は承認されていない
◆ワクチン名
- サーバリックス
◆予防する病気
- HPV16、18型の子宮頸がんと前がん病変※
◆対象者
- 10歳以上の女子
●4価
◆定期接種・任意接種
- 女子:定期接種(小6~高1)
- 男子:任意接種
◆ワクチン名
- ガーダシル
◆予防する病気
- HPV16、18型の子宮頸がんと前がん病変、腟がん※
- 6、11型の尖圭コンジローマ
◆対象者
- 9歳以上の男女
●9価
◆定期接種・任意接種
- 女子:現在は任意、2023年4月以降定期接種に(小6〜高1)
- 男子は承認されていない
◆ワクチン名
- シルガード9
◆予防する病気
- HPV16、18、31、33、45、52、58型の子宮頸がんと前がん病変、腟がん※
- 6、11型の尖圭コンジローマ
◆対象者
- 9歳以上の女子
※肛門がん、咽頭がんの予防効果もある
出典/「VPDを知って、子どもを守ろう。」のサイトはコチラより読むことができます
教えていただいたのは
1988年横浜市立大学医学部卒業。横浜市立大学医学部産婦人科学教室主任教授。日本産科婦人科学会特任理事(子宮頸がん検診・HPVワクチン普及推進担当)。日本の子宮頸がん予防活動の第一人者
イラスト/カツヤマケイコ 構成・原文/増田美加