5月の末に前々から温めていた企画「信楽作陶の旅」を決行しました。
2年前、ファッションデザイナーの友人が京焼の4代目で信楽に窯を持つ森岡嘉祥(かしょう)先生の所に伺って、作陶体験したのをFacebookで見て、大感動し、「連れて行って!」を連発したのが始まりでした。
2年の間に先生の所もどんどん忙しく(素晴らしい感性でピエールエルメやリッツカールトンなどから次々依頼が)なられ、「お泊まり作陶」の受け入れは不可能な状況でしたが、皆の熱意で何とか実現にこぎつけました。
メンバーはファッションデザイナーと編集者の夫婦、芸大出身の鉄の彫刻家とお茶の先生である奥様のカップル、そして私(パートナーはイタリアのコモ湖にあるホテル「ヴィラデステ」で行われる世界一エレガントで権威のあるクラシックカーイベントに〜)
皆さまクリエイティブで超ノリの良い面々です。
京都で乗り換え、人生初の信楽へ。メンバーの在信楽の友人が迎えに来てくれて、先ずはそのお宅の裏山で「筍掘り」。大人の遠足のように大盛り上がり。そしてかなりの量の筍を携えて、嘉祥先生の窯「Enso(円相)」へ。
嘉祥先生の器でいただけるコーヒーと奥様が焼くタルトが大人気(常に完売、早朝から行列)でCafé Ensoはいつも大忙し。お客様が全員帰った所で我々が東京から送ったバーベキューの材料(お野菜と3キロのニュージーランド牛のステーキ肉)をお庭に広げ、火を起こし、先生一家も含めた12人で大バーベキューパーティー。
しかし次の日からはすごい集中力で作陶作業を開始しました。
いっしょに行った彫刻家は7月シカゴで世界中のゴジラファンが集まって開かれる「ゴジラフェスティバル」で行う「ゴジラの茶会」用の「ゴジラ釜」を東京で製作中なので、それに合わせ、信楽では陶器で「ミニラの棗(なつめ・抹茶を入れる容器)」を作るという斬新な発想。奥様はお茶道具製作に挑戦。2年前にここで作陶経験を持つデザイナー夫妻は轆轤を廻す手つきも堂に入っています。その中で完全素人の私でしたが、なにせ先生のセンスと指導が素晴らしいので、とにかく幸せ、とにかく楽しい。2日間があっという間に過ぎていきました。
結局私は完全フラットの足のついた真四角のお皿を4枚(組み合わせ方でいく通りもの楽しみ方ができます)、そして轆轤で鉢を4つ作りました。(スタートからしばらくは先生が回し、途中私が代わりますが、すぐに型が崩れそうになり、先生に助けてもらい、結局最後まで先生に回してもらって、完成したもの)
平皿は汁が垂れないよう、カヤの繊維で表面に凹凸をつけ、焼きます。使用した土と形の関係で釉薬は使用できないので、備前焼のような茶色になるそうです。鉢の方は焼くと土の色がベージュに変化、その前にかける釉薬の色は赤を選びました。先生がピエールエルメとコラボした赤とベージュの格子模様のマカロンケースがあまりに素敵で完全に真似しました〜。
嘉祥先生とピエールエルメのコラボ作品
参加者それぞれが製作した作品を先生に預け、焼きをお願いして、東京に戻りました。
昨日先生から頂いたメールではあと数日で作品が焼き上がるそうです。
その節は皆様にご披露しますので、楽しみにしていてくださいませ。
今回は私にとって人生最高の旅の一つと思えるほど素敵な作陶合宿でした。