「マラニック」って知っていますか?
マラソンとピクニックをかけ合わせた言葉のことで、景色を楽しんだり写真を撮ったり、ルート上のあれこれを自分なりに楽しみながら長い距離をゆっくり走ることです。最近では、各地で観光を目的としたイベントなども開催されていたりして、ちょっと走ってみたいな、というくらいでも気軽に参加できます。
ランニング初心者がラン仲間を作るのにもぴったり。 同じイベントに参加したことがきっかけでランニング関係の友人が増えた、という人は私の周囲にもたくさんいます。
ランニングしてみたいけど、一人だときついな、とか、長い距離はなかなか苦行っぽくてしんどい。 そんな方にもとってもおすすめのマラニックという楽しみ方を、今回はご紹介してみたいと思います。
マラニックって?
ランニングを習慣にしている人であればともかく、普通は2km3kmなんて本当に長く感じますよね。5kmとかになると地下鉄で3~4駅くらいかな? そんな距離を走るなんて、とにかくきつくて大変なイメージを持つ人は多いと思います。ぜーぜーはーはー、倒れそうになりながら頑張って走らなければいけないと思ったら、楽しいなんて思えなくて当然です。
確かにフルマラソンなどでは、PB(プライベートベスト=自己ベスト)のタイム狙いで頑張って走ることはあります。けれども毎回そんな苦行の必要はありません。マラニックは、そのようなレースとは異なり、時間を競う必要はありません。自分のペースで走れば(場合によっては歩けば)よく、なんなら途中でやめてもよく、もちろん速い人についていかなければと焦る必要もありません。
つまり、自分のペースで楽しみながら走ればOKというのがマラニックなのです。
そしてなによりマラニックはいろいろな楽しみ方ができます。御朱印集めのようにテーマを決めていきたい場所を訪問したり、おいしいパンやケーキを目的に店を巡ったり。 それならできそう、ちょっと面白そう、と思いませんか?
マラニックのいろいろな楽しみ方
そうはいっても、もう一つイメージがわかないんだけど、具体的にはどうすればいいの? そんな方に向けて、いろんなテーマでのマラニックの例をご紹介してみようと思います。
例その1:パン屋さんめぐりマラニック
おいしいパンが好きという人は多いですよね。おしゃれなお店も増えています。そんなパン屋さんをいくつかまわるマラニックです。
いきたいお店をいくつかピックアップしたら、間の距離を測ります。走れなさそうなら途中で電車やバスもありです。予約が必要なお目当てがあるなら、時間の余裕をもって手配しておきましょう。
行きにくい場所にあるお店こそマラニック向け!
現地で食べてもいいのですが、店舗の前で飲食をしていると嫌がられることも多いです。こんな時は、近所に公園があるかを調べておいて、そこでゆっくりするなどしましょう。小さくたためるシートなどあればベンチがなくても座れるのでいいですね。止まっていると体が冷えてくるのでは羽織るものもあるとよいでしょう。
家まで持ち帰るなら、リュックで背負えるのがいいですね。手に袋など持っていると走りにくいし、すぐ疲れてしまいますから。
これはケーキ店でも応用できますが、ケーキだとランニングで持ち運ぶとまず崩れてしまうので、この場合はワンウェイで走っていき、帰りは公共交通機関を使う、などがいいと思います。私の友人は、プラスチックのフォークと紙皿をもって走っていますよ。
例その2:マラニックdeコンプリート
例えばお正月に七福神めぐりなどをされる人は多いと思います。御朱印集めも人気ですよね。そうです、それをランニングでするのです。
こういうテーマだったら、やっぱり御朱印帳や領布品を背負って走れるリュックなどあると便利です。紙ものが多いときはクリアファイルもしのばせておくと役立ちます。 こちらも参拝中など止まっている時間が長いので、気軽にはおれるウィンドブレーカーなどがあると安心です。もちろん、お賽銭用の小銭も準備しておきたいですね。
街中ならコンビニが至るところにあるので補給も簡単ですが、もしそれが望めないような場所なら、水などの飲み物も距離に応じて準備しましょう。
神社仏閣以外では、例えばその地域の観光パンフレットに載っている場所をまわってみるとか、小説や漫画の舞台を巡ってみるというのも達成感があっておすすめです。
クリスマスの時期なら、イルミネーションをまわるのも楽しいですよ。(仲間とよくやってます。)
この写真は、以前葛飾駅周辺に点在している「こち亀」の両さん像を巡ってコンプリートしたときのものです。わかりにくい場所にある像をあれこれ探したりして、オリエンテーションみたいで面白かったです。
例その3:銭湯&ちょい飲みマラニック
我が家では定番の楽しみ方です。地図を見て、ちょっと遠い距離にある銭湯を探します。Googleマップなら、目星をつけたあたりを表示して「銭湯」と検索すると、その近くにある銭湯を表示してくれるので便利です。 そこまでの距離を測ったら、大体1時間に一回程度休憩をとる場所の目安をつけます。地名とか交差点などで構いません。そうするとついつい走りすぎてしまった!ということが避けられます。
必須の持ち物はお風呂セット(タオル含む)と着替えです。荷物にはなりますが、ビーチサンダルなど忍ばせておくと、お風呂上がりの足がらくちんです。12Lくらいのリュックなら大体入ると思います。
ほかには、古いタイプの銭湯のドライヤーは10円玉硬貨を使うものがまだあったりするので、数枚持っておくと濡れた髪のまま外に出ずに済むかもしれません。 タオルがかさばるようなら、手ぬぐいも便利です。
目的の銭湯に着いたら、ひと汗流して、行ってみたいお店を探します。外観を見て気分で探してもいいし、最初から「ここに行きたい」という目星をつけていってもいいでしょう。 偶然入ったお店がおいしいと、なんだかすごく得したような気分になれます。もちろん帰りは公共交通機関を使います。バス路線などはあらかじめ調べておくと安心ですね。
もちろん、飲みでなく、グルメでもよし、例その1(パン屋さんめぐり)、その2(コンプリート系)+銭湯もありです。
いかがですか?なかなか面白そうでしょう?
私は先日仲間とサッポロビール千葉ビール園へ仲間と一緒に走っていき、 ジンギスカンの食べ放題を楽しんできました。走った後のビールはおいしいし、十分運動しているので罪悪感がないこともサイコーです。
最寄りの駅からも2kmくらいある施設 ですが、私たちはおいしいビールのために10kmほど走りました。さらに、集合前にトレーニングまでしてきた強者も!
ちなみに、ゆっくりとしたペースで長く走る ことは、LSD=Long Distance Runと呼び、体への負担が少ないわりに長距離を走る耐久力を無理なく身につけられる、れっきとした練習方法の一つです。 夏はもうすぐ、ランニングにも暑さ対策が必要になる時期です。熱中症の危険などを考えると、暑さを我慢して無理して走ることは避けるべきですが、こんなマラニックなどを上手に取り入れてみると、レジャー気分で楽しめるかもしれません。
ランニングには興味あるけど、なかなかお尻が重くって、という方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。