開店たちまち人気! 注目の羽根木・代田エリアに「女性のための新名所」が爆誕
また少しリモートを増やさざるをえない東京の昨今。ご近所の京王線&井の頭線近辺を徒歩で回遊することがまた増えています。そんな中に嬉しいお知らせが舞い込みました!
フェミニズムの本の出版社、「エトセトラブックス」さんが、フェミニズムの本を集めたBOOKSHOPを開く、という噂を昨年耳にして、超楽しみにしていたのですが、まさかの井の頭線、しかも昨年あたりからにわかに活気づいている、私も大好きなエリアの新代田駅前に1月にオープンしたのです。もう、驚き桃の木!
昨年秋、このブログでご紹介した美味しいドーナッツ屋さんが、やはり羽根木にあるのですが、そこへも5分とかからない近さ。かつては何もない住宅地だったのですが、最近は人気のお店が増えたせいか雑誌に紹介されることもあってふしぎな「勢い」を感じるこの地域。この「エトセトラブックス BOOKSHOP」(以下BOOKSHOP)さんも超注目で、昨年末のプレオープンからさっそく行列のできるほどの人気ぶりです。
プレオープンの日のウインドウ。並んでいるのは、同社から年2回刊行の、フェミニズム雑誌『エトセトラ』。毎回のテーマが面白くて、内容が濃いうえに、装丁もイカしてます
新型コロナ対策で人数制限中ということもあって、この日は外で待つ人も。安心安全にも配慮されています。建物は昔からあった商店を素敵にリノベーション
「ところでフェミニズムの本って、どんな本?」 と言われて
そんな話を、隣駅の下北沢で鍼とマッサージを受けながらつい自慢げに話してたら、施術者の方(男性)から
「へえー。で、フェミニズムの本ってどんな本なんですか?」と聞かれて。
「うーんと、それはフェミニズムの本だからフェミニズムの本なんだけど…」と、答えにならない答えを返してしまったワタシ。
なんか、もしかするとその人は「=なんだかお固い本」だとか、「想像もつかない本」だと思ってるのかしら? と、妙に先回りして言葉に詰まってしまい…。
そんな答えでは自分自身不満足だったので、少しワタシなりの答えを考えてみました。
勝手にまとめるなら、
「読むと元気になって、世界が明るくなる本」!
女性をはじめ、どんなジェンダーであれ「性差別から来る困った制度や決めつけがある日常」に気づいてる人なら、読むとスッキリしたり、共感したり考えたりして元気が出る本たち。それがワタシにとっての「フェミニズムの本」かな。
そういえば、アワエイジ世代は「フェミニズム」っていうと、どんなイメージが湧くでしょう? かつては「フェミニズム」というと「一部の真面目な(理屈っぽい、うるさい、etc.)女性たちが頑張ってる運動」とか、何かと色眼鏡的に語られることもあったかもしれませんが、最近はもっとフェミニズムの考え方が一般的になり、同じことでもポジティブに受けとめられるように変わってきていると思います。
例えば、国連が作った、世界が目指すべき開発目標「SDGs」の中にも「ジェンダー平等」(目標5)と掲げられているように、世界の潮流からしても今や「ジェンダーによる差別の解消=フェミニズム」はとてもホットで重要なテーマ。
「1.貧困をなくそう」に始まる、17の目標。その5つめに「5.ジェンダー平等を実現しよう」が
そうした空気の中、「フェミニズム」ブームとも言えるここ数年は、本の分野にも漫画や小説などいろんな角度からの面白い表現がどんどん出てきて、読みやすく共感できるものが多数。実際、このBOOKSHOPに並んでいる本には、読むとスカッと笑いとばせる痛快な本もあるし、辛い小説や事実でも知ることで頭や気持ちが整理されたりする本もある。頭にきたらこうしよう! みたいなライフハック的なものもあるし、いろんな道を切り開いてきた先輩たちの書いたものや歴史を語る本もあって、多彩です。
何よりいいのは、『性差別的目線(女性不在だったり女性像が古すぎたりモノみたいに扱われていたり、女性に「あるべき姿」や役割を押し付けていたり)』がないため、従来の本やメディアよりスッキリ率が高く、これまで語られてこなかったけど知りたかったこと、新しいものの見方に出会う楽しみも多いところです。
刺激や痛快さ、重みや気持ちよさ、それぞれが楽しい本たちがここに
かくいうワタシも「フェミニズム本」からたくさん元気をもらってきました。ここ数年で話題になっている本の中では、映画にもなった『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳 筑摩書房)もそのひとつだったし、他にもたとえば同じ韓国発の『私たちにはことばが必要だ フェミニストはだまらない』(イ・ミンギョン著 すんみ・小山内園子訳 タバブックス)も、読んだらすごーく元気が出ました。「なんか感じ悪い、女だから言われちゃうあんな言葉やこんな言葉に、どう切り返すか?」を教えてくれる痛快本。もちろん、このBOOKSHOPでも販売中です。(あ、ちなみにこの本の版元さんも、以前から代田にオフィスが!)
ある日の本棚。右手上から3段目にこちらを向いて2冊並んでいる黄色と銀の本が、『わたしたちにはことばが必要だ』です。左手上から4段目にある『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』も、ハッピーでパワフルなエッセイで、やっぱり元気の出る一冊
一冊読んで面白さを味わうと、もっと知りたくなって、もっと読みたくなったりもする。だから、硬いものから柔らかいものまで、「フェミニズム」を串に、いろんな本がまとまって見られるBOOKSHOPは貴重です。よく見るとところどころに、ミニミニ出版と思われる本や、ロングセラー本、さらに古書も混じってたりするので、「え、この懐かしい本(漫画)、昔あったよね。これもフェミニズム本なんだ!」なんていう、普段は出会えない本との遭遇もあったりします。
そう、「フェミニズムの本」って、人それぞれだし、いろいろ読みながら広がっていくものなのかもしれませんね。
このBOOKSHOPの店長を務め、選書しているのは、寺島さやかさん。下北沢で面白い本を集めていて、いろんなイベントでも盛り上がっている書店さん「本屋B&B」で、やはり人気の「フェミ棚」も寺島さんがつくっていたとのことで、納得! です。
プレオープンの時に買った3冊。どれも「当たり」でした。出版社「エトセトラブックス」から刊行されてる翻訳本『ある協会』は、ヴァージニア・ウルフの短編。これも読みながらニヤニヤしてしまう面白さ! 短いからサッと読めるのもナイス。ナガノハルさんの2点は、どちらも胸にグサグサ来て頭をガサガサと揺さぶられる、リアルで深いフェミニズム漫画です
BOOKSHOP店主にして、出版社エトセトラブックス代表の、松尾亜紀子さん。河出書房新社で単行本などの編集者を務めたのち、独立して同社を興す。全国に広がる、性暴力に抗議するスタンディング・デモ、「フラワーデモ」呼びかけ人の一人としても活躍
ということでじわじわ来てる羽根木とも相まって、新しい息吹を感じる
「エトセトラブックス BOOKSHOP」。
営業は木〜土曜日の週3日間だけなので要注意ですよー。
そして、ここに来たらぜひ立ち寄っていただきたい地元のお店情報は、追ってまた!
●エトセトラブックス BOOKSHOP
〒155-0033 東京都世田谷区代田4丁目10−18 ダイタビル 1F
京王井の頭線新代田駅より徒歩1分
営業時間 木〜土曜日(週3日のみ営業) 12:00~20:00
*新型コロナ対応などで、営業時間などの変更の可能性があります。インスタグラムetc.books_bookshopで情報をご確認のうえお越しください
●エトセトラブックス https://etcbooks.co.jp