男女ともにファンの多い人気美容エディター、松本千登世さん、連載「もう一度、大人磨き」も人気です。仕事、コミュニケーション、これから先の未来への考え方など、彼女のマインドには、私たちが目指したい大人の女性像が見えてきました。
MIND
「千登世さんを嫌いな人はいない」。人に優しく寄り添う彼女には、しなやかでポジティブな心意気が
松本千登世さん
Chitose Matsumoto
1964年生まれ。美容エディター。客室乗務員、広告代理店勤務、出版社勤務を経てフリーランスに。多くの女性誌で美容コラムを連載中。近著に『もう一度大人磨き 綺麗を開く毎日のレッスン76』(講談社)がある
WORK
「大変さを上回る、心動くことがある」
仕事が好きです。思うようにならないこともあるし、恥をかいたり、叱られることもある。自分が正しいと思っても、やってはいけないこともある。例えば編集の仕事なら、ひとつひとつ自分の責任で判断をして、決定を下して、チームみんなが納得できる仕事になるよう努力します。ある部分、面倒だったり、たまにイヤな思いをする場合もあるけれど、大変さを上回る心動くことがあります。長い長い恋愛みたいな感覚かなあ。
東京・代々木八幡「HININE NOTE」で作った名前入りのノート。万年筆は、使いこなす大人に憧れて20年以上前に購入した「ペリカン」のもの
COMMUNICATION
「ひと言添えると、人の役に立てるのかもって」
「穏やかな空ですね」とか「気持ちのいい午後ですね」など、メールの最後に本題とは関係ないひと言を添えるようにしています。ビジネスメールだと、こういう無駄な言葉を省いてほしい人もいるかもしれない、と思いつつ。天気や空や風を感じて、相手に伝えることで、自分も季節を感じるようになりました。もしかしたら、そのひと言が誰かの役に立つかもしれない、そうだといいな、と思いながらメールを締めくくっています。
手紙は不得手ですが、粋な手紙に憧れが。上質な便箋に縦書きで。日本語は縦書きが書きやすいから
COMMUNICATION
「頭の中に、好きな人しか残さない」
誰かにイラッとしたときは「ああ、この人の家族じゃなくてほんとによかった」と思います(笑)。「人の悪口を言わないね」と言われるけれど、私、本当は誰よりも頭の中で、瞬間的に悪態をついている気が。でも、悪口を言うのは、その人のことを考えているからこそ。イヤな人のことは考えたくないから、すぐ頭から排除します。好きな人の話をしているほうがずっと楽しいし。だから、頭の中には好きな人しか残しません。
FROM NOW ON
「老眼になって、人に優しくなった」
何が怖いのかわからないくらい、年をとるのが怖かった時期もありましたが、54歳になってみると、何を怖がっていたんだろう? って。できないことが増えることを恐れていたのかもしれません。老眼になったり、体のどこかが痛くなったりするけれど、でも、体が少し弱って、強かったときにはわからなかったことがわかって、人に優しくなれた気がします。漠然とした不安もあるけれど、年をとることはいいことだ、と思います。
FROM NOW ON
「幸せすぎて死ねない」
日々、心がけているのは「笑う」こと。気の置けない大好きな人たちとの時間はいつも笑顔になるし、一人の時間も笑顔でいるかも。これまで楽しい大人や面白い大人をたくさん見てきて、憧れて、少しでも近づきたいと思ってきました。結果、今の私がいる。年下の女性を応援するとしたら、私たち世代が楽しそうに生きること。幸せ? と聞かれたら、迷いなく「幸せ!」と答えます。幸せすぎて、私、死ねません(笑)。
特に好きな花はカラー。シンプルでミニマム、花とグリーンの境目がないところも好きです。華やかさよりも、存在としての強さに惹かれます
※この特集内に登場するアイテムは松本千登世さんの私物です
撮影/山田英博 ヘア&メイク/渡辺みゆき 取材・原文/池野佐知子
撮影協力/アンカーレッコ葉山 Avec café & deli Hayama