尿トラブルや臓器脱の予防と改善には、骨盤底のトレーニングが欠かせないもの。いろいろなやり方がありますが、正しくできているかどうかの確認方法がないために、案外自己流になっている人も…。理学療法士の田舎中真由美さんのナビで、今日からは効果的なトレーニングを!
お話を伺ったのは
田舎中真由美さん
Mayumi Tayanaka
1973年生まれ。理学療法士。「フィジオセンター」センター長。腰痛、産後の骨盤周囲の痛み、尿もれ、骨盤臓器脱など骨盤底トラブルに対する骨盤調整、運動指導が専門。著書に『まゆみんが教える!! 骨盤底機能』(ヒューマン・プレス)、『胸ひらきで調子のいい自分がずっと続く』(主婦の友社)など。ホームページはコチラ
あなたのやり方、合っている?プロがトレーニング法を伝授
見よう見真似で骨盤底筋体操を続けているのに、一向に効果が表れない…と嘆く人も見かけます。どれくらい続ければ効果が出るのでしょう?
「最低でも2カ月は続けてみてください。2カ月やっても変化がない人は、骨盤底がきちんと動かせていない、または動かし方を間違えているかも。そもそも、日常的に骨盤底の使い方が間違っている人も多いんです。
例えばくしゃみをしたときはお腹がへこむのが正しいのに、逆に出る人もいます。これでは腹圧がかかるたびに骨盤底に負担をかけることに。ぜひ専門家の指導を受けてほしいのですが、一人でも正しくトレーニングできる方法とコツをご紹介します!」(田舎中真由美さん)
◆まず、骨盤底の場所を正しく知る
骨盤底の位置、わかっていますか? まずは正しく確認することから。恥骨・尾骨・両側の坐骨に囲まれたひし形をイメージできるように、実際に手で触りながら確認してみましょう。
尾骨~左の坐骨~恥骨〜右の坐骨。このひし形を指でたどって確認。
最初に尾骨の位置を確認します。椅子に座った状態で、座面に触れているお尻の骨の先端を見つけましょう。それが骨盤底のいちばん後ろの部分です。
左手をお尻の下に入れ、坐骨の先端を確認。前から右手を入れ、同じ坐骨を触ります。
そのまま、右手で坐骨から恥骨まで、骨を探しながらたどっていきましょう。
恥骨を左手で持ち替え、右手は右側のお尻の下の坐骨へ。左手で坐骨までたどって。
◆呼吸に合わせて行う「基本の動き」
内臓の重さが骨盤底にかからないよう、床にひじまでつき、握った両手の上に頭を乗せた姿勢が基本。骨盤底を内臓のほうへ引き上げて10秒間キープ。難しい人は5秒でもいいので、30回程度繰り返して。
Point 1
息を吐くのに合わせて、骨盤底を引き込み、吸うときに脱力。
Point 2
尿道・腟・肛門を内臓に向かって“吸い上げる”ように引き込む。
Point 3
背中は真っすぐ固定し、息を吐いてお腹をへこませながら。
イラスト/内藤しなこ 構成・原文/蓮見則子