自分の身を飾るものにこだわるより、自分に取り入れるものにこだわる方が自分を根底から変えてくれます。
だから食事も読書も同じように大切です
~書籍「十和子道」P101より~
<担当編集者からみたこの言葉の背景>
1年以上にわたり十和子さんの日常を取材してみて印象的だったことのひとつは「君島家は食事を大切にしている」ということ。
贅沢なものを食べているということではなく、素材の味わいや旬に敏感なのだ。
スーパーで食材を買っているところを取材していたとき
「小松菜はこの時期だと京都産のものがシャキシャキしていておいしいですね」
そう言って小松菜をカゴに入れたのは十和子さんのご主人誉幸さん。
「卵の味わいと栄養をしっかり摂りたいときに買うのはこの卵」
「バターはこれ。クリーミーでお料理に深いコクを出してくれるから。パンにももちろんいいですよ」
「野菜炒めのときにはこのタレ!」
とふたりで君島家の定番を次々と教えてくれた。
そのため「十和子道」では〝美と健康を育む君島家の食卓〟という章をもうけた。
愛用の調味料やお取り寄せしているもののほか、冷蔵庫の中も撮影。
冷蔵庫の写真は思い切って見開き2ページでドンと大きく掲載したのだが、読者の反響はそれはそれは大きかった。
ちなみに冒頭の写真は「チキンのグリル トマトソースがけ」をつくっているところ。
「トマトの水煮缶があれば15分でできあがります。
我が家で絶対に切らすことがないものはトマトの水煮缶。
お肉のグリルやパスタソースなど時短料理に欠かせません」
君島家が食事を大切にするのはそれが健康や肌や髪の美しさに直結するからなのはいうまでもないことだが、きいてみるともうひとつの理由が。
それは
「家は外でイヤなことがあっても、さぁ帰ろうと思える場所であってほしい。
それには家族で〝おいしいね〟〝ほんとね〟と何度も言い合いながら食べる食事がとても大切だから」
この日取材が終わったのは夜7時近く。
家族のために夕飯の支度をしている様子を撮影していたのだが、またもや遅くまで居座ってしまった。
そろそろ娘さんが習い事から帰宅し一家で食卓を囲む時間。
あわてて帰り支度をする私たちに
「せっかくだからお味噌汁だけでも味見していってください」
と誉幸さん。
(「ごはんを炊かない日はあってもお味噌汁をつくらない日はありません」/「十和子道」p57より)
お言葉に甘えていただいたお豆腐とあおさのお味噌汁。
その優しい味わいはこれから家族で囲む食卓のあたたかさを感じさせた。
(初めての手作り味噌。「家族に大好評でした」/「十和子道」P56より)
今回ご紹介した格言にあるように、もうひとつ十和子さんが食事と同じくらい大切に思っているのが読書。
読書家である十和子さんの本棚についてもいずれ紹介しますのでお楽しみに。
撮影/本多佳子
*オールカラー、自宅で撮影、オール私服、収録写真400点
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