気持ちよく暮らす「生活のしきたり」
季節の行事のすごし方や、親戚・ご近所とのおつきあい。恥ずかしくなく普通に暮らすため、カジュアルな決まり事を覚えましょう!
ここでは、各テーマごとに全部で84の「しきたり」をご紹介します。
教えてくださるのは、生活研究家の阿部絢子さんです。
このパート【おいしく正しく食べるための「習慣」】では、食べ物をしっかり、そして楽しく食べることに関するしきたり22~43をご紹介します。
今回は、しきたり32:基本のだし汁のとり方をおぼえよう、についてです。
●おいしく正しく食べるための「習慣」●
四季があることは、食材にも四季があるということ。四季は身体にも影響があり、身体をスムーズに動かすためにも、四季に合った食べ物を取り入れることが必要です。
食べられればなんでもいいのではなく、四季に合わせた食べ方、食材の選び方を考えましょう。
おいしく、楽しく食べることも大切です。姿勢、 箸の持ち方、食べる順序なども、昔から伝えられた習慣です。これらを守ってこそ、おいしく、そして楽しくいただくことができるのです。
生きること=食べることともいえるわけですから、シッカリ、キチンと選んで、最後まで残さず食べる、これは、なにより大切な家庭のしきたりとしなければならないでしょう。
しきたり32
基本のだし汁のとり方をおぼえよう
忙しいとき、だし汁をとるのがなんだか面倒で、ついつい顆粒や粉末だしを使いがちです。おいしいだし汁を知って、これらを使うのと、知らずに使うのとでは、味が違ってきます。まずは、基本のだし汁のとり方をおぼえておきましょう。
基本のだし汁は、吸い物と煮物では違います。吸い物はだし汁の味が決め手になりますので、まずは吸い物だし汁のとり方です。
●吸い物だし汁の材料 材料は昆布と削り節です。カップ1杯の水に用意する昆布と削り節の分量は、昆布は5㎝四方くらいの大きさ、削り節は大さじ山盛り1杯です。この目安はカップ1杯の水ですが、水を多くしたいときには、いずれも水の1〜2%の分量が目安です。
●吸い物だし汁のとり方 水に昆布を入れ、30分ほどつけます。早く昆布のだし汁をとりたいときには、昆布の縦方向に切れ目を入れます。横方向に入れると、粘り、くさみが出るので気をつけます。次に、昆布を入れたまま火にかけて、沸騰直前に、昆布を引き上げ、そのあと削り節を入れ、再び沸騰したら、火を止めます。削り節が沈んだら、塩をひとつまみ入れ、うま味の戻りを防いでこします。
<昆布だし汁> だしをとるには30分待たなければならないので、忙しいときには待っていられないこともあります。そんなときにはあらかじめ冷蔵庫で、水と昆布を入れ、ゆっくりとうま味を引き出しておいたものを使うのも手です。
だし汁を多めにとっておいて、冷凍保存しておくのも忙しいときには役立ちます。ただし、味は少々落ちますが。
●煮物のだし汁の材料 水1カップに煮干し2〜3尾が目安です。水が多くなれば、煮干しを増やします。
●煮物のだし汁のとり方 煮干しの頭、はらわたを取り出しておきます。身をふたつに裂きます。水1カップに煮干しを入れ、30分ほどつけます。この30分が面倒なら、昆布と同様に、冷蔵庫で引き出しておくと便利です。水に煮干しを入れた鍋を火にかけ、少しアクをすくいながら、2〜3分沸騰させてこします。
だし汁とりは面倒と思っていませんか。実際にやってみると、そう面倒なことではありません。準備のつもりで試してみてください。
次回は、しきたり33:和食と洋食の簡単アク取りをおぼえよう、についてご紹介します。