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閉経後に増える「子宮体がん」、検査と最新治療法とは?

子宮体がんは、早期発見して治療すればほぼ治るがんです。早期に見つける方法は、不正出血があったら速やかに検査をすること。今回は、その際に婦人科で行う検査について、詳しくお伝えします。前回に引き続き、女性のがん治療の第一人者、上坊敏子先生に増田美加さんがインタビュー。

 

子宮体がんは「子宮がん検診」では見つけられません

 

「子宮体がんを早期発見するための検診はないの?」と思う人も少なくないと思います。自治体や企業などで行われている、いわゆる“子宮がん検診”では、早期発見できないのでしょうか?

 

「いわゆる子宮がん検診は、子宮頸部の細胞診を使った“子宮頸がん”を見つけるための検査です。子宮体がんは、子宮内膜に起こるがんのため、子宮頸部の細胞診では、子宮体がんは見つからないことが多いのです。

 

ただし、“子宮がん検診”を受けに行ったときに、不正出血や月経異常があると問診でわかった女性に対しては、子宮体がんの可能性を考えて、子宮頸部だけでなく、子宮内膜の細胞診も行う場合があります。不正出血や褐色のおりものなどの自覚症状があって、クリニックを受診したときも同様です」(上坊敏子先生)

 

そのほかの検査手段は、ありますか?

 

「閉経後の人では、経腟超音波で子宮内膜の厚さを見ておくことで早期発見につながることがあります。子宮体がんの前がん状態は、子宮内膜増殖症 です。子宮内膜増殖症と診断された場合は、定期的な経過観察、または治療を受けることが大事です。

 

子宮内膜増殖症の中でも、異型増殖症 は25%程度が子宮体がんになりますから、すぐに適切な治療を受けることで子宮体がんを予防できます」

子宮、卵巣にできるがん

↑子宮体がんは、子宮体部の内面を覆っている内膜にできるがんで、子宮頸部にできる子宮頸がんとは違うがんです。子宮頸がん検診では、見つけられないことが多いのです

「痛い」という噂で、子宮体がん検査を躊躇しないで!

 

子宮体がんの検査は痛くて怖いと、症状があっても検査を躊躇しているという声があるのですが?

 

「子宮内膜の細胞診は、外来でよく行われていて、怖い検査ではありません。緊張して力が入ると痛みを強く感じるので、リラックスして受けてください。罹患率の高さに比べて、死亡率が高くないのが子宮体がんです。早期発見すれば、怖がる必要はありません。不正出血があるのに、放置しておくことのほうが危険です」

 

子宮体がんの子宮内膜細胞診は、私も何度か受けたことがありますが、我慢できないほどの強い痛みを感じたことはありません。

 

子宮体がんは、まさに更年期世代のがんといってもよく、40代から増え始め、閉経後の50代60代が罹患のピークです。更年期は月経が不順になるために、不正出血を見逃しがちですが、出血の状態にはいつも気を配ってください。

 

子宮体がん検査はどのように行われる?

 

「子宮内膜細胞診で疑わしい点があれば、子宮内膜組織診へ進みます。組織診は、細胞診より痛みが強く、麻酔が必要な場合もありますが、大部分の人は外来で検査できます」

 

【子宮体がん検査の流れ】

経腟超音波検査 子宮内膜の厚さなどを調べます

子宮内膜細胞診

↓ 偽陽性・陽性の場合

子宮内膜組織診
細い棒状の金属器具の先端に爪が付いたキューレットという器具で、子宮内膜をかき取ります。組織診は、麻酔をかけて行うこともあります

子宮組織診のイメージ


子宮内膜増殖症
子宮体がん

 

早期で見つけやすく、治すことのできるがんです

 

子宮体がんの多くは、早期で見つかって治りやすいがんとのことですが、不正出血があってからでも、早期で見つけることができるのですね?

 

「不正出血があってからすぐに、子宮体がんを診断するための検査を受ければ、ほぼⅠ期の早期で見つけることができます。

 

がんが子宮体部にとどまっている段階が最も早期のⅠ期です。Ⅰ期で見つかれば約95%、Ⅱ期でも約90%が治ります。Ⅱ期はがんが子宮頸部にまで広がっているものの、子宮内にとどまっているもののことを言います。

 

治療は、子宮と両側の卵巣、卵管を摘出する手術が基本です。閉経していれば、卵巣を取っても、手術後の体調への影響はないので、心配しなくても大丈夫です」

 

子宮体がん手術の8割が「腹腔鏡手術」です

 

今、子宮体がんの治療は、どのように行われているのでしょうか?

 

「治療の基本は、子宮と両側の卵巣、卵管を摘出する手術です。進行度によって、術式は変更されますが、近年、Ⅰ期、Ⅱ期では、腹腔鏡下手術が一般的になっています。お腹を切る、開腹手術を行っていた頃に比べると、患者さんの体への負担はかなり軽くなりました。

 

また、ロボット手術 も2018年保険適用となり、急速に広がっています。今後、早期の子宮体がんはロボット手術がスタンダードになると思います」

 

ロボット手術とは、腹腔鏡下手術のさらに進化した手術のこと。細長い手術器械をロボットアームに固定し、術者(医師)は、コンソールと呼ばれる場所に座り、操縦して手術します。ロボットが自分で手術するわけではありません。細長い手術器械には、手首のような関節機能があり、より細かい操作が可能。腹腔鏡下手術では今まで届きにくかった部位にも到達でき、よりきれいに切除できる可能性が高まっています。

 

 

【教えていただいた方】

上坊敏子
上坊敏子さん
JCHO相模野病院 婦人科腫瘍センター顧問
公式サイトを見る

北里大学病院教授、社会保険相模野病院婦人科腫瘍センター長を経て現職。産婦人科専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医。著書に『新版 知っておきたい子宮の病気』(新星出版社)、『卵巣の病気』(講談社)ほか多数

 

【美加から今回のまとめ!】

閉経後の患者力_増田美加さんイラスト

子宮体がんは早期発見できれば、怖いがんでないことがよくわかりました。早期発見するためにも、不正出血を軽く見ないで、すぐ受診することが重要ですね。特に更年期世代は、更年期の月経の乱れと、自己判断しないでほしいです。

 

増田美加さん
Mika Masuda

女性医療ジャーナリスト。1962年生まれ。35年にわたり女性の医療、ヘルスケアを専門に取材。自身が乳がんに罹患してからは、がん啓発活動を積極的に行っている

 

イラスト/かくたりかこ 構成・文/増田美加

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